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電験1種・2010年2次試験 (模範?)解答・その5

2010年12月11日 02時59分03秒 | 

電験1種  機械・制御 問1


200V
5.5W50Hz、6極の三相かご形誘導電動機の拘束試験の
結果は次のとおりである。
    線間電圧 40V
    線電流 22A
    三相入力 620W

この電動機をV/f制御のインバータで制御する。

始動の際、インバータの電圧および周波数の調節機能を利用して、

始動周波数を数ヘルツとすることによって、始動電流を抑えることができる。
励磁電流が無視でき、また、電気的過渡現象も無視できるものとして、
次ぎの問いに答えよ。

(1)r1r2およびx1x2はいくらか。

 

(2)始動時のインバータの出力周波数をfLとするとき、始動トルクを
全電圧始動で得られるトルクと等しいトルクで始動させるための
インバータの出力電圧VL(線間)をfLと等価回路定数の記号を用いた式で表せ。

 

(3)上記(2)において、始動電流が22AとなるfLおよびVLはいくらか。

 

さて、この問題

V/f 制御をどうとらえるかで様相が一変する。

V/f 一定制御ととらえると

    VL/L = Vn/fn  つまり VL = fL*Vn/fn = 4*L となって

(2)、(3)の設問の存在意義がなくなってしまう。

ここではVに対応してf も変化させる制御 

あるいは逆に表現すれば f に対応してVを変化させる制御と考えて

愚直に計算して正解を導き出すのが出題者の意図ではなかろうか?

 

インダクタンスは変化しなくてもリアクタンスは周波数 f に比例して変化することにも注意。

 

(1)の回答

線電流22Aで三相入力が620Wであるから

3 * IL^2 * ( r1+ r2 ) = 620

( r1+ r2 ) = 620 / 3 / 22^2 = 0.426997      r1+ r2 = 0.427 Ω(答)        

 

    三相皮相電力は √3 * 40 * IL であるから

3 * IL^2 * { ( r1+ r2 )^2 + ( x1+ x2 )^2 } = 3 * 40 * IL

   √{ ( r1+ r2 )^2 + ( x1+ x2 )^2 } = 1.049728  ← 拘束インピーダンス

    ( r1+ r2 )^2 + ( x1+ x2 )^2 = 1.101929

    ( x1+ x2 )^2 = 1.101929 –0.426997^2 = 0.919602

    ( x1+ x2 ) = 0.95895                     x1+ x2 = 0.959 Ω(答)

 

(2)の回答

周波数 fL  線間電圧 VL  定格周波数 fN  定格電圧 VN

すべり=s として

入力電流、機械的出力、角速度、トルク の計算式を出す。

このときリアクタンスは (L/N) * (+x) とする。

 

L=fN、 VL = VN  s=1 とすれば全電圧始動時の値が得られる。

 

両者を比較して

 VL = [ 800 * fL * { (r1+r2)^2 + (fL/50)^2 * (x1+x2)^2 } / { (r1+r2)^2 + (x1+x2)^2 } ]^0.5 

                             ・・・(答)

          ホント ?

 

(3)の回答

(2)で求めた入力電流の式にVLの式を代入すると

比較的スッキリと入力電流がfLの関数として表わされる。

これを22Aと置き、(1)で求めた ( r1+ r2 )^2 + ( x1+ x2 )^2 の値を入れれば

 

L = 2.00007

VL = 16.3362 が得られた。

                           fL = 2.00 Hz (答)

                           VL = 16.3 V (答)

                   

どうだろう?

計算ミスがなければ この考え方で正解が導かれると思うが・・・

あるいは まったくの 頓珍漢?

コメント
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