山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

キノコがダメならコクワパイ

2024年10月30日 | 山菜料理

 本日の山遊びは、完敗。

 全くの手ぶらでの帰宅となった。

「ナメコの親分(ハナイグチのこと)、全然出ていなかった。」

「いいんじゃない。キノコ、いっぱいあるし。それに、冷蔵庫のサルナシ、熟してきたみたいよ。」

言われてみれば、その通りで、在庫のキノコの量は半端じゃないし、先日採ってきたサルナシの残りが、まだ結構あったんだっけ。

 サルナシですか。だったら、スイーツですね。

 収穫物がないと、その後の下処理時間が全くかからないから時間をたっぷり使える。

 よし、久しぶりに手間のかかる料理で遊びましょう。

 その名も、コクワパイだ。

 コクワとは、サルナシの別名で、マタギはそんなに使わない言葉だけど、A氏なんかは、こっちの言葉で呼ぶことの方が多いみたい。

 で、今回の命名は、なんとなくこっちの方が似合いそうな気がするから。

 どれ、早速始めますか。

 今回は、時間があるので、パイ生地から始めます。

 ・バター100gをさいの目に切って

 ・強力粉と薄力粉各60gを塗して

 ・ゴムベラでバターを細かく刻んでいきます。いい加減飽きてきたら

 ・水48gを加えてまとめにかかります

 ※生地の材料は、5:3:3:2.4(バ:薄:強:水)の割合(本日はバター100gを5と見ています)

 ・ある程度まとまったら

 ・ラップに包んで平らに伸ばして冷蔵庫で1時間冷やします

 ※市販のパイシートと同じで、冷やすと次の作業が楽になる

 ・その間にサルナシの皮から実を掬い出しておきます

 ・冷えたパイ生地を伸ばして三つ折り。向きを変えて同じ作業を5回ほど繰り返します

 ※強力粉の打ち粉を敷きました

 ・最後に厚さ5mm程に広げたら

 ・適当なカップで型抜き遊び

 ・卵黄を塗って

 ・内側をくり抜いた輪っかを重ねて、全体にもう一度卵黄

 ※クッキングシートに移動してから塗った方が楽だと思います

 ※手前のチビちゃん達にはグラニュー糖をたっぷりかけました

 ・190℃のオーブンで20分焼いたら

       いい色に焼けましたよ

 ・冷めたら真ん中のくぼみに

 ・生クリームを絞って

 ・お好きなようにコクワをトッピングします

       欲張るとカッコ悪い

       このぐらいの方が好みです

 なんとかお昼に間に合ったので、デザートにいただきました。

 もちろん、美味しいです。天然キウイは、甘酸っぱくてキュートな味わいでございます。

 ああ、おいしかった!

 捨てる神あれば、拾う神もあるってことね。

 山の神様、御馳走様でした!


山の幸のフルーツタルト

2024年10月23日 | 山菜料理

 朝の散歩で戴いてきた山の幸、サルナシ

 これはジャパニーズ・ネイティブ・キウイね。

 可愛らしいサイズですけど、実を切り分けると、味も見た目も正にキウイです。

 完熟したものを選んで、スプーンで果肉を掬い取ってみた。

       美味しそうじゃないの!

 このまま食べても美味しいんだけど、もうひと手間かけて更に美味しくしたくなった。

 何にするかって、フルーツタルトですよ。

 食べたことはないけれど、絶対に合いそうだと思うんだなあ。

 こういう時は、善は急げだ。

 早速始めましょう。

 ・ビスケット1箱分(120g程)をジップロックに入れて

 ・麺棒で丁寧に潰します

 しかし、このジップロックってありがたい。冷凍保存は勿論だけど、山ブドウを潰す時も、今回みたいな時にも、丈夫だし散らからないから、とても重宝します。

 これを発明した人にノーベル賞をあげたい。

 ・無塩バター70gを耐熱容器にとって

 ・600wで1分レンチン

 溶けたところに、

 ・砕いたビスケットを入れて、よく混ぜます

 ・クッキングシートを敷き詰めたタルト台に広げて、180℃のオーブンで15分

  ちょっと脆かったんだけど、香りはとてもいいです(クッキングシート要らなかったかも)

