山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

不満解消だ!釣り日和

2024年04月23日 | 釣り

 昨日の『近所の山 のんびりコース』には、思いがけず満足させてもらった。

 何と言っても、遠征して採ってくる予定でいた山の幸が空振りになったのに、この『のんびりコース』のおかげですっかり満たされたのだから、ありがたい。

 強いて不満を挙げれば、二つあると言えばあるかな?

 一つ目は、美しく変身していたであろうN川の季節の変化をこの目で確かめられなかったこと。

 まあ、これは、山の神様と天気の神様の匙加減で決まることだから、マタギごときがどうこう言っても仕方がないことだ。

 季節が進んでしまったら、巻き戻しは効かない。

 また来年の楽しみにします。

 そして、もう一つ。

 せっかく仕掛けもエサも準備したのに、釣りに行けなかったこと。

 ん? でも、待てよ。

 こちらは、何とかなるんじゃねえか?

 そう思ったら、居ても立ってもいられなくなって天気予報を調べてみた。

 なんだ、行けるじゃん。

 早速、荷物を車に詰め込んで、目覚ましを午前1時半に合わせて準備完了。

 予定通り出発、そして到着。

       夜明け前の港

 空が白んでくる前に目的地に到着することができた。 この釣り場は、3年ぶりかな。

 風がそれなりに強いけれど、釣りはできるレベル。

 仕掛けを飛ばして、コマセを撒きながら『まずめ時』に備える。

 そんでですな、この後、アタリが出始めたんです。

 アワセて取り込むと、なかなかの良型。

 そこからは、時合いが途切れなかったので、写真は無理でした。

 アタリが遠のいて我に返ったときには、日の出時刻を過ぎていました。

       春霞(?)の港

       本日お世話になった釣り場

       雨も降り出し、遠くの景色も霞んでいます

 でもね、心は満足しています。

 だって、

       本日の収穫

 ホントに楽しかったんだよ、魚とのやり取り。

 タナ(仕掛けの深さ)を決める。

 アタリに集中。

 アワセ。

 取り込み。

 たまらないんですよ、このやり取りの快感。

 結果もさることながら、このスリリングなやり取りが、釣りの喜びの原点なんだよな。

 本日は、久しぶりに堪能させてもらいました。 

 海の神様、ありがとうございました。

 また遊ばせてくださいね。


春の海散歩で 希望がちょっと

2024年03月28日 | 釣り

 三寒四温どころか、五寒二温ぐらいの天候が続き、昨日から、やっと二温のうちの一日目。そして、本日が二日目という感じ。

 ありがたい巡り合わせ。ちょうど仕事も休みだ!

 せっかく、欲タガリの煩悩が落ち着いたと思ったのだが、またムラムラと虫が蠢き始めた。

 しかしだなあ、さすがに、一日ぐらいの温かさでは山菜も伸びないよね(これは心の落ち着きによる判断)。

 だったら、海はどうだ。

 調べてみたら、降水確率0%、波0.5m、風も穏やか

 最高じゃん!

