大きなかぶ農園の日々

じじとばばのゆるい暮らし

冥土の土産話

2024年10月15日 08時09分57秒 | 日記

金曜の朝6時、布団の中でパチと目を開けると鼻の上にちょこんとスズメバチが乗っていた。 
「おはよう」というようにチクりと鼻の頭に針を刺した。 
「痛いよ」と掛け布団で払いのけたら落ちて動かなくなった。
そういえば夕べ寝る前に2匹が部屋の中を飛んでいた。
天井の照明を小さくつけておくとその中で遊んでいるし このひと夏そうやって共存してきた。 
ことしはどこに巣を作ったのか見付けられなかったが夜玄関の照明にわんさと集まってきて閉口した。
そろそろ寒くなって来たので別れを言いに来たのだと思った。
で、刺されてすぐ鼻水が出て来た。そのあとから涙も流れる。ビワの葉のオイルを塗り塩も擦り込んだ。
それから手の平が痒くなりガリガリ掻いた。
徐々に手足の内側の柔らかいところが痒くなりだんだんジンマ疹状態になる。
服を脱いで観察することにする。お尻、背中、そけい部等に広がっていく。なるほどなるほど・・・・
痒みには梅干しを漬ける時に出る梅酢をピシャピシャつけるとすっと痒みは消えた。
痒みが消えた時点で(服を着よう)という感覚が来る。身体の観察は止めて服を着る。
忘れないように記録しようと思い立ち、何処がどうなって何をしたらどうなったかを紙にメモしていく。
梅干ししゃぶりながら、天気が良いので太陽の光を浴びた。
8時半頃にようやく上唇のまん中がポコンと腫れて人相が変わって腹の中がゲラゲラ笑った。
9時過ぎに畑の手伝いに来たヨーコさんをつかまえてお茶飲みながら「これこれしかじか」と報告。
梅干ししゃぶりながら、まだ赤くなっている手を見せて「ほらほら、あーでこーで」と解説する。
梅干しを食べる度に目の前でその赤が消え、唇も戻っていく。二人で梅干しのすごさを目撃。
朝早く出ていた夫が帰ってきて得意げに報告するも特に驚かず、、全く張り合いのない男だ。
そうして来る人来る人にこの事件を語る。
皆一様に「梅酢凄い!」「梅干し凄い!」と目を丸くするのが嬉しい。
いーちゃんが来て家の前でひとしきりスズメバチ事件を立ち話。「ひわさんありがとう、原点に戻れた」と泣き出した。
そうして泣きながらずっとひわを抱きしめていた。近所のトラクターが通るので恥ずかしかったが
いーちゃんの何かしらにお役に立てたのだと思うと嬉しくてふたりはずっと抱き合っていた。

そうして、すずめばちがくれたこの体験が人生の貴重な宝物となり、あの世の土産話が一つ増えた。
鼻の頭は何も変わらず。3日たった今頃刺された箇所がポツンと赤くなっている。(ここだったのか)

 


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