細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『この愛のために撃て』やはり男の愛は体力なのだ。

2011年07月14日 | Weblog

●7月13日(水)13−00 六本木<アスミック・エース試写室>
M−082『この愛のために撃て』A  Bout  Portant (2010) LGM films / gaumont 仏
監督/フレッド・カヴァイエ 主演/ジル・ルルーシュ <85分> ★★★☆
パリの病院勤務看護助手の、出産間近の妻が誘拐された。
要求は、事故で入院している強盗犯の身柄と引き換えに、妻は返すというのだ。
警察の警備の厳しいなか、3時間のタイムリミットに、彼は重傷の男を強引に病院から連れ出した。
無茶な話を、まったく脇目もふらずに強行するのが、監督の前作「すべて彼女のために」同様に強引だ。
追う側の警察内部でも、この事件に絡んだ署内汚職もあって、ふたつの部署が彼らを追うことになる。
そのややこしい事情はともかく、映画はがむしゃらに撃ちまくり暴走するのだ。
パリ市警といえば、知性的なメグレ警部がいて、かつて名推理で静かに犯人を追ったものだが、今やこの有様。
すべてはハリウッド的なスーパー・バイオレンスで押しまくるから、こちらも疲れる。
複雑な警察内の階段や病院内部の迷路、おまけに煩雑としたパリの裏通り。とにかく汚くてむさ苦しい。
おまけに見知らぬ無精なフーリガンのような男たちの凶暴な果たし合いを見ていると、古き佳きフランス映画が恋しくなる。
ま、特急列車のようなノンストップ・アクションは、85分で切り上げてくれたのが、せめてもの救い。
「この愛のために走れ」。本当におつかれさまでした。とスタッフに言いたい。

■ショートゴロを、野手が暴投して、ランナーは無謀にもサードを狙いタッチアウト。
●8月6日より、有楽町スバル座などでロードショー