ポケットをたたくとビスケットは2つ。も1つたたくとビスケットは3つ・・・。
こんな童謡がありました。当時、ひねくれガキだったマタギは、「そんなことあるわけないだろ。あるとしたら、ポケットを叩いたら中のビスケットが割れて、数が増えただけじゃないか。」ぐらいに考えていたものです。
ところが、本当にあるみたいなんですね、不思議なポケット。いや、不思議なボールのお話です。
1週間前に採ってきたフキノトウ。
雪の消え際から採ってきた黄色い妖精達
これを、毎日刻んで味噌汁に入れて、春の味と香りとを楽しんでいたんですよ。ところがですね、
ボールからはみ出しつつある!
食べて減らしているはずなのに、増えてるんです。正に「不思議なポケット」ならぬ、「不思議なボール」。
これは、自然からの恵みを大切にしてきた正直爺さん(嘘です)に対して神様が与えて下さったミラクルプレゼント?そんなわけないですよね。
・・・賢明な読者の皆様は、既にお気づきのことと思います。水にさらしてあったフキノトウが、このところの陽気に誘われて成長してしまったようなんですね。ボールから取りだしてみると、茎が伸びて花が開こうとしているのが分かります。
う~ん。そろそろ天ぷらにしようと考えていたんだけど、大きくなり過ぎかも。
ポクポクポクポク チ~ン
≪フキノトウの天ぷら(花と茎を分けたバージョン)≫
我が家で「フキノトウの天ぷら」と言ったら、丸ごと揚げるのが当たり前なんです。でも、最近知った情報によると、花芽を取り外してしまう調理法もあるらしいんですね。それによって、仕上がりや旨みがどう違ってくるのか確かめてみたかったのですが、今回の状態だと、それを確かめる絶好のチャンスみたいです。
下ごしらえの部
・軽く洗って水を切ります
・伸びはじめたフキノトウを、花と茎とに分けます
左が花で右が茎です
調理の部
・フキノトウの準備ができたら衣を作ります
※冷水120mlにマヨネーズ30mlを加えてよく混ぜたところに、薄力粉180mlをふるいかけて、ざっくりと混ぜます
こんな感じ
・「花の部」と「茎の部」とに分けて、160℃で揚げてみました
※前半は手出ししない。揚げ玉はこまめに取る。
まだまだ気泡が大きい。じっと我慢
・浮いてきて泡が小さくなってきたらひっくり返して、更に泡立ちがおさまったら出来上がり
※出来るだけ縦に置いて油分を落とします
出来上がりです
手前側が「茎」で、奥側が「花」です。
それでは、早速戴きましょう!
「茎」の方は、フキ独特の風味を堪能できます。「花」の方は、揚げたにも拘わらず、フキノトウ独特の苦みを少々残しています。こちらはこちらで、(花芽の)フキノトウの個性を堪能できます。
「どっちも美味しいけど、私は花の方が好み。」
「俺は茎が好みだなあ。」
などと言葉を交わしながら、本日もフキノトウ料理を楽しむことができました。
1つの収穫物が大きく成長し、しかも、2つの異なった味わいの料理を楽しめる。考えてみれば、これは「不思議なポケット」の上を行ってるんじゃないですか。
これからの色々な収穫物も、「不思議なボール」を使って試してみると面白そうな気がします。