 ・カスタードクリームはいつも通り

 ※卵1個に牛乳1本分と砂糖30g薄力粉15gにバニラをよく混ぜて

 ・電子レンジで500w2分半(混ぜて)+2分

 驚くべき簡単さで出来上がります。

 電子レンジを発明した人にもノーベル賞をあげたい。

 ・これをタルト生地に塗ってしっかり冷まして固めます

 ・お好きなだけネイティブキウイを載せて出来上がり

 ちょっと見た目はよくないんだけど、これ、すごく美味しいです。

 家族も大喜びで食べておりました。

 この季節には、こういう洒落た山菜料理が楽しめるから嬉しいねえ。

 山の神様、豊かな山の恵みを、ありがとうございました。


これぞ山ブドウエキス

2024年09月15日 | 山菜料理

 『海鮮BOX』を美味しく食べ切ることができたところで、A氏とU川流域に山ブドウ採りに出かけた。

 例年収穫させていただいている山ブドウの藪は、それほど成長していないか、実りそのものがない感じ。

 じゃあ、海抜高度を上げれば、よく実っているかと言えば、それほどでもない。

「月山の方が、よく実っているかなあ。」

などと言いながら山道を下り、A氏が最近見付けたという藪を当たってみる。

 潜り込んでみると、

       おお、これは!

       食べ頃と貴腐葡萄と成長途上が混ざった房  

 そして、驚きなのは、山ブドウの生育地としては、最も低い場所だということ。

       驚きの山ブドウの株

 森林の周囲を包むつる植物の群生をマント群落と呼ぶ。

 で、山形の場合、低地のマントは『クズ』が形成し、高地では『山ブドウ』が形成する。

 言い換えると、温暖な場所はクズで、寒冷な場所は山ブドウというように棲み分けがなされているのだ。

 そんな中で、ある意味最も不適な場所の株が、実をたわわにつけているというのは、不思議な現象だ。

「場所のせいかねえ。日当たりかねえ。」

「場所によるのは確かだね。」

 ま、理由は追い追い解明していくことにしましょう。

 そういうわけで、この株だけで十分に収穫が出来てしまったので、満足。

 帰宅して山ブドウの調理にかかる。

       即戦力(右)は、1.4kg

       例によってジップロックでプチプチ潰し

       3回に分けたら、驚くほど簡単に完了

       今回は、同量の1.4Ⅼの水を加えて

       沸騰しないように20分煮詰めて

       冷めるのを待って濾したら、砂糖280gを投入、加熱

 エキスがすっかり冷めたら、

       保存用のボトルに移していきます

       二番煎じも詰めたら3Ⅼ弱になりました

 そして、夕食で、

       ハンバーグとペアを組んでもらいました

 これ、非常に旨い!!!

 どこがって言うと、赤ワインになり切っているんです。 

 肉料理を一口二口楽しんだら、クイッと口に含んで飲むと口中が爽やかに。

 口飽きすることなく肉料理を楽しむことができます。

 前回との大きな違いは、砂糖の割合ね。

 前回は、ブドウと水と砂糖の割合が、5:10:3

 今回は、  5:5:1

 ブドウが濃い目、甘さ控えめです。

 計算すると、糖度としては、最終的に15ぐらいなはずなんだけど、酸度も高いから、いいバランスになったのではないかと思います。

 この割合、保存版ですね。

 これをベースにして、砂糖の割合を上げればジュースにもなるはずだから、今回の3Ⅼを使って、色々試してみようと思います。


2年ぶりの山葡萄ジュース

2024年09月10日 | 山菜料理

 久しぶりの山ブドウの収穫。

 こちらは、2年ぶりだ。

 先月のトビタケをはじめとしたキノコもそうだったけれど、2年ぶり、3年ぶりに再会できると、喜びもひとしおだ。

 何回も書くけれど、今、温暖化のために生態系が大きく崩れつつあります。

 『100年に一度の・・・』とか、『これまで経験したこのないような・・・』みたいな災害も、もちろん心配だけれど、これまで普通に生息していた種が絶滅してしまうことの方が、更に恐ろしいことです。これは、何万年、何億年もかけて築かれてきたものが瓦解しようとしていることの象徴なのですから。

 おっと、話が大きくなり過ぎたぜ。

 とにかく、久しぶりの収穫は嬉しい。

 美味しく調理しましょう!

