二鶴工芸です。
糊の調合です。
箔を接着させるための糊(樹脂)です。
現在はアクリル系の合成樹脂がほとんどです。
合成樹脂が開発される前は膠、ふのり、米糊など天然の接着剤を使っていました。
私が入門した時にはすでに合成樹脂を使っていました。
染料店でも最近は箔下用バインダーとかいってビギナーでも使える糊を販売しています。
糊は加工する技術や扱う箔によって使い分けします。
接着力が強いものから弱いものまで幅広くあります。
最近のものはほぼメーカーが使いやすく用途によって調合しているので、そのまま使えるようになっています。
我々職人はその糊をカスタムして自分が使いやすいようにさらに調合します。
なので個々に使う糊や配合も違うわけで、正解はありません。
画像の右下のように、本来は乳白色で乾くと透明になります。
黄色いものは糊にゴールド系のパール粉を混ぜています。
色々理由はありますが、乾いた後に色が付いているので糊の部分がわかりやすくなるのと、摺箔といって型紙、またはシルクスクリーン型を使って紋様を箔を貼る場合には糊に粉が入っていると糊が硬くなって紋様の形が綺麗になる(多少立体的になる)要素もあります。
糊そのものを硬くする補助剤もあります。
またパール粉ではなく胡粉を混ぜる方もおられます。
他にも理由はありますが、マニアックすぎるためやめておきます^_^;
この4点はそれぞれ用途も異なり、硬さと接着力も違います。
金彩職人は箔を扱う技術も必要ですが、糊をコントロールする能力も重要だと思っています。