山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

もうすぐ錦秋

2024年10月22日 | 山菜採り

 秋も深まってきたので、木の実の様子はどうなっているか知りたくなってU川に出かけてみた。

 いつもの採り場に着いてみると、

       赤く色づいた木

 紅葉は始まっているけれど、

       こんなものではない

       もっともっと鮮やかに染まるはず

       例年よりも少し遅れ気味かな

 でも、もうすぐ一年中で最も美しい季節がやってきますね。

 さて、木の実の方はどうかな?

       サワフタギは妖しく美しい

       山ブドウがまだ残っている

 さて、サルナシはどうかな?

       やっぱり今年は

       豊作のようです

 ただ、紅葉と同じく、まだ熟したものは多くないみたい。

 もう少し季節が進むのを待った方がいい気もするけれど、サルナシは追熟させることができるはずだから、一部戴いて帰ります。

 うん、もう1週間ぐらいかな。

 山が真っ赤に染まる頃、また遊びに来ましょう。

       山の神様、また来ますね

 本日は、ありがとうございました。

 短い時間の散歩でしたが、季節の進みを実感することができました。


秋は山の上から

2024年09月09日 | 山菜採り

 ミズコブ採りと料理の後、A氏と情報交換をした。

 認識が一致したのが、マイタケ採りはもう少し先ということ。

 また、去年と違って、果実類が結構目に入るようになっていること。

 で、ミズコブは勿論だけど、ヤマブドウも採り頃になってきていることも分かった。

 ただ、ヤマブドウに関しては、場所によって成育状況が大きく違うので、次回同行するU川の採り場へは、5日後に向かうことまで決まった。

 ヤマブドウの実は実っているのだが、熟すまでには、そのぐらいかかるということ。

 ということで、マタギとしては、明日がすっかり空いてしまった。

「じゃあ、俺、明日、月山の方の下見に行ってみる。」

 月山だと、標高の低いところから高いところまで、幅広くヤマブドウが広がっているから、うまく当たれば、それなりに収穫できるだろう。

 A氏の話から考えると、高い方から確かめるべきでしょうな。

 何と言っても、秋は山の上から降りてくるんだから。

 場所の目安を付けて、翌朝、朝仕事に出かける。

 車をとめて身支度を整えると、ヤマブドウのマントに潜り込む。すると、

       おお、実っている!!

       夜明け時の暗さと藪の暗さで分かりづらいけど

 これは、めでたい!

 ただ、場所によっては、

        まだです

       焦らないでね

 こんな株も少なからずある。

 A氏の言う通りですね。生育状況がバラバラかも。

 もう一つ。これもA氏の情報なんだけど、

       サルナシも

       よく育っているみたい

 こちらの収穫は、まだまだ先の話になると思うけど、秋の楽しみが増えました。

 ヤマブドウは、そもそも下見のつもりだったし、それなりに採れたので、あまり欲張りません。

 本日の収穫は終了。

       夏の花よりも

       秋の花が

       優勢になってきていることが分かります

       ススキも穂を広げ始めました

 ああ、間違いなく秋が降りてき始めていますね。

 この辺りを渡る風に、夏の気配は一切ありません。

 収穫に感謝するとともに、これから里に降りてくる秋に思いを馳せながら山を下る。


実りの季節が始まった

2024年09月07日 | 山菜採り

 今月は、8月にとれなかった夏季休暇を、結構な日数消化できるうえに、祝日勤務の代休も取れることになっているのでウハウハ状態と言ってよいかも。

 もちろん、この休みをどのように有効活用するかは本人次第。

 で、その使い道なんだけど、1つは決まっている。

 それは、今月後半に始まるであろう秋の収穫を充実させること。

 マイタケをはじめとしたキノコ。そして、ヤマブドウ等々の木の実をたっぷり収獲するのだ。

 そんでもってですねえ、今日も休みなんですよ。

 この貴重な休暇を、車の定期点検みたいなつまらないものに使うのは勿体ない。

 考えた結果、K川に遊びに行くことにしました。

 単なる森林浴だけでも、出掛ける価値の十分にあるK川です。

       ブナ林に秋の日差し(今日の画像です)

