突然、電話が鳴った。
こんな時間に鳴る電話は、オレオレ詐欺か親戚の不幸か。
うるさいので受話器を取ると、
「あ、お父さん。」
オレオレの方か? でも聞き覚えのある声だ。
「今、買い物に来てるんだけど。」
妻だ。 車でもぶつけたか?
「また『海鮮ボックス』見つけたの。」
「なに!? それは買ってきて!」
「でも、どの箱を選んだらいいか分からなくて。」
「分かった、すぐ行く。co●pね。」
変な電話でなくてよかった。
チャリに乗って店に直行すると、並んだ箱の前に妻が待っていた。
「結構いっぱいあって、どれを選んだらいいのか分からないのよ。」
確かに、いっぱいある。しかし、今回は、売れてませんね。
その理由は、レアな魚が多いことと、目玉になる大物が入っていないためだろう。
で、ちょっと迷ったけど、
この箱を選びました
理由は、一言では言いづらいんだけど、強いて言えば、変化のある料理が楽しめそうだから。
さて、足の速いサバは、まっ先に下ごしらえしておかねばなるまい。
ただし、昨近、厚労省から警戒情報が出ているアニサキス問題があるから、食べるのは明日以降になるでしょう。
だとすると、今宵は、三種の鯛の盛り合わせで行きましょう!
三種の鯛ってどれかと言うと、画像左の縦(横?)じま模様のイシダイと右のマダイと、上のコショウダイです。
コショウダイは、釣ったことも捌いたこともないんですけど、まあ、何とかなるんでないかい。
早速下ごしらえから始めましょう。
最初の作業は、ウロコ落としです。
魚によっては、とても厄介なんだけど、やらないわけにはいかない大事な作業です。
ただ、これをやると、魚の特徴がなんとなく分かります。
で、感じたのは、
イシダイの皮は鎧のように硬い
そして、コショウダイの皮は、マダイと、そう違わない。
今まで捌いた魚の中では、イサキに近い感じですね。
だったら、
・マダイとコショウダイは皮霜造りで行けそう。
・イシダイは、あまりにも皮が固いので、皮をひいてしまいましょう
・いずれも、骨は丈夫そうなので、腹骨と血合い骨を丁寧に外します
今回使った道具(総動員に近かったです)
・コショウダイとマダイは例によってキッチンペーパーと熱湯で処理
・全部平造りに仕上げてみました
・残ったアラは、汚れを落として熱湯を回しかけたら、三種混合で吸い物に
はい、出来上がり
これ、かなり美味しかったです。
熱を通さないイシダイは、コリコリッと身の締まった食感が心地よい。
マダイは、前回のものよりも身の締まりが緩んだ分だけ、甘みが増しています(マダイは二段階の味を楽しめる魚です)。
コショウダイは、初めて食べるんだけど、やっぱりイサキに近いかな。ねっとりと濃厚な旨みが口の中に広がります。
そして、吸い物は、文句なく旨い!
これで、初日の楽しみに満足できました。
明日は、煮物と締め魚ですね。
鮮魚ボックスよ、そして妻よ、楽しい素材をありがとう!
それでは、また、明日!