横浜市都筑区耳鼻咽喉科

南山田(センター北と北山田の間)の耳鼻咽喉科院長のブログ。

耳垢栓塞

2012-09-17 07:29:24 | 院長ブログ

小学生のお子さんが耳鼻咽喉科健康診断で、こう判定されることがときどきあると思います。本当にご家庭では除去することができないぐらい耳垢が詰って、聴こえにも影響が出そうな場合と、単純に耳垢のせいで鼓膜が見えず、診断がつけられないだけの場合があると思いますが、こう判定されたらいずれにせよ、耳鼻咽喉科を受診してください。耳垢を取ってみたら、保護者の方が気がつかないままでいる滲出性中耳炎などが見つかることが、ときどきあります。

耳垢は、外耳道の皮膚の古い上皮が剥がれたものと、耳垢腺からの分泌物とでできています。前者が主体のものを乾性耳垢、後者が顕著なものを軟性耳垢と呼びます。耳垢腺の分泌の程度(耳垢腺の数)は、常染色体優勢遺伝によるとされます。ご両親のどちらかでも軟性耳垢だと、お子さんもそうなるということです(いろいろな条件で、例外もあるようです)。白人の方や黒人の方では、大多数が軟性耳垢です。日本人では、1割5分から3割が軟性耳垢だと言われています。中国や韓国の方は、もっと少ないそうです。軟性耳垢の方が乾性耳垢に比べ、耳垢栓塞を起こしやすいです。

軟性耳垢は、茶色いべたべたしたもので、特有の匂いがあります。赤ちゃんの耳が臭いと心配して受診されるお母様がときどきいらっしゃいますが、たいていはこれです。耳垢腺は、汗腺のうち匂いのあるアポクリン腺と、同じものだとされています。耳垢腺の分泌物は毎日少しずつ分泌されて、たくさん溜まってから取ろうと思っても、奥に押し込んでしまうだけになることが多いです。そうなったら、もう耳鼻咽喉科でなければ、取れません。そうならないようにするためには、毎日の入浴後に、綿棒で耳の入り口の湿り気を拭き取るようにするのがベストです。この際、耳垢腺は外耳道の入り口付近に集中しているので、綿棒を奥まで入れないことが、肝心です。外耳道の深部は、入り口と違って皮膚が薄く傷つきやすいし、外耳道の入り口から鼓膜までの距離は意外に短いので、子供では簡単に鼓膜に当たってしまいます。

乾性耳垢も同様で、外耳道の入り口につきやすく、深部の薄い皮膚にはつきません。耳垢の掃除は、基本的には、見える範囲でよいのです。乾性耳垢は、軟性耳垢のように毎日掃除する必要はありません。

耳垢がなかなか取れないときや、お子さんが掃除をいやがって動いてしまって外耳道や鼓膜を傷つける心配があるときは、耳鼻咽喉科で掃除するようにしてください。耳垢が溜まりやすい方でも、小さなお子さんなら半年に1回、大きくなってからであれば1年に1回来てくだされば、十分です。

耳垢のタイプについては、縄文人は軟性耳垢で、渡来した弥生人は乾性耳垢だったという説があります。軟性耳垢は北海道と沖縄では比較的多いという報告もあり、これは大陸から渡来した弥生人(新モンゴロイド)が西日本を席巻したが、北海道沖縄まではその力が及ばす、縄文人(古モンゴロイド)の特質が保存されたのだというのです。耳垢が歴史ロマンに通じる面白い説なのですが、根拠は薄いようです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感音難聴

2012-09-16 10:01:21 | 院長ブログ

9月13日のニュースで、”ES細胞移植でネズミの聴覚を回復、難聴治療に希望”というのがありました。ES細胞(胚性幹細胞)を体外で耳前駆細胞にして、それを化学物質で内耳の細胞の働きをなくしたネズミに移植し、移植前に比べ平均で46%の聴力改善が得られたという発表です。ずっと将来のことになるでしょうけど、人間に応用できるようになることも、期待したいです。