 もう止まりません。朝、3時半に出発。

 目的地は、酒田港。

 さすがにキノコ採り場よりも遠いですね。

 約2時間で車止めに着いた。

 道具の準備をしているうちに東の空が明るくなってきた。

       真東の空

       久しぶりの御来光

       思わず手を合わせる

       岸壁にも日が当たり始める

 竿を下ろす予定の地点までは、約2km。

 平日のせいか、先行していた車の台数も少なかったので、のんびりと景色を眺めながら歩く。

       波で打ち寄せられた流木

 ひと冬の間に何度も大波をかぶってきたんだろうね。

       出羽富士は、いつも通り神々しい

 ここまではいいんだけど、肝心のタコちゃんの反応が全くありません。

 いつものこの時期みたいに雪代水が押し寄せているわけでもなし。

 岸壁のワカメも、季節相応に育ってきている。

 ということは、生き物たちの循環も始まっているはずだと思うんだけど・・・。

 2時間ほど釣り歩いて反応ゼロでした。

       先端部の釣り人たち

 向こうから声を掛けられた。

「タコ、いねろう?(いないだろう)」

「全然だめですね。」

「今年、来てねえんだ。」

「そうですか。・・・そちらはアジですか?」

「んだ。」

「今年も、随分早くから釣れてるんですね。」

「いや、最近は、一年中おるでのお。」

「はああ、変わったものですね。」

「うん。昔は、5月にならねど来ねんだっけどものお。」

 話をしていて思い出した言葉がある。

 それは、『死滅回遊』

 春に暖流の勢力が強くなるのに伴って、アジたちは北上してくる。

 そして秋。寒さとともに南下していくのだが、その時、湾内に残ってしまうグループがいる。

 この海流の流れに乗れなかったグループは、やがて、寒さと飢えのために死滅してしまうというのだ。

 以前、この地区で出会った釣り人から聞いた話だ。

 今回の話から考えると、海水温が上がってきたために、アジたちは、死滅回遊することなく冬を越すようになったということだろう。

 やっぱり、陸地だけでなく、海の環境も変わってきているんですね。

 とりあえず、本日ミズダコちゃんが釣れなかったのは、温暖化のせいということにしておきます。

 釣れなくても、久しぶりの日の出と春の海風を堪能できたんだから良しとしましょう。

 

 なんて言いながら、やっぱり、最上川河川敷の植物の生育状況は確かめておきますよ。

 河川敷の降りてみると、

       菜の花が咲き始めていました

       フキノトウもいい感じ

       アサツキに

       これはカンゾウですね

 ミズダコは来ないけど、里の春は来てるじゃないの。

 これなら、次の休日は山菜採りですな。

 最後の最後に、希望の光を分けてもらえたような気分で、酒田港をあとにしました。


『しか』より『も』で釣りましょう!

2023年05月21日 | 釣り

 明日は休み。しかし、前回の山菜採りから2日しか経っていない(山形に猛暑がくる前の日の話です)。いくら成長の著しい季節とは言っても、山の様子が劇的に変化しているとは考えられない。したがって、山菜採りはパス

 天気予報を丁寧に見ると、降水確率は低いし、気温も極端に下がらないから、家でじっとしているのはもったいない。更に詳しく見ると、「庄内地方の波高0.5m」だと。付け足すと、「海水面温度15℃」

 これは、もしかすると、アジ釣り日和じゃないか?釣り情報を紐解いていくと、確かに庄内地域の各地で釣れ始まっているようだ。

 はい、決定です。

 明日は、アジ釣りに出かけることにしましょう。日の出が4時20分ごろだから、遅くても3時半には着きたいですね。目覚ましを1時20分に合わせて、早めに就寝。

 心が躍ってるんでしょうか。目覚ましより前に目覚めました。

 道具と装備の点検をして出発。そして、予定時刻に釣り開始。

       真夜中の港

 本日は、所謂平日だから誰もいないと思っていたんだけど、ちゃんと先行者がいました。声を掛けて、隣で釣りを開始させてもらう。

 そのお方は、いつの間にかいなくなってしまった。代わりに別の釣り人が声を掛けてくる。

「隣、釣らせてもらっていいですか?」

「さっきまで、1人いたんだけど、何か残していませんか?」

「ないみたいですよ。」

「じゃあ、大丈夫じゃないのかな。」

暫く、二人で無言の釣り。ちょっと聞いてみたいことがあったので声を掛けてみた。

「ここには、よく来られるんですか?」

「この時期には、結構来ますね。」

「アジングですか?」

「いや、ジギングです。」

「へえ、イナダとか来てるんですか?」

「いや、何でもいいから、掛からないかなと思って。」

「そうですか、何か来たら楽しいでしょうね。ところで、この辺の海底が浅くなっている気がするんですけど、どうなんでしょうね。」

「その通りだと思いますよ。いつもの年だと、底の砂を掘って沖に捨ててくれるんですけど、今年は、全然やってませんから。」

「なるほど、道理でウキが立たないと思った。」

やっぱりそうだったか。だとすると、深い場所が好きなアジは、以前のようには寄り付かないかもしれない。

 そんなことを思っているうちに、ウキが海中に消えた。大きくアワセを入れて引き寄せると、引きの強さ程大きくない魚体が上がってきた。

 尺に満たないサバだ。このサイズは、料理しても美味しくないので放流。もっと大きくなってから来てね。

 さて、そこから10分ぐらい、全くアタリが来ない。もしかして、あれが本日唯一のアタリだったのだろうか。だとしたら、放流したのは、間違いだったかな。心が落ち着かなくなってくる。

 そうこうしているうちに、空が少しずつ明るくなってきた。

       あああ、空が白んでくる!

