二鶴工芸です。
昨日に続きうんちくです
昨年に箔を接着させる糊(樹脂)の説明を記載してましたね。
以下の文章です。
金箔を装飾、加工するにしましても接着させないといけません。
それには糊(接着剤)が必要です。
その昔は膠、ふ糊、でんぷん糊等、天然の素材の糊で接着させていました。
これは日本画の技法から用いられたと思います。
当時は単に接着すればよい時代でしたので風合い、柔らかさ等問題無かったと思われます。
時代は流れ研究、試験等繰り返され、現在は合成樹脂の接着剤が使用されています。
簡単に言えば木工用ボンドがありますね。
用途は違いますが似たようなものです。
糊が濡れている間は白いですが、乾燥しますと透明になります。
乾燥させるまでは水性で乾燥後は油性になります。
ですので濡れている間に水洗いができます。
糊は加工装飾します用途、技術で液体から固形まであります。
乾燥させてから接着させる糊は糊を塗って乾燥後タック(粘着)が残り、その上に金箔を貼る、或いは別加工します。
また糊を塗ってすぐに金箔を貼る、或いは別加工してから乾燥させる糊があります。
どちらも用途によって使い分けします。
ただ、乾燥後に接着させる糊はタックが残りますので、金箔を全面に貼る加工は大丈夫ですが、振り砂子のように隙間が残る加工になると加工後もネバネバが残りますので注意が必要です
反対に先に接着させてから乾燥する糊は乾燥が早いので乾くまでに作業をしないといけないので、技術が必要になります。
乾燥が早い糊は乾燥後はタックが無いのが特徴ですが、仕上がりがやや硬くなるのが難点です(ただし全ての糊ではありません、ややタックの残るものもあります)。
ですので乾燥後に接着させる糊にはタックがもともと少ない糊を混ぜて使ったりしています。
これは各職人さんによって使う糊の種類(タックの強弱)やメーカー、混ぜる配合が違いますし、正解がありません。
ただ共通していますのは布に貼りますので布のような風合い、柔らかさ、しかしながら堅牢度もあるという、ある意味矛盾なことを研鑚しているということです。
この糊の取扱いが職人の優劣を決めるといっても過言ではありません。
以上が前回の文面です。
長々とすみません
今回は以上の事に付け加えての説明です。
現在の糊は大まかにすると固形、液体、粉末になるでしょう。
粉末は特殊なものですのであまり使われていないと思います。
ですので固形と液体になります。
その糊を大まかにすると使う技術、用途によりますが糊を塗って乾燥後加工するのか、塗ってすぐに加工して乾燥させる。
その2点の方法になります。
その糊の特徴は以上の文面の通りです。
大体、材料店で販売している商品はそのもの単体で使っても大丈夫なように配合しています。
例えば箔下用とか振り砂子用等。
でも職人さんはそれぞれ使いやすいように自分なりにカスタマイズします。
加工する技術によってタックを強くしたり、弱くしたり、柔らかくしたり、固くしたりします。
また納品している業者の依頼でドライクリーニングに耐える樹脂を使ったりしている方もあるでしょうし、熱で反応する樹脂を使ってる方もおられます。
それは得意先が持ってくる仕事の内容によって使い分けてているのです。
ですので職人さんそれぞれ使う糊に特徴があり、個性があるわけです。