その正体不明のペットボトルに入った飲み物には
「drink me!」という手書きのラベルが貼ってあった
昔、サルスベリーのウサギの穴に落ちた時も同じボトルを
見たことがあった
「確か、これを飲むと体が小さくなって、闇への扉をくぐり抜けられるはずだ」
それは芋焼酎の味がした
飲んだとたん、俺の意識は薄れていった
卵のように小さくなった俺は
闇の坂道をどこまでも転がっていった
俺の周りには原子爆弾の熱と放射能で
バラバラになった分子や原子が光りながら踊っていた
それは夜中に見かける猫のダンスに似ていた
石炭ストーブの匂い、昭和30年代のモータウンサウンド
笠置シズ子の買い物ブギ、自転車で売ってるアイスクリン
それらをBGMにして俺も猫のダンスを踊った
「これは世界の始まりと終わりだ、世界はいつも踊っているのだ」
俺たちはDNAの踊りにまかせて闇の坂道を転がる
夢遊病者みたいなものだ
踊り続けて穴の底まで落ちた俺の耳の上に
稲佐山からの風が涼しく吹いてきた
「ここは【世界の終わり】だ、同名の音楽バンドとは無関係だ」
大浦天主堂からの神の声はそう言っていた
「drink me!」という手書きのラベルが貼ってあった
昔、サルスベリーのウサギの穴に落ちた時も同じボトルを
見たことがあった
「確か、これを飲むと体が小さくなって、闇への扉をくぐり抜けられるはずだ」
それは芋焼酎の味がした
飲んだとたん、俺の意識は薄れていった
卵のように小さくなった俺は
闇の坂道をどこまでも転がっていった
俺の周りには原子爆弾の熱と放射能で
バラバラになった分子や原子が光りながら踊っていた
それは夜中に見かける猫のダンスに似ていた
石炭ストーブの匂い、昭和30年代のモータウンサウンド
笠置シズ子の買い物ブギ、自転車で売ってるアイスクリン
それらをBGMにして俺も猫のダンスを踊った
「これは世界の始まりと終わりだ、世界はいつも踊っているのだ」
俺たちはDNAの踊りにまかせて闇の坂道を転がる
夢遊病者みたいなものだ
踊り続けて穴の底まで落ちた俺の耳の上に
稲佐山からの風が涼しく吹いてきた
「ここは【世界の終わり】だ、同名の音楽バンドとは無関係だ」
大浦天主堂からの神の声はそう言っていた