 でも、やっぱり、秋の実りを確かめなくっちゃね。

 夜明けの時刻に車止めに着くと身支度開始。

 気温が15℃を下回っているから、藪は朝露に濡れているはず。

 念のため合羽を着て山に入った。

 案の定、合羽はずぶ濡れになったんだけど、暑苦しくてたまらん。

 30分も歩くと、身体の内側から出てくる汗で蒸し風呂状態になってしまった。

 途中で合羽を脱いで行動すると快適になった。

 これだったら、始めから合羽なしの方が快適がったかも。

 沢に降りて沢沿いを歩いてみる。

       ミズコブ(茶色い実)がいい感じ

 いいタイミングでしたね。

       あっちを向いてもこっちを向いてもミズコブ

       沢にせり出してる実

 毎年、この実を落として生息範囲を広げていくミズなんだけど、沢に落ちる分は根を張れないので、マタギが代わりに引き取ります。

 100本採ったら終わりと決めていたんだけど、あっと言う間に予定数完了。

 これで帰るのも悪くはないんだけど、もう一つ見ておきたいものがあります。

 それが、

       山葵です

 春に葉を広げ、夏場に栄養を蓄え、根を太くしているはずなんですね。

 ただ、生育環境によっては、大きく育てないところもあるので、根元を触って確かめてみます。

 基本、よく葉が茂って、柔らかく深い砂地の場所では、いいワサビ根が育つはず。

       フム、なかなか良いねえ

 もう一株追加したところで、もう満足。帰ることにしました。

       ツリフネソウが咲いている

       これはヤマハッカ?

 そして、

       朝日が渓に届き始めた

       ミズ畑も輝き始めました

 ああ、気持ちよかった!

 K川の山の神様、楽しいひと時をありがとうございました。

 また、遊びに来ますね。


涼を求めてブナの森散歩

2024年06月24日 | 山菜採り

 本日は、夏至を過ぎて最初の休日。

 どうする?

 発芽というか、芽吹き系の山菜は、先日のN沢での月山筍採りで終了と言ってよいでしょう。

 だとすると、夏から秋にかけてのキノコ採りや、木の実が実る秋まで、しばらくお休みという選択肢も大あり。

 何てったって、巷では、超高温による熱中症アラートに加えて、県内全域にクマ警報が発令されているんだから。

 ただねえ、明日以降は本県も雨模様。

 いよいよ梅雨入りしそうなんですよ。

 だったら、その前に、もう少しだけ山遊びをしてもいいんじゃないかな、と思うのですよ。

 念のために言っておくと、本県のクマさん達は、今のところ、人の気配が分かっていたら場所を譲るぐらいの常識を持ってます(少なくとも山の中では)。

 だから、あらかじめしっかりと人間の存在を知らせておけば、襲われることはないと考えています(必要があったら別の機会に詳しく書きます)。

 となれば、問題は暑さ

 こちらは簡単に解決できます。

 海抜の高いところで得意の朝仕事をすればいいってことだ。

 ということで、日の出時刻を活動開始時間に設定して、H沢に出掛けることにしました。

 この沢は、S川と同じように、何でも採れるオールマイティーの山菜採り場。

 ただ、海抜が高い分だけ、春の始まりも遅いのだ。

 さすがに芽吹きの山菜は終わっていると思うけど、収穫は別にしても、さぞ気持ちよかろう。

 それでは、涼を求めて森林浴に出かけてみましょう!

 そうして、到着してみると、やっぱり、下界とは異次元の涼しさ。

       ブナの森が気持ちいい!

       迸る水は冷たく

       何度訪ねても癒される

       ヤグルマソウが花盛り

       ミヤマザクラ?

       さすがにエゾアジサイは、まだ

       サンカヨウは実になっていました

 そんでもって、

       アオミズです

 茎を戴く山菜です。アオミズは、食べ頃になっていたので、適量、戴きましょう。

 こうなるとやっぱり、アカミズも欲しいね。そちらの方も、少々戴いて・・・。

 これで、目的達成です。

 森林浴と、ちょっとの収穫。

 これだけで、あとは何もいりません。

       再びブナの森を引き返し

 車まで戻ると、

       ムラサキツメクサかな?

 春の終わりを惜しむように咲いていました。

 多分この辺りでは、間もなくマツヨイグサが咲き乱れるはずです。そうなると真夏です。

 ああ、気持ちよかった!

