雨と風が吹き荒れ町道沿いの木々は裸になった。
母屋の横の楡も足もとに掛け布団のように葉を落とし冬を越す準備万端。
10月半ばの快晴の日、いっちゃん(5才?)が遊びに来た。
お母さんのアーちゃんと、アーちゃんの友達のミーちゃんと。
はじめはご機嫌でクロ(犬)やマル(猫)と遊んでいたが、水たまりにはまってズボンがちょっと汚れて泣き出した。
「家でも凄く神経質。夫もおんなじ」とアーちゃんが笑っている。
大人達は畑に散歩に行こうとなる。いっちゃんは自分も行きたいが新しい靴を汚したくない。
ひわバアの小さな長靴を貸すと言ってもイヤだと言って泣き続ける。
大人達は各々オトナとしてなだめたりすかしたりするが延々と泣きわめくいっちゃんに閉口し
「まったくめんどくさい男だね!!」とお母さんのアーちゃんが口火を切ったので
待ってましたとばかり「まったくめんどくさい男だ!」と皆オトナの仮面を脱ぎ捨てる。
思い切り「めんどくさい男だ!」と面白がって遠慮無しに言っているうちに、、、
そういえば昔じぶんもほんのちょっとのことでヘソを曲げ大泣きしている子供だったと思い出す。
4-5才の頃近所の家族と遠い街の動物園に行き、、何が気に入らなかったかヘソを曲げ泣きながら単独行動をし、
あの一日がどうなって終息したのか思い出せない、、、、、
叔母がお嫁に行く日も家から続く花嫁行列の後ろで道端にひっくり返って泣き続けた、、、、
その叔母の嫁ぎ先に母と泊まりに行ったときも何にヘソが曲がったか「帰る」と泣き続けた、、
各場面の中の母親はいつも笑っている。
初めて産んだ子がこれなら大変だったろうに。。。
湧き上がる感情を全力で泣くことでしか表せない小さいじぶんが愛おしい。泣けてくる。
泣いても泣いても心の中の何かが治まらない。小さいじぶんといっちゃんが重なった。
すると、「わたしもそうだった!」とミーちゃん。「実はわたしもそうだった!」とアーちゃん。大爆笑
よくこんな面倒な子を捨てずに育ててくれたものだ。
各々しばし親を思い心底感謝。
いっちゃんはいつの間にか泣き止み、ひわバアの花模様の長靴を履き水たまりで遊んでいる。
家に戻ってお茶を飲んでいると「みなさんどうぞたべてください」
いっちゃんが大人びた口調でじぶんの大事なおやつの長いポテトの菓子をテーブルの上に拡げた。
みかんをリュックから出し、袋が開けられないと子供らしくイライラしているので放っておいたら
自力でなんとか袋を開けて「どうぞ」とご機嫌で1個づつ大人達に配った。
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