この記事は(一社)日本経営士会発行の「環境CSRニュース」で配信した記事の一部です。日本経営士会 環境CSRのホームページはこちらへ。 http://www.compact-eco.com
今回のテーマ:中小企業にとって何が必要なのか シリーズ②
「企業のミッションの重要性〜ミッション経営」
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この原稿は経営士の故小守 孝様の原稿を掲載させて頂きます。
小守先生の原稿は日本経営士会の本部に小守文庫として保管されています。このシリーズ物の掲載の経緯については
今年の5月1日発行の環境CSRニュースNo64に記載されています。
◆企業のミッションの重要性
ミッションは使命といわれ企業の事業領域や経営方針、経営戦略などもこの分類に入る。自分達の企業の目的は何か、
社会から与えられている使命は何なのか。企業は経営者、従業員共にそのミッションを明確にし、そのミッションを実現
するためにモノを生産したり、サービスを提供している。又別に調達(借入)した資本に対し利益を獲得し株主への還元、
社会への貢献、納税といった責任を持っている。
ミッションの要素は①信念、②機会、③能力で信念は創業者の信念であり、それは経営陣、従業員共通の信念であることが
大切である。共通の信念を持って仕事をしている企業は一般的に活性化された組織で生き生きしている。機会というのは
外部要因であり、市場ニーズである。
能力は内部要因でありコアコピテンス(中核的能力)である。
現在多くの中小企業でも、「企業の社会的責任」CSRや「法令の遵守」(Compliance)と共にミッション(企業使命・
経営理念・社是)を明確にしこれらのミッションを実現するために経営方針をたて、経営戦略に結び付けて、全社員が
一体となって企業活動を推進している姿が見られるようになった。
◆ミッション経営の手順
1)経営理念の明確化(企業の存在意義・使命感、目的、経営方針)
ミッション・ビジョンの確認。
2)経営ビジョンの設定(企業が目指す将来像)
中期計画や長期計画を表すことが多い。
3)SWOT分析(企業の強み、弱み、機会(チャンスとなる経営環境)、脅威(ピンチとなる経営環境))の実施。
4)企業ドメーン(活動領域)の設定。
5)経営戦略の策定 企業戦略→事業戦略→個別戦略
ミッションとビジョンは組織の進む方向を示す概念で最も上位に来るものであり、ドメーンは企業の活動領域を示す
もので、どこまでを企業の活動範囲と捉えるかである。ドメーンを考える場合、製品志向(物理的定義)と市場動向
(機能的定義)の2つの方向性が考えられ、ただよらないことが必要です。SW(強み・弱み)分析は企業の内部能力
を見極める分析であり、OT(機会と脅威)分析は外部環境の市場機会をいかに求めるか、脅威を如何に回避するかの
分析で、同時に行うことにより経営戦略を策定するために中小企業で使うようになった。
◆経営戦略の下位組織へ
1)企業戦略
成長戦略:組織が成長するための方向性を決定する戦略
多角化戦略:本業以外にも事業領域を拡大し、事業間の相乗効果を活用する領域
組織戦略:組織の経営資源や経営基盤を構築するための戦略
2)事業戦略
差別化戦略:自社製品に魅力的な独自性を付加することで優位性を築く戦略
コスト戦略:競合企業より低コストで生産・販売することで優位性を築く戦略
集中化戦略:市場を細分化し、その中で一部のセグメント(区分、領域)にフォーカス(焦点を当てる)する
ことで優位性を築く
3)個別戦略
仕入れ戦略:原材料や商品を効率的に仕入れるための戦略
生産戦略:製造業が高い生産性で商品を生産していくための戦略
マーケティング戦略:効率的に商品が売れるしくみをつくる戦略
財務戦略:資金運用に関する戦略
人事戦略:人材の採用、配置、教育等に関する戦略
情報戦略:情報の収集や処理、情報システムに関する戦略
次回は「顧客重視・マーケティングの重要性」シリーズ③