加齢による難聴:外耳から中耳にかけての、音を伝える仕組みに異常がある難聴を伝音難聴と言うのに対し、音を感じ取る細胞のある内耳から脳にかけてのどこかに異常があって起きる難聴を、感音難聴と言います。人間は誰でも、年齢とともに少しずつ内耳の細胞が劣化していき、だんだん難聴が進行していきますが、加齢による難聴も感音難聴です。この場合は、高音部が先に悪くなり、低音部ほどゆっくりなので、聴力検査のグラフでは右肩下がりで、高音漸減型と呼ばれる形になります。

若いころ、大先輩の眼科の先生が難聴で受診され、これは加齢によるもので治療法がないことをご説明したところ、冗談半分本気半分で、”眼科は手術で白内障を治せるようになったのに、難聴には治療法がないとは、耳鼻科はだらしないぞ”とお叱りを受けたことがあります。内心は、”内耳は眼なら網膜に当たります。耳鼻科だって、眼の水晶体(レンズ)に当たる鼓膜だったら、手術で治せます。”と反論したかったのですが、その時はすみませんとしか言えませんでした。

突発性難聴:急に感音難聴を起こす病気がいくつかありますが、代表的なものは、突発性難聴です。明らかな原因なしに突然発症する感音難聴です。特効薬はステロイドホルモンですが、治療が遅れると改善しないことがあり、1週間以内ないし2週間以内に、治療を始めないといけません。身体の安静も必要になります。

低音障害型突発性難聴、蝸牛型メニエール:低音部だけに急に難聴を生じる病気です。内耳には音を感じ取る蝸牛と、平衡感覚の器官(三半規管など)があります。両方の症状、すなわち低音の聴力低下とめまいが起きる病気がメニエール病です。しかし、めまいはなく蝸牛の症状だけが起こることが、圧倒的に多いです。この病気は、内耳の中のリンパ液が増えて、内リンパ水腫という状態になって発症すると考えられ、この水を血液の中に引っ張り出して、尿に出してしまう、浸透圧利尿剤が特効薬です。素因のある方が、寝不足や疲れをきっかけに発症します。この病気は治っても、繰り返すことが多いです。

中耳炎症→内耳炎:逆に高音部が急に難聴になった場合は、内耳と中耳の境の窓に、問題がある可能性があります。蝸牛は文字通りカタツムリの殻の形をしていて、部位によって違う高さの音を感じ取ります。カタツムリの螺旋の一番外側の中耳に接している付近が高い音を感じ取り、中心部に近づくほど感じ取る音が低くなります。急性中耳炎など中耳の炎症が、内耳に波及することは珍しいことではありません。この場合の難聴は、中耳に近い部位、高音部の聴力から低下します。

外リンパ漏:強くいきんだ時などに、中耳と内耳の境の窓が破れることがあります。破れた窓からリンパ液が漏れると、内耳の細胞も障害されます。このときも、まず中耳に近い高い音から聞こえなくなることが多いようです。リンパ液が漏れ続ければ、難聴は高度にそして広範囲にどんどん進行していきます。この場合は、最後は全く聞こえない状態になる可能性があるので、緊急手術で破れた孔を閉じる必要があります。

聴神経腫瘍:急性感音難聴で注意が必要なのは、この病気です。聴神経は脳の続きで、この腫瘍は頭の中の小脳と橋の間に発生するので、一種の脳腫瘍です。良性の腫瘍ですが、少しずつ大きくなって、だんだん聴力が落ちていきます。しかし、ときに急激に悪化して、一見突発性難聴のように見えることがあるのです。それほど多い病気ではありませんが、治療しても治らない突発性難聴は、MRIの検査を行った方がよいと考えています。

