地震で損傷した煙突。
簡単に修復出来ず今年は諦めた薪ストーブ。
お気に入りの鋳物ストーブで、パチパチ燃える音とガラス窓から見る赤い炎が好きだった。
ワンコとニャンコがごろんと横になり、
私も側で本を読み、お酒を飲み、
雪の降る様を眺めながら、冬を楽しんでいた。
薪は部屋全体を柔らかく優しい暖かさで包み込む。
しゅんしゅんと音を立て、白い湯気を上げるやかん。
ことことといい匂いを漂わせる煮物の鍋。
そんな冬の空間が欲しくて、夏の頃よりせっせと薪作りをしていたのに。
天災に文句は言えない。
なにせ築54年。寿命が近づいていたんだね。
5年前この農家の空き家を購入したとき、納屋には石炭が沢山入っていた。
小学校時代、石炭ストーブがあったような気がするのだが、記憶は定かではない。
骨董屋さんで石炭ストーブを探し、ネットで使用方法を検索。
それはそれは暑いほどのあったかさだった。
2年で石炭がなくなり、今度は薪ストーブ。
追分時代は解体業の知人から沢山の木材をもらっていたので薪ストーブは当たり前の冬の暖房。
元牛舎に積まれる豊富な薪。
ここでは伐採した我が家の丸太がメイン。
夏バイトの夫には薪作りを望めず、斧では容易に歯が立たず機械の購入を考えるが、年齢を考えると悩む。
まだこの季節だと小さな石油ストーブで事足りており、毎日煮干しの鍋を置き出汁をとり、お湯を沸かし湯たんぽに入れ、
暖かい布団でぐっすり。
目覚めた後は、ニャンコ二匹がまだ余韻の残る湯たんぽの上に乗っかって、気持ちよさそうに寝ている。
あったかい所を上手に探すもんだ。
十分過ぎる暖かさは要らない。
ほどほどでいいんだ。
今年は諦めるが、まだ庭に積まれている丸太。
お金の掛からない燃料が目の前にあるというのに、諦めがつかん。
お金を掛けて煙突を直し、機械を買って薪作りに精を出し、腰が痛い~とつぶやきながら薪を積み上げ、薪ストーブの暖かさを堪能するか、
完全に諦め、労力を掛けず灯油にお金を掛けるか、
薪ストーブに火をおこすのはいつも私。“薪ストーブはあったかいね。”と言う夫は自分ではやりたがらない。
大きな薪をくべておけば、朝まで部屋はぬくい。
そんな生活が好きなんだ。
今年は燃料費がどれほど掛かるんだろう。(泣)
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