あまのはらふりさけみれば・・・・

北京で単身赴任生活2年、帰国後も中国ネタを書き綴ります。

映画 「20歳に戻る」

2015-02-09 20:48:00 | 日記
 初めて映画館で映画を見た。
 無難にコメディーにした。聞き取れなくてもわかるだろうと思ったのだが、
これが、当たり、だった。

 主人公は70過ぎの女性、一人息子の大学教授とその妻、男女の双子の孫
と5人暮らし。
 世の常だろうが、嫁には厳しく男の孫には大甘な姑である。

 嫁が心労で倒れ、孫娘が息子に、自分を養老施設に入れるよう進言してい
るところを立ち聞きしてしまう。
 おもしろかろうはずもなく、老人たちの溜まり場に行き、麻雀に興じるの
だが、アメリカにいる息子のところに行くと上機嫌の女性を目の敵にして、
上がりを繰り返し、喧嘩になって街へ飛び出していく。
 家に帰りたくもなく、ふらふらと路地に入ると不思議な写真館が目に入る。

 青春写真館に足を踏み入れると、「あなたの一番綺麗だった時期を思いなが
ら笑ってください。」という声のあと、フラッシュが焚かれると・・・。

 主人公は20歳の綺麗なころに逆戻り。

 そこから引き起こされるドタバタは笑いどころ満載。まるで名人の落語を聴
くようにありがちな展開なのに笑ってしまう絶妙な作りになっている。

 自分を慕い続けていた幼馴染の気持ちを初めて知り、また自分が母親だとい
うことに気がついた息子の静止を振り切って彼女がとった行動とは。

 そして最後は、そうきたかというドンデン返しで一気に落とす仕掛けで、観た
あとの爽快感が非常に高く、俳優陣も美男美女を味のある脇役が固めていて、
とても満足のいく映画であった。

 日本で公開されることはまずないのだろうけれども。

 DVDかせめてサウンドトラック出れば買いたいのだけれど、著作権を無視
するこの国では、もうネットで全編視聴可能なんだろうなぁ。

限界集落株式会社

2015-02-07 14:13:02 | 日記
 いまNHKの土曜ドラマで放送されている。
 ちょうど、本邦では今日が第2話の放送である。

 この原作について、年末に書評を執筆したのだが、先日、北京で発行され
ているあるフリーペーパーの2月号に掲載された。

 昨年夏に書店で偶然手に取り、買い求めて読んだものだが、ドラマ化され
ると知り、他の本を取り上げる予定だったものを急遽変更した。
 1月4日に書き上げた、本年の初仕事でもあった。

 以下、約550字、掲載するので、ご笑覧いただき、ご意見などお聞かせ
願えたら幸いである。


『限界集落株式会社』
(小学館文庫 黒野伸一 著)

1月下旬放送開始NHKドラマの原作。

 限界集落。その定義を知らずとも概ね見当がつくだろう。
 一言で言えば、近未来に消滅する集落のことだが、この言葉以上に、人口減
により900近い自治体が消滅するとの昨年5月の調査報告をご記憶の方も多
かろう。
 さて、東京育ちの主人公は、起業のためにIT企業を退職し、亡祖父の家で充電
するつもりが、村での様々な出会いを経て農業での起業を思い立つ。
 東京と地方、資産家とそうでない者、農業に悲観的な者とそうでない者、行政
・農協とその枠からはみ出す者、老若、男女といった様々な対比軸を通じて物語
は進行していく。主人公を含む3人の主要登場人物の視点で時間軸を進める展開
により、そうした対比が一層鮮明になってくる。
 なんら取り柄のない地域・人間と思われていたものが、内に秘めた力を発揮、
東京や社会に挑んでいく。本作は農業、農村に関する夢物語だが、絵空事でない
現実味のある筋書きとなっており、作者の周到な下調べが窺われる上質の娯楽作
品に仕上がっている。
 なお、先に「そうでない者」といった表現を使ったのは、悲観と楽観のような
単純な対比だけが正解ではないということが、本書のメッセージの一つだと思っ
たからである。 

カクテルに命名する

2015-02-06 20:00:47 | 日記
 中国版ラインの微信(ウェイシン)が鳴った。
 仕事と関係ない知人なので昼休みまで放置して、食事を待つ間に読んでみた。

 ブランデーベースのカクテルを考案し、本日完成、レシピの確定に至った
と中国人のバーテンダーから知らせだった。

 続いてブランデーグラスの底面に少しだけ注がれたそのカクテルを手にする
写真が送られてきた。
 黒色で、透明感のあるカクテルはたしかに斬新なものだと思った。

 食事中に次々と、スマホがピコピコと音を出すので、読んでみると、彼から
このカクテルの名前をどうするか、いくつかの案が送られてきて、私の意見を
求めてきていた。

 なぜ「天」の字が全ての案についているか、と質すと、なんとも年中無休の
自営業らしい答えが返ってきた。

「だって今日は日曜日(原表記「星期天」)だから。」

 アホか、今日は金曜じゃと思いつつ、こう返した。

「「黒金星」がいいと思うぜ、俺は。」

「欧米や日本では、今日は週の中では金星の日だから。」

とその命名理由を示し、彼の曜日ボケを指摘してやった。

「なーるほど、わかった、黒金星に決めた、ありがとう。」

と返ってきた。

 彼の頭の中は金曜日に訂正されたのであろうか???