山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

ワラビがあった

2025年02月14日 | 山菜料理

 退院して以来、喉の通りの良いことを目指して、煮込んだ野菜料理ばかりに目を向け続けてきた。

 で、また突然気付くんですね。

 柔らかいと言ったら、「あれ」があるじゃないの。しかも、大量に。

 その野菜の名は、ワラビ

 正確には山菜ですけど、日本全国に市民権を持つこの山菜は、今や野菜と言っても誰も文句が言えない程、人の手がかかるようになってきている。

 だって、当地では、しっかり手入れされた畑で栽培し、成長に合わせて基準の長さを満たすものを切り揃えて、量にばらつきが出ないようにまとめてから出荷しているんですよ。

 こんなの、畑の野菜と全然違わないじゃないですか。

 でも、マタギたちが採ってくるワラビは山菜ね。

 山の中の生育適地ですくすくと育ったものを、旬の時期を読んで採ってきます。

 それが、大量に塩漬けされていることを思い出したんですよ。

 「戻す」手間はそれなりにかかるけれど、実際に手をかける時間は、そんなに長くありません。

 で、一度戻してしまえば、結構日保ちするし、何と言っても、他の追随を許さない程柔らかくて美味しいのよ。

 なんで今まで気づかなかったのかという気もするのだけれど、それは仕方ない。

 気づいたからには作るべきでしょう。

 早速行ってみます。

       先ずは、銅鍋にたっぷりの水を汲んで、グツグツと煮出します

       去年、ワラビの漬け替えをしてるから、多分これは2年以上前のワラビです

 ・軽く洗って、塩を流し落とします

       こんな感じです

 ※準備物は重曹だけ

 ・お湯が沸騰しているところにワラビを投入

 ・全体を裏返したら、重曹を適量回しかけて火を止めます

 ・蓋をして、そのまま冷めるまで待機

       さすがに極寒、半日もかからないうちにすっかり冷めてしまいました

       かなりのアクが出るけど、すっかりアクを抜くには、更に時間をかけます

 ・きれいな水に移しかえて(途中、更に入れ替えあり)、さらし続けること丸2日

       3日目に一部を取り出しておひたしにしてみました

       生姜醤油で戴きます

 この食感と味が独特で嬉しいんですね。

 特に、トロッとした食感が、ワラビの一番の魅力だと思います。

 ちょっと苦みを感じるけど、さほど気にならない。

 うん。これなら文句なく合格ですね。おひたしとしても、マタギの病人食としても。

 このワラビがなくなったら、鍋に残して水にさらしているワラビを、必要分だけ取り出して、またおひたしにします。

 山の神様の恵みが、思いがけず病人に優しい料理の役目を果たしてくれました。

 ありがたいことです。

 ご馳走様でした!


ありがたき哉、月山メンマ

2024年12月20日 | 山菜料理

 開封した瓶詰めタケノコ料理の後半戦である。

 というか、目的としては、こっちが先なんですけど、メンマですからねえ。

 こんなこと言ったら、メンマの神様から叱られそうだよね。

 でも、メンマですからねえ。

 とにかく、「流石は月山筍!」というメンマに仕上げねばなるまい。

 いざ、参る!

       残りの月山筍です

 先日紹介したように、意外とボリュームがあるんで、これだけあれば十分楽しめるでしょう。

 で、最初の課題が切り方

 前回作ったメンマは、細切りのタケノコだったので、ラーメンに添えても存在感がなくなってしまい、申し訳ないことになってしまった。

 どういう形状にするかというのが、こんなに大事なことだったと思い知らされることになった。

 で、考えるわけですね。

 小口切りはありませんね。

 拍子木切りというのは、ありだ。

 だけど、月山筍の存在感が消えると言うか、孟宗竹なのか真竹なのか全然わからなくなってしまう。

 つまり、ここが今回の料理の『肝』なんですよ。

 いろいろ考えた結果、この切り方に決定しました。

       斜め切りです

 これなら、月山筍の存在感も、ラーメンの中での存在感も、同時に発揮できるはず。

 切っていくと、

       なかなかいい感じです

 一応、計量してみると、300g弱。

 ちょっと驚きなんですけど、前回の細切りタケノコよりも軽いです。見た目では、ずっと多く見えるんですけど。

 だとすると、調味料も重さに合わせるべきでしょうな。

 ※醤油18、酒15、砂糖4、中華出汁4gをベースに150mlの水で味付けます

 ・ごま油で炒めたら

 ・調味料と水を入れて中火で煮詰めていきます

 ・沸騰したらラー油とみりんを足して、ギリギリまで煮詰めて

       出来ましたよ!