 やっぱり、早朝のブナ林には癒される。

 山の神様、気持ちの良いひと時をありがとうございました。

 また、遊びに来ますね。


筍の聖地 お三度参り

2024年06月21日 | 山菜採り

 本日は、月山筍の聖地N沢筍詣での3回目になる。

 前回との大きな違いは、『中3日』での出発になったこと。

 この短いインターバルになったのは、マタギの勤務日程の都合で、どうにも動かしようがない。

 そうなると心配なのが、自身の体力の回復

 前回、大量のタケノコを背負って歩き続けてみて、局所的な痛みや怪我はなかったものの、フラフラになって帰還したことは事実。

 そこから、しっかり回復できるかどうかが不安材料だった。

 でも、そこは2回続けたタケノコ修行。3日目には、ほぼ疲労回復した。

 やっぱり、繰り返しは大事だわい。

 そうして、もう一つの懸念材料が、タケノコを持ち帰った後の台所

 一部は瓶詰め保存にしたものの、近日中に調理しなければならないタケノコが、まだ大量に残っているのだ。

「この前の残りがいっぱいあってよう。今日採って帰ったらどうなるか心配なのよ。」

「俺もそう思って、この前の分から、良さそうなものを人に配って、残りを瓶詰めにしてきたんだ。」

 なるほど、流石はA氏。先の見通しを立てて行動している。勉強になりました。

 さて、N沢の様子はというと、

「やっぱり、裏山でのクマ騒動から、こっちさも人来ねぐなってのう。今日もガラガラだ。」

検問所の爺さんも諦め顔のようだ。

 ここのクマは、人との棲み分けが出来ているから、よっぽど変なことをしなければ騒動にはならないと思うんだけどなあ。

 さて、歩き始めて30分弱で最初の休憩地に着いた。

        もうすぐ夜明 タニウツギは満開

 ここまで追い越しも追い越されも全くなかった。珍しいことだ。

       渡渉点周辺の雪も全くない

 この辺りも、つわもの達が急登を前に気合を入れ直す場所なのだが、誰もいない。

       遥かに庄内平野を望み、第二の休憩所へ

       対岸の山の雪渓はほとんど消えている

 ここにも人はいない。

 本当に人がいないのう。

 この先は沢歩きが中心になる。

       ようやくスノーブリッジが現れた

 頑丈そうだったスノーブリッジも大分小さくなってきたので、末端部分と沢の上は慎重に渡る。

 前回の結果に加えて、この雰囲気だと、雪渓の消え際が一番の狙い目になりそうな気がする。

       いいタケノコだ

       伸び加減でもウラ折りにしていただきます

 ちょっと厄介なのが、

       他の植物が伸び始めたこと

 出始め、短めのタケノコが見つけづらいです。

 筍採りの大原則が、地面に這いつくばって見ること。そして、下から上に向かって見ることなんです。

 ところが、この強靭な竹林が、束になって邪魔しに来るんです。

 ここからは、竹藪対マタギの死闘ですね。

 全力で竹藪をかき分け、身体を獲物に向かって移動させる。

 それをさせまいと、竹藪と蔓植物が連携して邪魔してくる。

 非常に辛いのが、この格闘が、雪崩の落ちた上の急斜面で行われているということなんです。

 ちょっと間違うと、せっかく登った斜面からずり落ちてしまう。

 そうならないために脚力・腕力・背筋・腹筋を総動員しての戦いです。

 そして、なんとか満足のいく収穫になったところで、

「あと、降りるぞう!」

「分かったあ!」

なんとか安定できる場所を見つけて、収穫物をリュックに移したら下ります。

 こんな採り方が、今回のマタギたちのタケノコ採り。

 上の平に行くと、採り方が全然違ってくるんだけど、これで十分に満足できるから続けています。

 さて、川底周辺まで発生範囲が広がってきていることが予想できたので、それらしい場所でも収穫を重ねて下山です。

 「おい。サンカヨウじゃないか?」

「どれどれ?おお!」

 マタギは、疲れて周辺を観察する余裕がありませんが、A氏にはその余裕があるようです。

       今年初めて見た

       やっぱり美しい

 余裕のA氏は、出始めのウドも少々収穫しておりました。マタギは、もう十分です。

       ツガザクラも咲いています

 下り基調で1時間余り、

       再び庄内平野の見える坂の入り口に

 ここまで来たら月山筍礼拝の旅も最終盤です。あとは、1時間弱、気を抜かずに下るだけです。

 今年も無事に月山筍採りを終了することができそうです。

 N沢の山の神様、沢山の喜びを、今年もありがとうございました。

 来年になるか、来週になるか分からないけれど、これからもよろしくお願いいたします。