河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

最後の晩餐 皿うどん(揚細麵)

2016年02月25日 | ZIZY STARDUST
「八田二郎さん、じゃあ、これからCTにかけます」

「CTって輪切りにして写す立体的なレントゲンですよね」

「普通のCTはそうですが、この機械は『カッパ・トランスフォーマー』
といって輪切りにしてダルマ落としのように人体とカッパを入れ替えます。
今回はカッパである八田二郎さんをカエルに入れ替える予定でしたが、
あなたの体の動きが遅すぎるので、おそらくカメに変換されます。
そういう指示書が来ています」

「ありがとうございます。じゃあ、これからは、ワンルームのマンションの部屋も不要で
メダカの水槽に住んでイトミミズとかを食べてればいいんですね」

「そうですね、上あごの海が瀬戸内海からエーゲ海まで貫通してますから
もう固い物を噛むのは無理でしょう、イトミミズかボウフラくらいが限度でしょう」

「じゃあ、わたしは明日からカメとして瀬戸内海とエーゲ海を自由に行き来できるわけですね」

約10分間、CTのトンネルの中を往復するうちに、
八田二郎は全身緑色になった。

八田二郎はまだ歯が残っているうちに、
最後の晩餐として、病院の地下の食堂に固い揚げ麵の皿うどんを食べに行った。
医者のふりをして職員定食の食券を買おうとしたら店員さんに制止された。

皿うどんを食べ終わる頃には、もう指も思うように動かなくなり、歯も消え去り、
人間としての意識もほとんど無くなり、完全にカメになっていた。

「あれー、さっきのお客さん、ペットのミドリガメを忘れていってるよ。
一階の受付に届けてこようか」






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