 ちょっと食べてみると、文句なく旨いっスね。

 何と言っても、月山筍の雰囲気が、しっかり残っているところが嬉しい。

 これは、弁当のおかずとかに使うのは勿体ないですね。

 ラーメン専用に使わせていただくことにしましょう。

 ああ~、血と汗と涙の結晶が、こうして美味しいおかずになる。

 なんと嬉しいことでしょう!

 改めて、山の神様に感謝です。

 ありがとうございます! そして、

 この恵みを心に刻みつつ、ご馳走になります!!


やっぱり旨い月山筍料理

2024年12月19日 | 山菜料理

 次のメンマは月山筍で作ってみよう。

 これは決まってっていたこと。

 そんでですね、その流れで行くと、瓶詰めを開封することになるわけなんですよ。ただ、

       1リットル瓶に目いっぱい詰まっています

 これを全部メンマにするのは、ちょっと違う気がするんですね。

 量的な問題は勿論なんだけど、あの血と汗と涙の結晶と言ってもいい収穫物を、たかがラーメンの副菜に貶めていいはずがない。

 一部はメンマにするけど、やっぱりタケノコとして楽しまなければ採ってきた人間の気が済まないってもんだ。

 で、考えた結果辿り着いたのが、この料理なんです。

 肉巻きタケノコ焼き

 適当な命名ですけど、読んで字の如くです。

 これだと、美味しいメインディッシュになると考えて始めました。

       とりあえず12本 水気を落としたら

 ・タケノコと同じぐらいの長さの豚バラを選んで巻いていきます

 ・塩コショウして

       馴染ませたら

 ・巻き終わりを下にして、中火で焼き始めます

       あれ?

 一人2本で十分なボリュームですね。

       あと半分は明日に回しましょう

       初日の食卓です

 素(す)の味を確かめたかったので、何もつけずに戴いてみました。

 タケノコと豚バラとの相性は、文句なしですね。

 タケノコのポリッとした食感と、豚バラのムチッとした食感も、よく合ってます。

 それぞれの旨みを同時に楽しめるところが素晴らしい!

 ただ、さすがに保存食。

 月山筍の香りがすごく薄まってしまっているのが勿体ない。

 これは、ケチなことを言わないで、採ってきた時に楽しんだ方が絶対に美味しいでしょう。

 ただ、採ってきた時っていうのは、すごくくたびれているときなので、ここまでやれるか自信がないんですけど・・・。がんばってみます。

 さて、残った肉巻きタケノコなんだけど、翌日は調味料を加えて楽しませてもらいました。

       分かるかな?

 オイスターソースがけです。

 これ、タケノコも肉も味を損なうことなく楽しめて良かったです。

 で、喜んで食べ切った後で気づきました。

 それは、なぜ、ここに『衝撃の粗挽き胡椒』を使わなかったんだということ。

 月山筍の料理では、考えたこともなかったから仕方がないと言えば仕方がないんだけど、焼肉料理として考えたら、絶対使うべきでした。

 これは、来年に残す課題かな?

 是非、確かめてみたいと思います。

 それにしても、月山筍の瓶詰め前半戦、美味しく戴くことができてよかったです。

 ご馳走様でした!


