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自然に学ぶ

2016-07-21 13:55:05 | お話
🍀自然に学ぶ🍀


さぁ、いよいよ山形機長のファンタスティックワールドに入っていきましょう。

このワールドは過去・現在・未来になっています。

まずは、「過去のワールド」です。

私の子供の頃の話です。

白状しますが、私は小学生の頃、全然勉強ができませんでした。

勉強より自然の中で遊ぶことに夢中になっていました。

特技の1つはザリガニを捕まえることでした。

稲刈りが終わった後の田んぼに小さな穴があり、その中に真っ赤なザリガニが住んでいたんです。

最初はやみくもにその穴に手を突っ込み、ハサミで指を挟まれて血だらけになりました。

少々痛い目にあっても、目的を達成したいので諦めません。

ザリガニの気持ちになって考えてみると、「ザリガニは捕まりたくないから、敵が来たらハサミでやっつけようとしているんだ」と、

心の目で見ることができます。

今度は優しくそっと手を入れました。

手の先がザリガニに触れたと思ったら、挟まれる前にパッとハサミを掴み、

「やったぁー」と引き上げました。

そうしたらハサミだけが抜けてしまいました。

ザリガニも自分の命を守るためにハサミの部分を切り離すんですね。

だから、慌てて引き上げたらダメなんです。

ゆっくり引っ張り出すと、真っ赤なザリガニが捕れ、成功するんです。


1番得意としていたことはトンボ採りです。

私が狙っていたのはギンヤンマの雄でした。

ほとんどのトンボは、何かに止まっところを狙って捕まえます。

でもギンヤンマの雄はずっと回遊していて、なかなか止まりません。

ギンヤンマを追いかけると逃げるのですが、

私はそれを1歩も動かずに捕まえられるようになりました。

網を左右に振ると、ギンヤンマがその網に向かって飛び込んでくるんです。

おそらく、自分の縄張りを侵す者が来たということで、

追い出そうとして突進してくるのではないかと思います。

その網を振る速さも、一定の速度になったときだけしか来ないんですね。


私が子供時代に自然遊びの中で学んだこと。

1、何事もよく観察する。

昆虫でも小動物でも相手の気持ちを思いやる「心の眼」を持つことが大切です。

2、がむしゃらに頑張ってもダメ。

いかに力をうまく抜き、包み込むことができるかが勝敗の分かれ目です。

3、自然の中は危険がいっぱいです。

そのことを知った上で自然の中で楽しむことが大事です。

そうすると、自然の優しさ、厳しさ、もの道理が分かり、

そこから第六感を身につけることができます。

パイロットをしていたとき、この第六感が、「何かおかしい」と感じたことがありました。

そこに目に見えない風の渦が発生していて、その時のとっさの判断で危険を回避することができました。

4、人は常に自分で決断や選択をしているという自己責任を忘れてはいけません。

5、子供の頃は明日のことを考えず、「今この時だけ」を生きていました。

それができたのは仕事をしてくれている父親や、食事を作ってくれていた母親などの

「縁の下の力持」がいたからです。

人生も社会も同じでは無いでしょうか。


(「みやざき中央新聞」山形和行さんより)