この記事は(一社)日本経営士会発行の「環境CSRニュース」で配信した記事の一部です。日本経営士会 環境CSRのホームページはこちらへ。 http://www.compact-eco.com
中小企業にとって何が必要なのか シリーズ③
「顧客重視・マーケティングの重要性」
顧客、市場を主体とした対応と市場の動向及び競合企業の動きを把握して、マーケティング活動を行うことが必要で、企業成功の要素である。市場調査、顧客調査と分析から満足してもらえる商品開発とマーケティング戦略が必要になってくる。中小企業の中では積極的にISOの要求事項である「顧客満足度」を徹底的に調査分析、戦略に生かしている企業もある。
(1)マーケティング戦略の進め方
成功を収めている企業は、市場の動向や競合他社の情報など外部の環境を適格に把握して、マーケティング戦略に取り入れ活動している。大切なのはシーズ志向でなくマーケティングで必要とされる商品を提供しようとするニーズ志向である。
1)市場分析
2)ターゲットの明確化
市場で同じようなニーズを持つ顧客をグループ化し、ターゲットを絞ることが必要になる。
市場細分化した方が顧客ニーズをとらえられやすいが市場規模を小さくなる要素を持っているので、関連性などを考慮することもある。市場細分化の切り口としては次のようなものがある。
①年齢、性別、職業、学歴、家族構成、所得など
②地域、気候など
③消費行動や価値観
3)競合他社との差別化戦略
攻め方としては集中型、差別化、個々の顧客に対応するなど考えられる。
4)マーケティングミックス(4P戦略)
ターゲットに対してどのように売れるしくみを作るか、即ち
① 商品(Product)
② 価格(Price)
③ 通チャネル(Place)
④ プロモーション(Promotion)販促
の4つのマーケティング戦略の組み合わせで4Pという。
ここでの戦略は、商品の品質、性能は当然として、ブランド、ネーミング、デザイン、アフターサービス等をも含んでいる。
特に顧客側の視点でとらえることが大切、最近は知的財産権を重視して商品戦略を考えている企業もある。
(3)価格戦略
商品価格はプロダクツ側が決めるのではなくあくまでもマーケティングに焦点を合わせなければならない。顧客はその商品の品質、機能、価格、デザイン等総合的に判断し購入している。従って顧客のニーズに合致した商品づくりと価格設定が必要である。
(4)プロダクト・ポートフォーリオ・マネジメント PPM(Prodact Porto folio
Management)
自企業の製品又は事業を全体的・客観的に分析し重点分野と撤退分野を見極め自社にとって最も効果的な資源配分を行う手法です。
競争戦略策定の手法。
ここでは略図を書けば解りやすいですが文章で表現すると正方形を縦横に分割4つに区切る。縦軸はその商品の成長性、横軸は業界の中でのシェア。
①のなる木(低成長・高シェア)正方形の右下領域
維持顧客:対応は低成長で発注量は少ないが自社のシェアは高いので当社に満足しているか他社に変更するのは面倒な顧客の可能性がる。この領域に入る顧客は競争が激しくないこともあり、利益率が高いのが特徴の一つである。この顧客は幾ら訪問頻度を高めてもは発注量は増えない傾向があるので、友好関係を維持しつつ、営業力投入の効率化・合理化を計ることが必要である。
②スター・花形商品(高成長・高シェア)正方形の右上領域
自社のシェアが高いので顧客とは良好な関係を築くさらなる成長が望める分野。シェアが高いだけで有利に営業はできるが競争が厳しく品質などで問題を起こしてはならない。シェアが高いのでライバル会社より情報量も多くとれるのでこのメリットを活用して積極的に提案営業を働きかけライバル他社の攻勢を食い止める。
③問題児(高成長・低シェア)正方形の左上領域
対応は重点注力。成長性は高いが競争が激しく要求レベルが高い。自社が獲得してない潜在需要が多い顧客。営業的には
訪問しにくいため足が遠のいてしまう。訪問頻度をあげライバル会社との差別化が重要でいろいろの提案を積極的にしていく必要がある。
注意点としては成長の高い分野でも自社の企業規模や能力を超えた営業活動や設備投資をしてまでの受注増には注意が必要である。
④負け犬(低成長・低シェア)正方形の左下領域
成長が低くシェアも低い分野、過去は自社にとっては良い顧客であったことが多く、自社の低成長に伴い良好な関係が薄れてきた傾向が強い。今後の取引は成り行きか、撤退の領域である。
次回は「バリューの重要性」〜成功企業に於けるバリュー経営〜 です。