音響外傷、騒音性難聴:大きな音を聞いて難聴になることがあります。勤務医のころ、東京ドームでコンサートがあった翌日、急に難聴になった方が、何人も受診されたことがありました。音響外傷などと呼びますが、急性のものは突発性難と同様の対応で、すぐ治ることが多いです。しかし、大きな音を聞く環境の仕事を長年続けて、次第に進行した騒音性難聴は、治すことはできません。これ以上進行しないように、予防の指導をするしかありません。このような騒音性難聴はCdipと呼ばれる、4000Hzという高さの音が谷底になる形で、進行していることが多いです。

おたふくかぜなどのウイルスが内耳に感染して起こる難聴も感音難聴ですが、これも治らないことが多いです。薬の副作用で起こる難聴もそうです。通常使う薬ではめったにありませんが、過去に結核の治療に多く使われていたストレプトマイシンや、抗がん剤の一部に、そういう副作用があります。先天性の難聴も、ほとんどが感音難聴です。しかし、片側の耳が聞こえないだけなら、音が聞こえてくる方向が分かりにくいし、そちら側から話しかけられても分からないことはありますが、さほどのハンディにはならないことが多いです。

人工内耳:以前は両側の耳が聾の場合、治療法がなかったのですが、現在は人工内耳という方法があります。感音難聴の多くで、蝸牛の細胞は働いていなくても、耳から脳に信号を届ける神経や脳の聴覚の中枢は正常です。蝸牛は部位によって感じる高さが違いますが、神経も細かく分かれてそれぞれの部位に対応していて、聴神経はこれらの神経の支流が集まった束なのです。このことを利用して、音の高さの違いに応じて電流が流れる電極が何カ所かについた、細い針金のようなものを、手術で蝸牛の螺旋の端の方から中心に向けて、差し入れます。体外の器械(例えば耳掛け式の補聴器のような大きさと形)が、入って来た音に応じて、蝸牛の中に渦巻き状に差し入れられた電極のうちどの電極の組み合わせが最適かを判断し、音を電気信号に変えます。

人工内耳は、本来の聴力を取り戻させてくれるわけではないのですが、脳は偉大です。少ない情報量の、しかも以前とは違う組み合わせの信号に順応して、言葉として聞き取れるようになってくれます。100%の成功率ではないのですが、現在、日本でも多くの方がこの手術を受けて、一定の聴力を得るようになっています。

20以上年前、私がスウェーデンに留学していたとき、人口内耳は日本ではまだほとんど使われておらず、当時スウェーデン全国の人工内耳の手術をほぼ一手に行っていた、ストックホルムにある施設を見学しました。その頃はまだスウェーデンでも、人工内耳は成功率が一番高い中途失聴者を中心に行われていました。手話がひとつの言語として認められ、聾者の社会における地位が日本に比べると格段に確立しているということもあって、当時はスウェーデンも小児に対する人工内耳には慎重でしたが、現在は新たに生まれる聾児の9割が、人工内耳手術を受けています。日本でそうなるのは、まだまだ先のようです。

人工内耳は、両側ともほとんど聞こえない方に行う方法です。補聴器を使えば大丈夫な程度の聴力が残っている場合には、適応になりません。その意味でも、加齢による難聴には適応がないのです。30年前にお叱りを受けた眼科の先生に、胸を張って難聴は治せるとお答えすることは、まだできません。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アレルギー性鼻炎の診断

2012-09-15 07:07:31 | 院長ブログ

問診が大事です。まず、アレルギーの病気の既往はないか。やはり小児では、アトピー性皮膚炎や気管支喘息を先に発症していることが多いです。家族歴も大切ですが、近年スギ花粉症をはじめとしたアレルギー性鼻炎の罹患率はあまりにも高すぎて、家族の誰かがアレルギーであることは、当たり前のようになってしまっています。

たった10年の間にも、アレルギー性鼻炎の罹患率は、大幅に増えています。

1998年と2008年の有病率 (鼻アレルギーガイドライン2009年版)

三主徴のうち、鼻汁と鼻づまりは他の病気でも見られますが、発作性反復性のくしゃみは、特徴的です。目のかゆみなど、他のアレルギー疾患を疑わせる症状も、大切なポイントです。いつ症状が出やすいか。決まった季節、あるいは朝だけなど決まった時間にだけ症状が出るようなら、アレルギーを疑います。ハウスダスト(ダニ)のアレルギーは通年性ですが、それでも出やすい季節、時間帯はあるものです。熱、のどの痛み、咳といった風邪の症状がないかも確認します。

