細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『くまのプーさん』ああ、実に半世紀ぶりのリニューアル登場だ。

2011年07月22日 | Weblog

●7月21日(木)15−30 目黒<ウォルト・ディズニー試写室>
M−086『くまのプーさん』Winnie the Pooh (2011) walt disney studio
監督/スティーブン・アンダーソン+ドン・ホール 日本語版<64分> ★★★☆
原作の童話は1926年のイギリス産。A・A・ミルン。
そのアイデアに惚れ込んだウォルト・ディズニー本人が1960年代に短編として制作したのが、彼の最期の仕事だった。
その後も短編として数本が制作されて、劇映画の前座として70年代まで上映されていた。
今回、そのオリジナルのエッセンスを忠実に再現した作品を復元リニューアル。
おそらくディズニー本人の好みが凝縮された作品として、大変に貴重なアニメーションである。
ストーリーも表現も実にシンプル。ただ食いしん坊のくまのプーさんが好物の蜂蜜を探して徘徊するだけ。
しかもこちらは「カンフーパンダ」のように暴れ回らない。パンダのポーさんでなく、くまのプーさんなのだ。
ま、ノスタルジーといえばそれっきりだが、われわれ高齢者には、このプーさんの方が穏やかで親しめる。
オリジナルの絵本のように、オールドローマンのタイポグラフィーが、そのままアニメの素材になるのが新鮮だ。
ストーリーの文字が、キャラクターと合体する。このアイデアが素晴らしい。
珍しく悪人キャラも出ない、いかにものどかな2Dアニメも、いまは逆にほっとするものだ。
たまには、いまの子供たちにも、これだけノホホンとしたアニメも見てほしい。

■意表をついた絶妙のバントがサード前でストップ、悠々のヒット。
●9月3日、全国ロードショー