タケノコ道も奥深し

2024年11月28日 | 山菜料理

 「メンマがなくなりそう。」

「あいよ!」

 我が家では、このところ、職場の竹林で戴いてきた孟宗竹の保存品を解凍してはメンマに加工して食している。

 で、これをラーメンだけでなく、つまみとかおかずみたいな使い方をして、かなり重宝しているんだなあ。

 ところが、冷凍庫を覗いてみると、メンマの材料にするタケノコがない。

 完全にないというわけではないんだよ。

 普通は、

       ノーマルタイプのメンマ

こういう形状のメンマにして使っているんだけど、このタイプを使い切ってしまっていたんですね。

 残っているのは、

       細切りタイプのタケノコ

 作るのが簡単だし、チンジャオロースにも使えそうなので用意していました。

 先日は、肉まんの餡にも使わせてもらって、とても美味しかったです。

 さて、策としては2つある。

 一つ目は、この細切りタケノコでメンマを作ってみること。

 もう一つは、瓶詰めの月山筍を使うことだ。

 それぞれに良さがあるんだけど、どうしても月山筍が勿体ないと考えてしまうんですね。

 だって、あんなに苦労して採ってきて、あんなに苦労して保存したんだもの。

 ということで、細切りタケノコのメンマに決定です。

 ま、チンジャオロースの目論見は消えてしまうけれど、仕方がない。

 それに、同じタケノコだ。 同じように美味しくなるでしょう。

 それでは、行ってみます。

       残っている冷凍タケノコは300g強

 この量を基準に始めます。

 ・鍋に大さじ1程のゴマ油を敷いて

 ・タケノコに絡めながら炒めます

 ※調味料は、醬油27、酒15、砂糖5に中華出汁5g

 ・水1カップに中華出汁を入れて、他の調味料とともにタケノコと合流

 ・ここから煮詰めていきます

 ・沸騰したらみりん8gとラー油適量を加えて

 ・水分があらかた飛ぶまで粘ります

       はい、出来上がりましたよ!

 これが、つまみ食いしてみると、すごく美味しいのだ。

 ここまで、いつもの朝仕事。

 嬉しくなって、お昼は、急遽ラーメンにしました。

 そんでですね、気合を込めてラーメンを作って、乗せたら。

       分かります?

       殆ど見えなくなってしまったのです。

 で、食べてみると、『忍法、雲隠れの術』

 味はするけど、なんだか食べた気がしない。

 これを、つまみやご飯のおかずに使うと、すごく存在感が出るし、美味しいんだよ。

 でも、ラーメンに入ると、そのありがたみが、ほとんどなくなってしまう。

 思うに、これは、メンマの形状の問題ですね。

 麺と同じぐらいの太さなものだから、食感としての美味しさ・楽しさが消えてしまっているんだと思います。

 なるほどね。

 せっかく美味しくできたのに、君をラーメンに使ったんでは申し訳ない。

 当初の予定通りではないけれど、おかずやつまみとして使わせていただきましょう。

 本当に、そうでなければ勿体ないというもんだ。

 そうして、もう一つの『勿体ない』。

 月山筍のメンマがあったっていいじゃない。

 次に必要になったら、迷わずに作ってみることにします。

 それにしても、タケノコ道も、簡単ではないね。

 いい勉強になりました。


山のフルーツゼリーにひと安心

2024年11月27日 | 山菜料理

 このところ冷蔵庫や冷凍庫の整理を兼ねた料理作りに励んでいる。

 ただ、整理するにされず困っていたものがある。

 それは、先月U川の神様から戴いてきたサルナシ

 完熟したら、早いものから順に、それを使って色々な料理にしてきたのだが、意外と時間がかかるもので、収穫してから1か月以上が過ぎてしまったのだ。

 それが、ここにきて、最後のグループがようやく熟してくれたようなので調理することにした。

       やっと熟してきたサルナシ

 サルナシについては、既に何度か紹介しているように、ジャパニーズ ネイティブ キウイと言って間違いないフルーツなので、それにふさわしい料理をしようと考えた。

 で、考え付いたのがフルーツゼリー

 きっと美味しいと思うんですね。

 それでは始めます。

 ・サルナシを横に2つに切ってスプーンで果肉を掬い出します

 ・ガラス容器に並べていきました(約半分)

 で、当初は粉ゼラチンを使うつもりだったんだけど、説明を読むと、どうもキウイだと固まらないことがあるらしい。

 そのため、寒天に切り替えることにしました。

 ・水450gに粉末寒天4gを入れて沸騰2分

 ・砂糖大さじ3(27g)を溶かして

 ・冷めてきたらレモン汁を少々加えて

 ・40℃台まで下がったら1/3ほど容器に注いで

 ※先日作った栗羊羹と同じ要領です

 ・残りのサルナシも並べて寒天を注いで、冷蔵庫へ

       お昼時、さあ出来たかな? せいのっで!

 ・食べやすい大きさに切り分けて

       いただきます!

 甘酸っぱい爽やかな味のゼリーに仕上がりました。

「これ、お客さんに出してもいい?」

「どうぞどうぞ。」

夕方に来客があるので、早速使って、喜んでもらった。

 山の神様から戴いてきてから1か月余り。

 ようやく、しかも美味しく使い切ることができた。

 正直な気持ちは、美味しさ以上に安堵感。

 サルナシちゃんを無事に使い切ることができて本当に良かった。

 U川の神様、ありがとうございました。

 また、来年もよろしくお願いいたします。