鼻内所見では、鼻汁の性質が最も重要です。アレルギー性鼻炎の鼻汁は、基本的に透明で”みずっぱな”です。色のついた粘性の鼻汁であれば、鼻副鼻腔炎を疑います。鼻副鼻腔炎でも、前に出てくるのは透明で水のような鼻汁の場合があります。大部分の鼻汁は、粘り気が強く奥の方に貯まりっぱなしになって、一部の粘性の少ない鼻汁だけが、前に出てくるのです。したがって、長期間鼻汁が続いている場合、このふたつの病気を鑑別するためには、鼻内を観察することが必須です。アレルギー性鼻炎では一般的に、鼻粘膜が腫脹して、しばしば他の病気では見られないような強い腫れ方をしています。これも、大きな特徴です。

問診と鼻内所見だけで判断できないときは、鼻汁好酸球を見ます。アレルギー性鼻炎の鼻汁中には、好酸球が存在するという特徴があり、これが見つかったら、それだけでほぼ確実にアレルギー性鼻炎です。でも、症状が軽いときの鼻汁では、見つからないときもありますので、これが見つからなくても、アレルギーではないとは言えません。次に、予防にも治療にも、何がアレルギーの原因であるかが重要ですので、血液中の抗体の検査をします。すべての原因に対する抗体を調べるわけにはいきませんので、代表的なハウスダスト、ダニ、スギ、ヒノキ、カモガヤ(夏のイネ科の雑草の花粉の代表)、ブタクサ(秋のキク科の雑草の代表)に対する抗体は必ず調べ、それにそれぞれの患者さんごとに疑われる原因(たとえばペットなど)を加えるようにしています。

抗体が陽性でも、それに一致する症状がない場合は、鼻炎とは言えません。その準備状態というだけです。それ以上進行して発症してしまわないように、予防、つまり検査で判明した原因になるものを、できるだけ避ける事は必要です。しかし、血液で抗体が陽性でも、鼻炎の症状がなければ、薬を飲む必要はないでしょう。また、長い間鼻汁が続いて、血液中の抗体が陽性であっても、鼻汁が色のついた粘性のものであれば、アレルギーの要素もあるにせよ、それ以上に鼻副鼻腔炎の治療が必要です。

血液の検査だけでアレルギーの診断はできません。アレルギー性鼻炎の診断は、症状および鼻内所見とあわせて行なわなければなりません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

耳管開放症

2012-09-14 05:23:18 | 院長ブログ

先日テレビをつけたら、たまたま”ためしてガッテン”で、この病気のことをやっていました。中耳は鼻の奥と耳管と呼ばれる管でつながっていて、通常閉じているこの管が、つばを飲み込んだり、あくびをしたときに開き、それによって中耳の気圧が外気と同じに保たれます。これが何らかの理由で開きにくくなると、気圧の調節ができなくなり、中耳の気圧は下がってしまいます。この状態は、広義の耳管狭窄症と言えます。

ところが、この耳管は逆に開きっぱなしでも、耳閉感(耳がつまる感じ)、自声強聴(自分の声が強く響いて聴こえる)など、いろいろな症状が出ます。これが、耳管開放症です。先日テレビに出演されていた、東北大学の小林俊光教授は、この病気の第一人者です。小林教授によれば、耳管の周囲の脂肪組織が減ったり硬くなったりしたときに、この病気は発症します。けして珍しい病気ではありません。当院にもときどきこの患者さんはいらっしゃいますが、軽症で病院を受診されていない方は、かなり多いのではないかと推測されます。

