山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

マイタケシーズン、スタート!

2024年09月29日 | キノコ採り

 彼岸に入ってから、最低気温が20℃を下回る日が増えてきた。

 この気温の変化が合図になって、秋のキノコの発生が始まる。

 20℃は、初秋のキノコのスタート合図。

 代表的なのは、みんな大好きなマイタケ君だ。

 当初は、A氏との同行を考えていたのだが、日程が合わなかったので単独行となる。

 目的地は、キノコ山。

 ただし、このキノコの場合、みんな大好きなキノコなだけに、お気軽に行ける場所では、滅多にお目にかかれない(天然物は値段も凄い)。

 今回も、奥部、野生の領域に向かうことになった。

       この山の森は神々しい

 しばらく歩いた後辿り着いた『ミズナラの森』で、目的の木を1本1本見て回る。

 残念ながら、発生はなさそうだ。

 更に進んで『ミズナラの尾根』を目指す。

 尾根の基部に当たる場所の巨木は、毎年マイタケを発生させてくれる優良木だ。

 根元を見ると、

       お久しぶり!

 今年初めて見るマイタケの株です。

 そんなに大きくないけれど、嬉しい初ものです。

 周りを観察すると、

       そこここに

       発生してるじゃないの

 実はこの木、日程の合わなかったA氏が一昨日訪ねたところ、『サカリ』の株に当たっており、まだ収穫には早い『マメ』の株を置いてきたという情報を得ていたのだった。

 だから、大なり小なりの株には出会えると思ってはいたのだが、意外なことに、『サカリ』の株が沢山ある。

       ちっちゃいけど、この子や

       この子は『サカリ』

 逆に、株がいくら大きくても、

       この子は『マメ』です

 ヒダの広がり具合を見ると分かるんだけど、先の方がへら状に広がったものが『サカリ』の株。

 『サカリ』はこれ以上大きくならないけれど、『マメ』は、これからどんどん大きくなります。

 しかも、『マメ』は、持ち帰っても調理しづらいんだわ。

 したがって、普通は、『マメ』は『見置き』して帰ります。

 今回は見置きして帰るけど、果たして再訪した時に残っているかどうかは微妙なところです。

 なぜなら、深山とは言え、ここは知る人ぞ知る激戦区。キノコ採りのプロが集う山なんだよなあ。

 とりあえず、『サカリ』の株をいただくことにしました。

 さて、次です。

 A氏情報によると、この先に、とてつもないマスタケの株を見つけたとのこと。

 先日、別の山で空振りに終わったばかりなので、是非お会いしたいものです。

 尾根を斜めに登りながらその木を探す。

 そうしたら、見えてきました。

 数十m離れていても、それと分かります。

       とてつもないマスタケ

 多分20kgは越えています。

画像は、山側の株だけど、谷側にも、脇にも出ています。

 惜しむらくは、もう少し株が若いうちに出逢いたかったこと。

 成長途中の柔らかい部分を選んで、我が家で食べ切れる分だけ戴きました。

 満足!

 ああ、キノコ山は、やっぱり豊かだ。

       豊かな森に乾杯!

 山の神様に感謝の気持ちを伝えて引き返す。

 帰り道、

       大きい株でも『サカリ』でもないけれど

       もう1本見つけました

 ここは、超のつく激戦区なので、四の五の言っていられません。戴いて帰ることにしましょう。

 登山道に戻ると、

       この地もサルナシは豊作みたいです

 途中、これから登山に向かうパーティーとキノコ採りに向かうオヤジさんとあいさつを交わして無事に帰還。

 ああ~、楽しかった!

