NPO法人石見銀山協働会議(理事長 波多野 諭氏)が主催する「石見銀山基金事業選定委員会」へ出かけて参りました。
石見銀山基金は、石見銀山遺跡を適正に保全・活用し、「世界の、そして人類の宝」として後世に引き継ぐための事業など、
民間と行政が協働し、幅広い活動を持続的に実施していくための、官民協働の資金として積み立てているものです。
この基金を有効的にかつ有意義に活用する為に、石見銀山行動計画に記載された石見銀山遺跡の保全活用などの活動で
先駆的、模範的な事業を募集し、これの対して会議を公開により開催し、事業の決定をするのが今回の「事業選定委員会」です。
事業に対して基金を利用したい団体は7分の持ち時間内でプレゼンテーションをし、それに対して島根県・大田市・有識者から
なる5名の選定委員が事業の透明性、公平性を確保し、弾力的な運用を行うことを前提に事業認定の可否判定するしくみです。
今回応募があったのは
◎認定事業
①馬路地区社会福祉協議会「鞆ヶ浦他の草刈り、ゴミ拾い等の環境美化作業」
②銀和会(大森町銀山自治会有志)「市道銀山線・遊歩道他の竹・草刈り、ゴミ拾い等の環境美化作業」
③大森町自治会協議会「県道仁摩・邑南線、町並み、銀山川他の草刈り、ゴミ拾い等の環境美化作業」
④しまね樹木医会「さくらの維持管理」
⑤大田市内小・中学校「石見銀山の体験学習を通じたふるさと学習」
◎審査事業
①特定非営利活動法人 緑と水の連絡会議「グリーン・ボランティア・ツーリズム」
②石見銀山ガイドの会「銀の道ウォーク」
③石見銀山の非文字史料を知る会「石州銀の調査・研究」
④石見銀山地質研究会「仙の山周辺の地質の調査・研究」
⑤NPO法人しまね歴史文化ネットワーク もくもく「滞在型ツーリズム 石見銀山三日籠」
の10の事業です。
選考の結果、すべての事業がめでたく認定という結果になりました。
なお、選定の基準は
次の評価項目について審査し、その合計点の高い団体から補助金を交付するものです。
ただし、継承性が3点以上ない場合(5点満点中)は、他の項目で高い点を得て総得点が高い場合でも
補助金は交付できないとしています。
[1]継承性
a.地域共通の課題の存在を認識し解決を図る取組か。
b.未来の世代に良好な地域環境や地域社会をもたらす取組か。
c.目的を共有する誰もが参加できる開かれた組織による取組か。
[2]必要性
a.社会情勢に応じてニーズが高い事業か。
b.取り組む必要性が明確な事業か。
[3]公益性 広く地域、社会に貢献する活動か。
[4]発展可能性 今後、その成果の広がりを期待できる活動か。また、次世代の育成につながる活動か。
[5]実現可能性 実施体制、事業計画、資金計画、スケジュールなど実現可能な活動か。
[6]費用の妥当性 活動の内容に見合った経費見積もりとなっているか。
これに基づき、5名の選定委員が持ち点各5点で次の基準で評価します。
5=補助金を交付すべき
4=補助金を交付して良い
3=補助金の交付に一応可
2=補助金の交付に疑問
1=補助金を交付しない
◎各申請者のプレゼン用資料
①特定非営利活動法人 緑と水の連絡会議 ②石見銀山ガイドの会 ③石見銀山の非文字史料を知る会
④石見銀山地質研究会 ⑤NPO法人しまね歴史文化ネットワーク もくもく ◆選定結果
◆全体を通しての感想
①事業計画、事業予算等の詳しい資料が手元に配布して欲しかった。
②選定委員が最前列にいる為、発表者が前列だけに訴えかけているようで全体的な一体感が感じられなかった。
③もう少し「どうしたい」という熱意のアピール度に欠けた感じがした。
第1回目の選定委員会でまだまだ試行錯誤中ではあると思いますが。
今後、これを受けて大田市は基金を一般財源化し、補助金として認定者に交付する為、
認定者は大田市に対して「大田市石見銀山基金事業費補助金交付申請書」を提出しなければなりません。
これを経て、初めて基金が使用できることになります。
まだまだ大変であると思いますが、ひとまず関係者の皆様、お疲れ様でした。
石見銀山基金事業選定委員会