二鶴工芸のきままなブログ

京都で呉服に金箔を装飾する金彩工芸の職人です。
仕事のうんちくや商品説明等きままな事を更新していきます。

京もの認定工芸士会「響」第2回工芸展 ライブ配信初日 ありがとうございました!!

2021年09月24日 | 日記

二鶴工芸です。
昨日、京もの認定工芸士会「響」第2回工芸展 ライブ配信初日でした。

初日はMKタクシー様からのインスタライブ。
ご視聴いただきましたお客様、誠にありがとうございました<m(__)m>
初日は私も作品の解説ということで、拙い話にお付き合いくださりありがとうございました。
自分で話ながら「何、同じこと話してんねん!!何、つまってるねん!!」とか心の中で叫んでいました(^_^;)
数年前まで競技スポーツをしていて心拍数が上がることには慣れているはずなんでしたが、離れるとやっぱりダメですね~(>_<)
普段の生活で緊張するということが少なくなってきましたので。
週明けに決まっていた講演会が宣言の延長で来月に延びましたが、そこに向けて今回良い経験ができました。
というか良い緊張感を思い出しました!!

ライブ配信は26日まで毎日開催されますので、お時間ありましたら是非ご覧ください!!

ということで、ライブ配信をご覧いただけなかった方に向けて、今回出品しました私の作品の説明をこの場でしたいと思います。
作品は金彩のみで加工しました染帯「金彩流線色紙」になります。
この帯の最大のポイントは実は染める前の白生地の段階に金彩加工を施していることです。
金彩加工は染め上がったものに加工する後加工が通常です。
この加工はセオリーではない工法になります。
加工は金泥の摺り込み加工といって、今回は3色の金泥を使っています。
丸刷毛を使い、金泥を摺り込んでいく加工です。

そもそもこの加工は仕上がりの光沢が渋くなります。
この作品は、その光沢をより変化を付けて金彩の濃淡で表現しようと思いこの工法を選択しました。
一般の方もですが、染織に携わっている方にも、こんな工法もあるということを知っていただければ幸いです。
この工法は私のオリジナルということではなく、染め方そのものは昔からあり、金彩が傷む可能性があり、リスクが大きいので好んでされている関係者はあまりいないようです。
この工法の特徴は先に加工した金彩部に地色を染めた染料が僅かに染まり、蒸しという高温の蒸気にも晒されるので金彩部が妙味な光沢に変色することです。
その染め上がった金彩部の一部分に先に加工した同じ金泥で加工しています。
作品の少し光沢がある部分です。
同じ金泥を使っているのですが、よりマットに変化した光沢と金泥本来の光沢との金彩部の濃淡がこの作品のポイントになります。
地色の染めは弟の染工房 正茂にしてもらい、傷みもなく上手く染めてもらいました。
これが慣れていない方だと傷むおそれがあります。
もちろん、加工後に染めるということで耐水性のある糊(接着剤)を使わないといけないので、この作品には通常加工では使っていない糊をカスタムして使っています。
赤い部分は赤色の金属粉を混ぜた金泥を使っています。
背景の水玉のような吹雪紋様は型を使って加工しています。その金泥も同じくカスタムした糊を使用しています。
金彩というとどうしても煌びやかなイメージになりますが、このようにより渋い表現も可能です。
全く展示会映えしない作品にはなりましたが・・・。
長々となりましたが、以上が解説になります。

以下、本日以降のスケジュールです。


※本展に参加する12分野21人の職人すべての作品を9/23(木)~26(日)の4日間に分けてご紹介します。
※展示作品紹介は10:00~ よりお送りします。
※24日(金)~26日(日)の15:00~は実演のライブ配信(25日(土)は工房から配信!) を行います。


▽24日(金) スケジュール

10:00~、15:00~ともに京都伝統産業ミュージアムさんのInstagram @kyotomuseumofcraftsanddesign から配信します!!

『箔図』-視覚で感じる京扇子-
☆京扇子(箔押し)米原康人
@yonehara_sensu_hakuoshi

『LinNe Myo』
☆京仏具(鳴物鋳造)南條和哉〈南條工房〉
@linne_orin

『コンチキチン(金銀彩蓋物)』
京焼・清水焼(絵付)並川昌夫〈小手鞠窯〉
@kodemarigama

『花輪蒔絵小箱』
京漆器(蒔絵)水内倫子

『蒔絵グラス「烈」』
京仏具(蒔絵)關敬介〈蒔絵 毛玉屋〉
@kedamaya.makie

『灰被り 壺』
☆京焼・清水焼 柴田恭久〈柴田窯〉
@shibatagama

★15:00~のライブ配信(実演)
☆京焼・清水焼 柴田恭久〈柴田窯〉

▽25日(土) に紹介する作品・製作者(職人)

10:00~は、京都伝統産業ミュージアムさんのInstagram @kyotomuseumofcraftsanddesign 15:00~は、このInstagram @kyomonohibiki よりお送りします!!

ベビー畳ベッド『Coteri(こてり)』
☆京たたみ 太田成樹〈太田畳店〉
@shigekioota

印章『永受嘉福(えいじゅかふく)』
☆京印章 河合祥子〈河政印房〉
@kawamasa_inbou

印章『一統太平世界(いっとうたいへいせかい)』
☆京印章 河合良彦〈河政印房〉
@kawamasa_inbou

織額『伏見稲荷大社』
☆西陣織(爪掻本綴織)中尾友美
@tapestry.nakao

裂『手織本金箔通 遠山』
☆西陣織(金襴)平居幹央〈織匠平居〉
https://www.facebook.com/orisho.hirai

『塗香入(ずこういれ)』
☆京都の金属工芸品 小林達也〈小林錺金具工房〉
@kobayashi.kazari

★15:00~のライブ配信(工房中継)
☆京都の金属工芸品 小林達也

▽26日(日) に紹介する作品・製作者(職人)

京都伝統産業ミュージアムさんのInstagram @kyotomuseumofcraftsanddesign から配信します!!

『ピーターラビット™ 染帯』
京友禅(手描友禅)佐藤稚子〈佐藤織物(株)〉
@sato_orimono

『京銘竹袖垣 雲龍』
京銘竹(竹垣)真下彰宏〈長岡銘竹(株)〉
@nagaokameichiku

『紬(つむぎ)2Way バッグ』
京友禅(引染・ぼかし)古橋敏史〈古橋染工〉
@kyotohikizomeya

『波網代編飾筥(なみあじろあみかざりはこ)』
☆京竹工芸(竹編)細川秀章〈竹工房喜節〉
@takekobokisetsu

『翠簾(みす) 亀甲編み』
京の神祇装束調度品 前田平志朗〈京都みす平〉
@kyoto_misuhei

欄間(らんま)『木彫漆箔一刀彫欄間 唐獅子と牡丹』
☆京仏具(箔押し)藤澤典史〈京金箔押常若〉
@kyokinpakutokowaka

★15:00~のライブ配信(実演)
☆京仏具(箔押し)藤澤典史〈京金箔押常若〉
@kyokinpakutokowaka





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