 改めて、山の神様、ありがとうございました。


秋山遊びも慎重に

2024年09月22日 | キノコ採り

 キノコの端境期であることは、以前にも書いたのだが、気になるキノコがある。

 それが、

       このお方なんです

 既に盛期を過ぎて崩れかかっていることは、見ての通り。

 去年も出ていたし、一昨年も出ていたんだけど、見つけたのはナメコの季節。

 つまり、晩秋だ。

 このキノコが発生した時には、どんな姿をしているのか気になって仕方がなかったのだ。

 もしかしたら、ただのサルノコシカケかもしれない。 でも、これがマスタケだったら、最高級の株ですよ。

 まあ、マスタケについては、長いこと触れる機会がなかったので、軽く説明しておきますね。

 マスタケの『マス』は、『鱒』のことです。 海に下り、成長すると川に戻ってくるあの魚ね。

 このキノコ、発生してからある程度の大きさになるまでは、正に『鱒』のような色をしているんですよ。

 過去画像で申し訳ないんだけど、

       こういう姿をしています

 『マスタケ』の意味が分かるでしょう。

 これが、画像のように若い状態だと、極めつけに旨いんですよ。

 マツタケともマイタケとも違った、独特の肉質と食感を持ったこのキノコは、他に類を見ない美味しさです。

 なもんだから、様子を見ておきたかったということね。

 で、いつもとは全く時期がずれるんだけど、O町の採り場を訪ねることにしたんです。

 秋雨がひと休みしてくれた最後の日でした。

 ここは、マタギたちのキノコ採り場としては、最も里山に近いところなんですけど、

       森は深い

 で、目的地に車を停めてドアを開けたら、

 ブ~ン

 ヤバい音が聞こえるじゃないの。

 クマに続いて山で恐ろしい上弦の弐、オオスズメバチですね。

 出会い方によっては、クマより恐ろしいお方です。

 ハチ対策用のスプレーを手に、慎重に様子を見ると、まだ旋回中。 偵察飛行ですね。

 これが、ホバリングで空中停止姿勢だとかなりヤバい。 戦闘態勢です。

 気を抜かずに観察を続けていると、どこかに飛んで行ってしまいました。

 ホッと一息。

 そうだよなあ、この時期は、スズメバチも気性が荒くなるんだよなあ。

 マタギとしては、一応2種類のスプレーを持ち歩いています。

       真っ向勝負! 荒野のガンマンスプレー

 そして、

       敵の戦意を喪失させる女神のスプレー

 いつでも使えるように胸ポケットに入れてあるんですけど、わざわざ敵地に赴いて使う気はない。

 で、気づいてんだけど、この山って、

       立ち枯れの森なんですよ

 確かに、キノコもたくさん生えるけど、もしかしたら、ハチが巣を作るには好条件なのかもしれません。

       確かにいい森だよ

 でもねえ、

       「まだ早いぞ」

       「もう少し秋が深まったらおいで」

 なんだか、そう諭されているような気がして、山を軽く一回りしたら、そそくさと帰路についてしまいました。

 やっぱり、安全第一だよね。


秋の森が戻ってきたぞ!

2024年09月18日 | キノコ採り

 昨夜まで続いた雨が上がって、ここから暫くは、天気が安定しそうなので、ちょっと山に出かけてみることにした。

 出かけると言っても、収穫を目指す気持ちはない。

 キノコは、トビタケとマイタケの端境期だし、この時期に欲しい山ブドウも、先日たっぷり戴いたばかりだから。

 付け足すと、ワサビもミズコブも、まだまだたっぷりある。

 したがって、本日は、のんびりと自然探索なのだ。

 出発時刻もゆっくり。

 朝食を終えてから出掛けることになった。

 目的地は、Y川流域。

 初夏のワラビでは、あいも変わらず無双の採り場だが、昨年秋の山菜は壊滅的だった場所だ。

 去年の秋は、記録的な猛暑に加えて、一部山域が伐採されてしまい、足元にも頭上にも、何も発生しなかった。

 おまけに、収穫不足のとばっちりを食ったクマさんとの競合が発生してしまったため、確実に収穫できると思っていたヤマグリさえも、全然採ることができなかった。

 で、それなりに自然環境が復活しつつある今年はどうなっているのか、それを確かめるのが今回一番の目的となる。

 地域の降水確率は10%。雨雲レーダーを見ても、問題は、全くなさそうだったが、

       残りの10%が山に降るんですよ

 とりあえず合羽を着てから散策に入る。

 さすがにのんびり行動だから、同じようにのんびりとキノコだか山菜を採る人に出会う。

 あいさつは交わしたが、何を採っているかは聞かなかった。

 クマ出没中 立ち入り禁止

 みたいな表示は見かけたんだけど、これはどこの山も同じね。大事なのは、クマさんをびっくりさせてしまわないこと。違う音色の鈴を複数身に付けて、にぎやかに森に入る。

       いつものことながら

       ブナの森は気持ちがいい

 古道沿いに歩いていくと、

       おおっ、タマゴタケ!

       お久しぶり!

