死ぬまでにあと何種類の食べ物にありつけるんだろう、とつぶやいてから
早10年以上経っちゃってるような気がします。
じゃ、 10年間、次々とまだ味わっていない新たなものにチャレンジしてきたかというと
なかなかそうもいかなくて、同じものを繰り返してしまう傾向にあります。不本意ながら。
ハーゲンダッツの新作を次々と賞味しても、結局クッキー&クリームが食べたくなってしまうような、
新規開拓欲と、うまいもんはもっと食べたい欲との間で生きているんですよね、人は。
そんなわけで、未だ、食べたことのないもので世の中は溢れています。
けっこう実は有名なものでも、名前すら知らなかったりする。
最近、お土産にいただいたこれも、存在すら知らなかったものです。
なんというか、、、包みを開けたとたん、思わず黙ってしまいました。
どう驚いたらよいのかもわからない。
それぐらい存在が遠すぎるものでした。
間違いなく日本のものだし、
日本人しか食べないであろうシロモノなんですけどね。
冷静になって、但し書きを読んでみて、また思わず黙ってしまいました。
とんでもない毒物じゃぁありませんか。
それが、特定地方の特定な処理方法によって、
それも時間をかけた処置によって、
毒がなくなっている、と言い張っている。
しかも
毒がなくなる理屈はようわからんが、と言い切っている。
誰が確かめたんか!!!???
ひとつひとつ全部確かめられるんか?
全部位確かめるのは無理だろうが?
けっこうな量の塊だが、
これ毒気がちょっとでも残ってたら危ないんちゃうか???
ま、そんなに興奮するなら食べなきゃいいじゃないかと
思うでしょう、皆様、そんなわけにはいかない。
だって、その毒抜きのキーポイントは、「乳酸菌」なんですよ。
わたしの大好物じゃないですか。
日々乳酸菌を育てるのが趣味なくらいの好物ですよ。
正直海鮮珍味は「このわた」を超えるものはそうそうないと思っているし、
フグというものにときめいたことがない。
そんな私がわざわざ、フグの卵巣に執着する理由なんてないんですよ。
でも、乳酸菌は見過ごすわけにまいりません。
乳酸菌が、致死毒を無毒化してしまう、などというテーマ、
まさに私のライフワークといってもいいすぎではない、
菌世界のミラクルではありませんか。
たとえ、なんかの間違いで、無毒化していない部位が口にはいり、
命落とすようなことがあっても、
それが乳酸菌の研究のためのなにかしら役立つデータのひとつになるならば、
堂々とこの世を去りましょう。
そのためには、死因がフグ毒であることをしっかり証明しておかねばなりません。
まずこのお土産をくださった方は大事な証人です。
さらに直前に食べたという証拠にするため、画像はインスタにアップです。
やはり道連れは必要ですので、共に食す人がいなければなりません。
しかも共に食す人が料理までしてくれることになりました。
その人はすでにこの物体を別の場所で口にし、生きています。
そして、そのときに知った味を元に「この料理しかない」と決めておりますた。
「フグ毒のパスタ」、あ、間違えた、「フグ子のパスタ」です。
ペペロンチーノに、からすみやトリュフのように添えたら最高に違いないというのです。
それって、白いご飯にチョン、に比べて、
大量のフグ子を摂取しますよね?本当にいいんですか?迷いはないんですか?
ぞうもつがビクビクしながら、前菜を用意している間に
シェフは大量のパスタを茹で、オリーブオイルにニンニクと唐辛子を落とし、
あっという間に作り上げてしまいました。
しかも、パスタ全体にフグ子を絡めた上に、さらにフグ子をトッピングです。
糠臭がたまりません。ぞうもつの琴線(菌線)は震えっぱなしです。
あとは勇気だけです。
そもそも同居の老猫以外にこの世に未練はありません。
さぁ、いざ!!!
(うま・・・うますぎて・・・写真撮るのわすれた・・・・)
※このお楽しみはすでに1週間以上前の出来事です。
私も猫もシェフも元気です。
おいしゅうございました。ステキなお土産ありがとうございます。