 サビキ釣りは、魚の視覚を欺いて釣る釣り方なので、完全に明るくなってしまうと勝負にならない。これはヤバいですよ。と思っているうちに、またウキが消し込んだ。

 今度掛かったのは、結構大型のアジ。ゴールデンタイム突入かな、と思って急いで仕掛けを飛ばすと、またアタリ。今度は中アジだ。

 ようし、来たぞ!と思ったんだけど、それっきりアタリは止まってしまいました。

        出羽富士が浮かび上がってきました

そして、

       向かいの灯台に朝日

 隣の釣り人にも、後から来た釣りグループにも、魚の反応は皆無。

 諦めましょう。さっきの反応が、本日訪れた僅かな時合いだったのでしょうな。

       お持ち帰りは2匹

 これを、2匹『しか』と考えるか、2匹『も』と考えるかは、釣り人次第。

 今シーズンの自分の釣りを振り返ると、マタギの場合、2匹『も』ですね。ありがたい海の恵みです。

 海の神様、本日もありがとうございました。

 眩しい日差しを受けながら、通勤通学の混雑が始まる前の道を山形に向かって引き返す。

 ちなみに、連れ帰ったアジたちは、活きがよかったので、

       三枚におろして

       刺身にして戴きました

 薄皮が剥がれちゃったのは、腕が悪いせいです。 でも、大変おいしかったです。


海のち山の日

2023年04月11日 | 釣り

 全く自由に使える明日の一日。深慮遠謀をめぐらせた結果、アジ釣りに出かけることにした。

 決めたのは、仕事と定期診察を終えて帰宅した夜のことだったのだが、何とかなるはずという気がしたのだ。

 理由は、昨年使ったアジ釣りのアイテムとエサとがそのまま残っているから。一応、リールにオイルを吹き付けて点検。こちらも問題なし。

 天気予報を見ても、明日行かなければ何時行くの?というぐらいの好条件。夜明けの時刻は、日に日に早くなっているから、午前2時には出発しなければ、ピークの時合いに間に合わないだろう。夕食を済ませたら、明日に備えて、さっさと布団に潜り込んだ。

 そして、翌朝、予定通りに夜明け前の釣り場に着いた。

       ほぼ、真っ暗闇

 仕掛けを飛ばし、コマセを撒いて時合いが訪れるのを待つ。これまでの経験から考えると、日の出の30分前あたりにピークが来るはず。

 しかしですな、その時が来ても全くアタリなし。そのまま日の出時刻を迎えても、魚の反応は全くなかった。

       非常に穏やかな海 ひねもすのたりかな

 先週末の釣り情報では、「アタリが出始めた。」みたいな記述があった。そして、タコ釣りに行った酒田港では、確かにアジが釣れ始まっていた。

 期待していたんだけど、撃沈

 釣りは、相手のご機嫌次第なんで、こういうこともある。仕方あるまい。

 と言いつつ、このまま手ぶらでは帰りたくない

 釣り道具を仕舞いながら次の行動を考える。

 ピーン!!

 帰り道の近くに、T川があるじゃない。今年の陽気なら、少なくとも早春の山菜たちは顔を出しているんじゃないかな。

 心の切り替え完了

 山用のシューズもハケゴもないけど、ナイフとビニール袋はある。それで、十分でしょう。

       結構勢いのあるT川の流れ

 この川は、米どころの庄内平野を潤すための水源にあたる川の一つである。そのために、遥かな上流の別の水系から水を引いている。田植えのシーズンが近づくと、この水が庄内平野の田に満たされることになる。

 さて、春の進み具合は、どんなものでしょうね。

       取水口管理用の道にツバキ

       ネコヤナギも咲いてますね

 これは、大丈夫でしょう。奥に進むと、

       フキノトウの花畑が広がっていました

 ここで、『フキノトウ味噌』に使う分を収穫。

 ちょっと日当たりの良いところで、

       『炒め煮』用も追加

 あっという間に、予定量達成です。

 魚は逃げるけど、山菜は逃げないからありがたい。ちょっと散策。

       ここにもヤブカンゾウがいっぱい(今日は採りません)