 大量に出ているのなら戴くんだけど、それほど多くないので、来年以降の子孫繁栄を祈ってお別れ。

 他にも、

       ヤマドリタケモドキかな

       これは気候変動にも負けないツキヨタケ

 いろんなキノコたちが復活していました。

 頭上の山菜はと言うと、

       山ブドウや

       アケビも

 復活していました。

       気持ちの良いブナ林

 ああ、よかった。

 これで、来年以降も、この森で楽しむことができそうです。

 山の神様、その時には、また、よろしくお願いいたします。

 ところで、クマさんですけど、今回は、足元にも頭上にも気配が全くありませんでした。

 別に美味しい餌場を見つけたのか、山奥から降りてくる必要がなくなったのか分かりませんが、これからも、きちんと棲み分けして過ごしていきたいものです。


キノコ山に招かれたのかも

2024年08月27日 | キノコ採り

 一昨日、久しぶりにトビタケに出逢うことができた。

 そして、トビタケ料理を堪能させてもらった。

 もしかしたら、この山域の気候が変わったために、もうトビタケに会うこともなくなるかもしれないと思っていただけに、この出逢いには喜びもひとしおだった。

 心の底から満足させてもらった。

 それなのに、身体の中から聲が聞こえてくる。

「もう一度、あの木に行かなくていいの?」

悪魔だか天使だかは分からないけれど、『欲タガリ』の心を十分に揺さぶる囁きだ。

 『あの木』とは、先週、空振りに終わったブナの巨木たち。

 A氏の話だと、先々週にはA氏も当たってみたが、キノコの発生はなかったとのこと。

 いよいよ出なくなってしまったのか、誰かにとられてしまったのか、はたまた、これから出てくるのか。 迷うところだ。

 ラッキーなことに明日は休み。

 行ってみて、この目で確かめれば、答えも出るだろう。

 A氏に電話を入れてみると、実は、氏も気になっていたとのこと。

 同行が決定した。

 ただ、目的地は、ほぼピンポイントなので、ダメだったら、近くのカラマツ林でハナビラタケ探しに切り替えることも決定。

 そんでですね、夜明けの時刻に目的地に着いて、行動開始したのはいいんだけど、

        でええええ!

       なんじゃ!この美しき物体は!!

       こっち側にも出ている!!!

       嬉しい!!!!

 先週訪れたときには、全く気配もなかった。

 勿論、先々週のA氏の時もだ。

 それが、一気にこうなるわけね。

 一応、説明しておくと、『夏キノコ』の成長は、驚くほど速いです。

 幼菌が顔を出し始めたら、悠長に構えていないで、翌日か翌々日に採集に向かうのが鉄則です。

 ただですねえ、全く何もないところから、いつ発生し、成長するのかしないのかっていうのは、全然読めないんですよ。

        二人で山分けにします

 それにしても、ドンピシャでした。

       ああ、森の木々が

       微笑んでいる

       ウバユリが花を終え

       ノコンギク?が代わって咲き始めている

 これだけで十分。

 予備に考えていたハナビラタケ採りなんてしている余裕はありません(トビタケはどんどん変色していく)。

 季節の入れ替わりをわき目に、史上最速の朝仕事を終えて帰路に就く。

 勿論、二人とも大満足。

 ・・・あの囁き声は、山の神様だったのかなあ。

 おかげで、素晴らしいひと時を過せました。

 ありがとう!


トビタケ君、久しぶり!

2024年08月24日 | キノコ採り

 先日、『キノコ山』でのキノコ採りが空振りに終わった日の夜、A氏から電話が入った。

 こちらの状況をひと通り話した後、A氏の状況を聞いてみる。

 それによると、今回あたってみた木には、丁度1週間前に当たってみたが何も出ていなかったとのこと。

 だとすると、キノコの成長が遅れていて、これから顔を出すか、去年のように何も出ないで終わってしまうかというところだろう。

 ただ、別に当たったK川では、トビタケが出始まっていたし、チチタケも見つけたという。

 これは朗報だ。

 去年のように、ひたすら猛暑というわけではなく、暑い中にも時々雨が降ってくれる気候だから、キノコたちも顔を出し始めたのだと思う。

 で、話の流れで、キノコ山にもう一度入ろうということになった。

 前回まで確認できていない奥部の様子を確かめることが最大の目標になる。

 もちろん、目的はトビタケ採りですよ。

 夜明け前に車止めに着いた。

       ガスがかかり、奥の山は見えない

 始めは登山道を辿るのだが、暗がりの中、いくつもの白っぽいキノコの姿が目に入る。

 これも、去年は見られなかった光景。

 毒であろうと食であろうとキノコが生えているということは、そこに生命活動が営まれている証拠。

 喜ばしいことだ。

 30分ほど歩くと第一目標の木が見えてくる。

 木の根元を見ると、

       おお! 出ていた!!

 大きな株ではないが間違いない。2年ぶりのトビタケだ。

       周辺にも

       幼菌だけど・・・

 トビタケが発生しているということだけで舞い上がってしまう(トビタケの本名は『トンビ舞茸』と言う)。

 「もう出ないのかもしれない。」

 そんな思いを抱かせるような異常気象が続いていただけに、喜びもひとしおだ。

 さて、更に進んで登山道と別れる。

 ここからは、完全に野生の世界だ。

 一言で言えば、野生動物が支配する世界に、人間がお邪魔する形になる。

 この地の支配者は、上弦の壱(クマ)と上弦の弐(スズメバチ)である。

 それなりの準備はしてあるのだが、兎にも角にも出逢わないことが一番だ。

 二人して、うるさいほど鈴の音を響かせながら目的の木に向かう。

 そこには、

       かわいいサイズだけれど

       食べ頃のトビタケ君

 ああ、お久しぶり!

 この木のトビタケは、3年ぶりかな。

 嬉しいねえ。

 また、生えてくれたんだね。

 二人で収穫を分かち合って引き返す。

       汗はかくけど、足取りは軽い

       途中、チチタケも見つけたけどパス

 ああ、満足!

 山の神様、今年もありがとうございます。

 また来るかもしれないけれど、トビタケの続きになるか、マイタケ採りになるか分かりません。

 でも、その時も微笑んでくださいね。