2013年月に亡くなった母、献体希望の大学でお役に立つのを待っていたが、来年やっとそのお役目を果たし帰ってくる。
来年3月迎えに行こう。
2年7か月。
北海道の厳寒も和らぐ季節、
初春の息吹を母を見せてあげよう。
2013年月に亡くなった母、献体希望の大学でお役に立つのを待っていたが、来年やっとそのお役目を果たし帰ってくる。
来年3月迎えに行こう。
2年7か月。
北海道の厳寒も和らぐ季節、
初春の息吹を母を見せてあげよう。
誤嚥肺炎で入院していた入居者のと~さんが亡くなった。76歳。
2年前の夜勤、ブログにこんな事を書いていた。
ソファーで横になっていたと~さんが目を覚まし、いきなり両手を捕まれた。
“勝手に人のうちに入いりこんでこの泥棒が!”
どうやら私はと~さんの家に不法侵入した曲者のようだ。
蹴りが入り、足払いが入る。バシッと平手打ちが入る。ふいをつかれた。不覚。
掛けていたタオルケットをぐるぐる私に巻きつけ、端と端で結んでいる。
“と~さん、苦しいよ、これじゃ蓑虫だよ、取って!
“だめだ! 取ったら逃げるだろう!”
“と~さん、トイレに行きたい。”
“だめだ!” “絶対逃げないから行かせて、出ちゃうよ~”
“絶対逃げないな!”と言いながらもと~さんは手は離さずトイレまで。
“と~さん、ここは大丈夫、逃げ場はないから”
やっと手が離れ、トイレを済ましドアを開けると、と~さんが待っていた。
すぐに両手を捕まれ、連行。
“お~い、お~い、誰かいないか~!ちょっと来てくれ~!” “もうどいつもこいつも、今度ヤキを入れてやる!”
歩き回っての連行は疲れるので、と~さんに負けずと布団に連行し、横になってもらう。
今度は背中に蹴りが入る。
“と~さん、女に手をあげるなんてとんでもないよ!”
“何言ってる! この泥棒が!” と言いつつも疲れ始めたと~さん、うとうと・・・・
やっと開放、書き物でもと立ち上がった時、外で車のドアが開く音が。
“誰だ!!”
起き上がろうとするがなかなかスムーズにはいかない。
“おい! おい!“また捕まれた。今度は胸ぐらだ。シャツが切れそうなほどにグイグイ引っ張る。
“切れちゃうよ。” “うるさい!”
“ソファーに座らせて” “何ばか言ってる! ここに座ってれ!”
“ここ床じゃん、痛いよ。” “ここで上等だ!”
またうとうと始めたと~さん。でも両手はしっかり捕まれたまま。
夜が明ける頃、不法侵入者だった私は、今度はと~さんの奥様になっている。
“ここで寝てろ。起きんじゃないぞ!”と言いながら毛布を掛けてくれる。
と~さんはバスタオルをブンブン振り回し悪者を退治。
振りまわしていると~さんの足元がふら付いている。危なくて立ち上がると、“なんでお前はわかんないだ!”と平手が飛んできた。
頭が少々ふらついてきた。
きっとと~さんも、このエネルギーは相当疲れるよね。
またうつらうつら。
目を覚ましたと~さんは私の手をスっと離し、優しい笑顔を見せる。長い捕り物帖が終わった・・・・・
捕り物帖の最中、“せつないよ。”と一瞬顔を伏せたと~さん。
帰り際、 “気をつけて帰れよ。
いつも大変な夜勤だったけど・・・とっても優しいと~さんだった。
母は最後、私を“おかあさん”と呼んでいた。義母も認知症でホームへ。
しっかり生きようっと。
冥福を・・・・