3/3朝 「きょうはおひなさまだな」 と夫が言う。
「あ、そだね。」出すの忘れてた。
「出さないのか、、、」 はあ?もういいんでしょ、、と思う。
しかし、残念そうにしているので ”はいはい” としまい込んである棚から引っ張り出して飾る。
おひなさまの御顔を見て思い出した辰巳芳子さんの言葉。
この言葉に支えられて生きた時間があったことを。。
行事(雛祭り)に寄せて 辰巳芳子著 ”味覚日乗”より抜粋
日本の年中行事は、人々の心の願いから生れ、質素に意味深く形を整えました。
私の内裏雛も、みづらの髪に冠はなく、静かなきめこみです。
ただ 「これは菅原道真よ、貴女が賢い人になるようにと思って」 の母の一言が
何ものにもまさる価値を添えました。
五色の座布団も、絹でなくモスリンで、若い親の心尽くしそのものでした。
自分によきことを願う大人達の心を 子供が感じとらぬはずがあるでしょうか。
「雛祭り」それはこころの深みにぼんぼりで照らし出されるように、
私を慈しんでくださった人々の顔がよみがえる旬日です。
語りつがれた女の子の幸せを願って、昔の人はなんとまめやかに立ち働いたことでしょう。
片付けは飾る手間の三倍程かかりますのに、言葉にも動きにも
「だから止めておきましょう」はありませんでした。
かたちから入って、こころをとりもどす方法もあるのです。
少しの気力で想いを手足に通わせる呼吸も こんな時、ふと身につくものです。
♡我が家の10分もあれば出し入れの出来るものを面倒がっていた自分の頭をぽりぽり。。。
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