       キクザキイチゲも花盛り

 この雰囲気だと、この流域での山菜採り本番も、もう間もなくですね。

 散策をしているうちに、天気予報通り、雨がぱらつき始めたので、引き返すことにした。

 T川の山の神様、ありがとうございました。

 海の神様、釣れなかった原因、いくつか思い当たることがあるので、次回、またチャレンジします。

 どちらも、よろしくお願いいたします。


神様が降りた日

2023年04月02日 | 釣り

 「最後は、お前だ!」

そう言って、日本の主砲を信じ、使い続けた栗山監督。

 そして、どんなに不振が続いても、くさらずに打席に立ち続け、最後に結果を出した日本の若い神様。あの姿に、どれほど感動し、勇気をもらったことか。

 さて、マタギも不振にあえいでいる。

 毎春恒例のタコ釣りなのだが、この2年間釣れていない。

 釣れないとは言っても、去年2回、今年1回の計3回なんだけど、それでも心が折れそうになってくる。

 もうこの釣り場には、タコが寄り付かなくなったんじゃないか?そもそもの原因は、一昨年の護岸工事で、潮の循環が悪くなっているに違いない。

 釣り師が釣れないときって、大抵、妄想の悪循環に陥ってしまう。

 エサが悪いのかも知れない。仕掛けが合わないのかも。いやいや、環境が変わったせいだ。等々、根拠のない想像がどんどん膨らんでいき、這い上がれなくなってしまうのだ。

 今、マタギがその状態。

 明日は休みなんだけど、山菜は、まだまだあるから山菜採りは無しでしょう。では、釣りか?でも・・・。さあ、どうする?マタギ!

 はい、出かけましょう!栗山監督が信じて使い続けた結果、ムラカミサマだって結果を出したじゃないの。マタギだって、信じて通い続ければ、海の神様が答えてくれるはずさ。午前3時に目覚ましをセットし眠りに就く。

 そして、翌朝。気温はかなり低く、氷点下の峠道を超えて日本海へ。

       印象、日の出

 本日は、気温が低いが、その分快晴。山の端から朝日が昇る。

       ああ、やっぱり美しい

 いつも通りの場所から仕掛けをセットして釣りを開始する。

 海底に探りと誘いを入れながらゆっくりと進んでいく。普通は、これでいいんですけど、本日は、今年初めてのライバル登場。マタギの脇をスルっと抜かしていき、100mぐらい先で釣りを開始した。

 ここで慌ててはいけない。『タコ釣りは、ゆっくり』が大原則。海底で無敵のタコを相手にするとき、釣り人が勝手なペースで動いては勝負にならない。のんびり暮らしているタコのペースに合わせるのだ。まあ、先行者がいても何とかなるでしょう。

 しかし、ラスト1/3まで来たところで先行者にアタリが来た。格闘の末釣り上げたのは、

       ミズダコですね

 マジで、2年ぶりに見ました。

「来ましたねえ!」

「いやあ、初めて釣れた!!」

「これだと、しばらく、おかずに困りませんね。」

「ふふふ、そうだのう。」

楽しそうに会話を交わしているが、内心は穏やかでない。これで、『環境が悪い』とか『タコがいない』というような言い訳は成り立たなくなったわけだ。

 さあ、後は結果を出すしかありませんよ。残り数百mの釣り場を、心は大焦り、行動はのんびりと釣り進む。

       先端部=終点が近づく(この方たちはアジ釣り)

 ああ、ダメかな?と思っていたところで、ガチッでもズルッでもない、ムニュッという感触。数秒間間を空けて、大アワセ。

 仕掛けが動く。と言うことは、何かがかかっていますね。仕掛けへのテンションをかけ続けながら巻き上げていくと、おおっ、海面に八本足のパラソル。肩にかけたタモを伸ばし、頭を枠に入れる。

       マタギにも来ました

 釣り上げるまではドキドキ。釣り上げるとホッとひと安心。これは、山菜採りでは味わえない感動ですね。

 2年ぶりの獲物に心が震える。しかし、身体は完全に覚えています。ポケットから袋を取り出してタコを入れると、袋の口を閉めてリュックに入れました。そして、釣り再開。

 間もなく、先端の釣り人たちのエリアに辿り着いたので仕掛けを仕舞って雑談。聞けば、大型のアジが釣れるようになったとのこと。早いですねえ。もうアジ釣りか。山菜採りの隙間を使ってこちらも楽しみたいものですね。

       長い長い最後の直線を戻る

       対岸の灯台と鳥海山

 ああ、いい釣りができた。

 やっぱり諦めずに通い続けてよかった。

 海の神様、ありがとうございました。

 そして、勇気を分けてくれた栗山監督とムラカミサマ、ありがとうございました。

 これで、今年の打率は、5割。2年間通算で2割5分です。

 今シーズン、チャンスがあったらもう1回ぐらい来てみようかな。

 なんだか、気力が湧いてきたみたい。