愛すべき学生さんたちが昨日、1ヶ月の研修を終えて各自の仕事場に戻って行きました。
素晴らしいスキルと熱いこころを持った人たちでした。
授業最終日の宴会に呼んでいただき、大いに楽しみました。
ところで話は変わりますが、、、、
友だちは都内有数の私立の進学校で英語の先生をしています。
「大変でしょう〜」と話すと、あっけんカランとして
「大丈夫、誰でもこの学校では教えられるよ。だって、生徒がいいんだから。
どんなに未熟な先生でも、生徒が勝手にどんどん学んでいくからね」
以前、首都圏のAという公立高校に行って授業をしたことがあります。
45分の授業でしたが、授業が終わったら声が枯れていました。
何故かというと、、、
授業のチャイムが鳴って担任の先生に紹介されました。
ニコニコして
「みなさん、おはようございます。今日、この授業を担当する HuiziHuizi です,短い時間だけどよろしくお願いします」
とあいさつした瞬間、
「 Huiziちゃ〜ん」
とこのいい歳したおばさんを「ちゃん」付けで呼ぶ、、、頭ボサボサの男子生徒。
このクラスのオピニオンリーダーです。
「は〜い、ありがとう!」
と、間髪入れずに応えると、教室は大爆笑となりました、、、、
ひとしきりの笑いが収まると、
ある生徒は机に突っ伏し無関心を装い、ある女子生徒はお化粧を始める、、、。
そして次には上履きが教室の端めがけて弧を描いて飛んでいく、、、
「は〜い、じゃ、はじめますよ〜、みんな座って〜!」
、、、つまりこの時点で、みんなほとんど座っていないってことです。
授業開始10分で私は最初のスケジュールを投げ出しました、、、
45分中、30分ぐらいは授業を聞いてもらうという目標を変更、10分間だけでいいから「聞いて」作戦を実行することにしました。
でも、やっぱり大苦戦でした。
教室は「戦場だな〜、、これじゃ、辞める先生も出てくるでしょう」
ところが、このクラス(生徒20名に担任1名、副担任2名)の男性の担任教師、
まだ30代そこそこだったでしょう、、、
おしゃべりでやる気なし、落ち着きなしのクラス全員をあっという間に10分以上集中させてしまう、すごい先生です。
さすが担任!
この先生「ダメだ、だめだ」と言われ続けてきた生徒たちに
「大丈夫、やればできる、やってみな!まずはやってみること」と言い続けているのです。
力あるなあ〜!
相手を認めるところから入っていくなんて、、、。
よく観察すると、クラスの生徒は机にバタンと突っ伏しながらも
話を聴いている子もいるのです。
お化粧しながら、隣の子と喋りながら、ちょっとだけ先生のお話を聞こうとしている。
きっと担任の先生は、そんな子どもたちのことをよくわかっているのでしょうね。
一見さんの私には見えないところです。
🍀🍀🍀
話は戻って、昨日、授業が終わったクラスの人たちです。
50代、1ヶ月間の集中研修です。
教員が教室に入っていくと、日直さんが「起立」といって全員がさっと立ち上がります。
「よろしくお願いいたします」と号令をかけると、皆さんは70度までお辞儀をして、先生に挨拶します。
授業中は私語なし。目は教員の方を向いています。
私はこんなクラスは日本中見てもどこにもないと思います。
「やりやすい〜!
「教えやすい」「誰も寝ていない、、、」
もしかして、私の授業の方法が良かったのかな?
でもね、これって大きな大きな先生の「錯覚」だということに気づきました。
先生がよく教えられたのではないのです。もちろん上手な先生もいますけれど、
実は「学生」が良かったからなのです。
時々そのことに気づかず、自分本位の教え方で暴走気味になる私です。
やはり「授業の内容」にこだわるべきです。しっかり準備すれば、さらに授業は教える方も教えられる方も
win win,の関係になるはずなのです。
❤️❤️❤️
何か非常にことがうまく運んでいく時、実は自分がよくできているからだ、と錯覚してしまうことがあります。
周りを見れば、もしかしたら自分がうまくできるように支えてくれる人がいるかもしれません。
時々、人と自分の関係を俯瞰的(ふかんてき=空を飛んでいる鳥の目線)になって
考えることが必要だな〜と思いました。