浄土宗のわが家は8月13日から15日にご先祖様が「おしょろいさま」として帰ってこられます。本式には昔から伝わるメニューでおもてなしするのですが、わが家は簡単にその時の1品を(肉魚を含まない)お供えしています。ナスの牛にキュウリの馬も真菰の上に並べて・・・昔を思い出すのもお盆です。
台風7号が来ないうちにと12日には早めにお墓参りも済ませました。13日の夕方には風も強くなり迎え火は中止。この分だと15日の送り火も、恒例の孫ちゃんとのお盆の花火も今年は無理のようです。13日は早めに来てくれた娘一家と夕食を食べて「おしょろい様」をお迎えしました。
孫ちゃん作の馬と牛 今年は馬もうつむいて飼い葉でも食べていそうです
お盆になったからと言ってご先祖様の姿は見えませんが、何か感じた時もありました。その何か…は?何かなのですが・・・。
ご近所さんのご主人が亡くなられたのが昨年末のことで年が明けたある日、奥様にお会いするとお骨を家にお祀りされてから「主人の気配がするし足音がするの」と。「子供達は気のせいだというけれどはっきりわかるの」と言われました。子供さんには気配も音も聞こえないらしい。そこで私の体験を話しました。「私もそうだったわ。最初の夜は寝ていたら肩をトントンたたかれて見上げたら立っていてね、はっきりは分からないけど主人だと思ったし、それから時々歩いている気配がしてね、声は聞こえなかった」私がはっきり感じたのは葬儀の夜、それから日が経つにつれてだんだん気配が薄くなり四十九日に納骨を済ませると全く気配を感じなくなりました。これはやはり気のせいではなく幽霊でもお化けでもない夫の「気配さん」がいたのではないかと思っていました。
それからしばらくしてご近所さんが「ねぇ、この頃ぜんぜん主人が出てこんのよ」と。
「百箇日が過ぎて納骨したら出てこんの。前は杖を突いて歩く音もはっきり聞こえていたのに・・・寂しくてね・・・」と。百箇日の納骨直前に息子さんの所へ1度だけ気配さんは現れたのだとか。お別れに行かれたのでしょう。
「お寺のおっさまはお盆には帰って見えるでねぇと言われるけどね」そうかもしれないし・・・私の夫は初盆の時にうっすら気配を感じただけでしたから、ご近所さんのご主人はどんなふうに帰って来られるかは分からない。
人が死んであの世へ行くとか、成仏するとか、よくわからないことですが人がなくなってもしばらくは「気配」を残しているらしいことは私の中では事実です。でも、この事実と言うのはご近所さんと私だけの話で、6月に亡くなった兄はすっかり安心して旅立ったらしく何の気配も残していきませんでしたから。
昨年夫の七回忌も済ませた今は気配も何もありません。毎朝お仏壇を開けて手を合わせながらお念仏ではなく時には夫への文句をつぶやいても、気配さんは出てこないので反論も聞けず、お鈴をチーンと鳴らしてお仕舞。気短かだった夫も出てこなくてもいいほどあちらで無事に過ごせていそうなので安心でもあります。
14日の朝、散歩の場所へと自転車で走り始めると前方にくっきりと二重の虹です。全体の写真を撮れる場所まで・・・と走っているうちに外側の虹は薄くなりもう一本も上の方が消えかかってしまいました。家を出るのがちょっと遅かった。でも美しい虹でした。ご先祖様が虹の橋を渡って来られたのかも・・・。
14日 5:14
14日 5:20