 で、山ブドウと言ったら密造酒、じゃなくて、山葡萄ジュースですよ。

 久しぶり過ぎて、作り方をほとんど記憶していないんだけど、やってみます。

 ・・・こういう時に、過去の記録が役立ちます。

       房から実を外したら400gありました(即戦力)

       未熟な粒は冷蔵庫で待機(来週の収穫の頃までに熟して使えるといいな)

 ・山葡萄を潰します

 ※2年前に、岩手県の山ブドウ生産地のやり方を見てから真似している方法で

 ・ジップロックに詰めて、封をしたら

 ・体重をかけて潰していきます

 これ、すごく簡単で助かります。やり方も覚えていました。

 ・水600mlを加えて加熱します

 ※90℃以上、但し95℃を超えない(沸騰しない)ように火力を調節しながら20分間

 ・その後、冷めるまでゆっくり待ちます

 色が変わってきました。

 ・冷めたら、ガーゼで濾して絞っていきます

       すっかりワイン色です

       もう少しです

 ・絞り切ったら絞りかすに水200mlを加えて

 ・軽く加熱

 ※結構ブドウエキスが残っているので、それを使いたい

       今回は、絶対量が少ないので最初のエキスと合流させました

 ・砂糖240gを加えて溶かし切ったら、冷めるのを待って

       容器に移して出来上がり

 既に、台所中に山葡萄のいい香りが広がっています。

 さて、お味の方ですけど、意外や濃厚ですね。

 実は、山ブドウの収穫が少なかった分、水の割合を若干多めにしてみたんですけど、十分に山ブドウの風味を楽しむことができます。 その点は良かった。

 ただ、これはジュースですね。 当たり前の話なんだけど、ワインではありません。

       気分だけは赤ワイン。されど、

 お子ちゃまも喜ぶ、甘さ十分のジュースです。

 だからと言って、砂糖を減らしても美味しくならないんですよね。

 ただ、赤ワイン効果(肉類をスッキリ食べられる)は、もっと出せると思うんだなあ。

 まあ、今回は、これで良しですね。

 次回、収穫が多かったら、濃度や味付けに工夫を加えてみようかな。

 とにかく、美味しくできて良かった。

 月山の神様、ありがとうございました。

 それでは、また、この次!


秋山の幸に舌鼓!

2024年09月08日 | 山菜料理

 久しぶりの山遊びでは、身も心もリフレッシュできた。

 森林浴も、勿論気持ちいいが、この時期の沢歩きは、爽やかに冷たくて堪えられません。

 その上、お土産を戴いて帰れるんですから、この上ない贅沢と言って良いかもしれません。

 で、今回のお土産その1

       ミズコブの枝100本

 ここから、丁寧に葉っぱを外していくと、

       チョコレート色のミズコブが並びます

       今年は成長が良い

 いつもだと、100本で、丁度1週間食べる分くらいになるんだけど、今回は一粒一粒が大きいので、いつもより少々多めです。

 それに、既にひげ根が生え始めているものが多い。

 つまり、種として成熟しているということ。

 普通の年は、もう少し秋が深まって、茎からポロリと落ちる頃に起きる現象なんだけど、今年は成長のための条件が十分そろったということでしょう。

 さて、今回は、醤油漬けにしていただこうと思います。

 そのままだと茎が長いので、食べやすい長さに切り分けたら、

       沸騰したお湯に投入

 間もなく、美しい緑色に変身します。

 今回は、粒が大きめだったので、しっかり火が通るまで少し長めに茹でました。

       水にさらして冷ましたら

       出汁醤油と顆粒出汁で味付け

 ※醤油漬けと言っても、素材の味を大事にしたいので、ツユの濃さは、かけ蕎麦レベル(1:3)

       これで、全体の約半分

       残りは真空パックにしてチルドで出番待ち

 続いて、お土産その2です。

       ワサビ根なんだけど

 ちょっと多かったかも。

 まあ、採ってきた以上、最後まで美味しく戴きますよ。

 本日は、純粋におろしワサビのみを楽しみます。

       先ずは、今日使う分の皮を剥いて汚れを落とします

       急がず丁寧に鮫皮おろし

       涙出るう! 指つるう!

       準備OK ラップで密封!

       本日の夕食の一部

 先ずはミズコブ

 優しく甘い味は、薄口の出汁によく合います。

 そして何より食感です。

 コリッとしていて口の中ではトロっととろける独特の美味しさ。

 これが堪らんのよ!!

 更にワサビなんだけど、これは、

       おかず要りません!(食べかけ御免)

 ああ、幸せ!

 いよいよ、秋の収穫物が食卓に並ぶ季節がやってきましたね。

 山の神様、本日はご馳走様でした。

 この秋も、よろしくお願いいたします!