細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

虚夢

2008-09-07 12:14:06 | 読書メモ や・ら・わ行
虚夢 著者  薬丸 岳

≪内容≫
娘を殺した犯人が
目の前を歩いている


愛娘を奪い去った通り魔事件の犯人は「心神喪失」で罪に問われなかった。
運命を大きく狂わされた夫婦はついに離婚するが、事件から4年後、元妻が街で偶然すれ違ったのは、忘れもしない「あの男」だった。




―――統合失調症とは簡単にいうと、脳の働きに障害が出る病気だそうだ。
人間の思考や行動、感情をひとつに統合する能力が低下して、知覚、思考、感情、意思といった精神の働きが円滑に行なわれなくなってしまい、幻覚やもうそうやひどくまとまらない行動をしてしまうようになるという。

―――動機が理解しがたい犯罪や、限りなく極刑に近い判決が出されるであろう凶悪犯罪が発生すると、必ずといっていいほど精神鑑定という言葉がでてくる。・・・(中略)・・・人を殺そうとする時点で、その人間の精神は病んでいるのではないだろうか、ということだ。それは犯行時の瞬間的なものかもしれないが、正常な精神ではないから人を殺せるのではないのか。

(本文より)