原因として多いのは、第一に体重減少。体重が減れば、耳管の周囲の脂肪も減ります。無理なダイエットは禁物です。そして女性の方は、ホルモンもバランスで、起きることも多いようで、妊娠やピルも、きっかけになるようです。その他にも、点鼻薬、自律神経異常、楽器吹奏なども、原因になるそうですが、はっきりした原因が分からないことが多いです。

鼓膜を見てもたいていは正常です(重症あるいは鼓膜の薄い方では、呼吸に伴って鼓膜が動くのが観察されます)。聴力検査にも異常がなく、耳管狭窄症のようにティンパノメトリーで異常が出るわけでもない。この病気は、まず症状から診断しなければなりません。

耳閉感や自声強聴といった症状が、頭を下げると改善するということは、多くの患者さんに共通しています。あるいは横になっているときは良いが、起きて動き出してしばらくすると悪化してくることもよくあります。起きた姿勢では、重力によって頭の方にいく血液が少なくなり、耳管周囲の血流も減って、その分耳管周囲の組織のボリュームが減り、耳管が広くなるのです。(鼻づまりが、横になると強くなり、起き上がると楽になるのと、同じ理由です。)

耳管機能検査はこの病気の診断のために有用で、当院でも行いますが、軽症の場合はこれでも異常が出ないことが多いです。私が診断の決め手にしているのは、局所麻酔をつけた綿棒を鼻から入れ、奥の耳管の入り口をそれで閉鎖し、症状が改善するかどうかを確かめることです。軽症の場合は、一日中開放しているわけではないので、たまたま症状のない時に受診された場合はだめですが、症状のあるときであれば、高率に診断がつきます。私の大学の先輩の山口展正先生が、考案された方法です。

治療は特効薬があるわけではありません。ただ、軽症の方では、診断をつけて、この病気についてご説明するだけで、ある程度納得され、安心されて、症状が気にならなくなる方が多いようです。漢方薬(加味帰脾湯)が有効であるとの報告があり、私も薬物としては、これを第一選択にしています。漢方薬の効果だけでなく、他の要因もあるかもしれませんが、数ヶ月の投与で改善することが多いです。ある程度重症になると、この症状はかなり苦痛になるので、そのために神経質になり、自律神経異常も起こして、悪循環になってしまうことも多いようです。このようなときには、軽い安定剤を処方することもあります。

東北大学では、重症の方には耳管にピンを挿入する手術を行われていますが、手術は今のところ一般的に確立された治療法ではありません。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中目黒

2012-09-13 06:48:27 | 旅行、レストラン

昨日は用事があって中目黒に行きました。中目黒の駅の近くには、29年前、1年間だけですが勤務した、東京共済病院があります。めったに中目黒に来る事も無い、と言うより、あれから一度も来る機会がなかったので、29年ぶりに、共済病院に寄ってきました。駅前の雑然とした街は、昔とあまり変わっていないようでしたが、気がつくと周囲には大きなビルがいくつも建っています。しばらく歩くと、これも以前にはなかった目黒川縁の公園の向こうに、病院が見えてきました。

 

手前にあるのは新しい建物で、その奥の西棟というのが、見覚えのある昔の病院の建物のようです。新しい病院の中は、受付はホテルのロビーのようで、天井の高い明るく広いスペースに、花も効果的に植えられ、ちょっと病院ではないような雰囲気です。ロビーの奥には、おしゃれなパン屋さんもあって、昔の病院とは全く違う空間になっていました。

ロビーには、各診療科の部長の名前が掲示されており、耳鼻咽喉科部長を見ると、直接は知らない名前ですが、でもおそらく、この名前から推測するに、研修医のころきびしく指導してくださった大学の先輩のご子息かも知れません。あのころ小さなお子さんだったので、今は30代の働き盛りになっているはず、年齢も一致します。

懐かしいというよりも、病院の変化を、それもより新しく良い方への変化が感じられて、よい刺激になりました。最近の新しい病院は、一様に”病院らしくなく”、明るくてきれいです。患者さんたちが、それを求めているのでしょう。病院に来たときに、少しでも明るい気持ちになっていただけるように努めることは、開業医にも必要なことです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする