2003年3月末の事だった。背中の痛みを感じてから、5年近く経っていた。 四六時中とまではいかなくとも、まだ、それに悩んでいた時、金比羅さんで、ボイスヒーラーのノワタリさんと、出会った。
その痛みを和らげるためのエネルギー製品を手に入れるために入った会の2日間の特別講習会でのことだった。同じ四国であるのだからと軽い気持ちで参加した。
まず最初に金比羅さんにお参りということで私たちはあの石段を登り始めた。大多数の人達は会長の歩く速度で進んだが、私は数回しか講習会に参加した事も無く、知り合いもいなかった為、自分のペースで歩いた。ノワタリさんとお友達もずっと私と同じ速度だった。
奥の院への道になると、他之参拝者もまばらでいなくなった。 とたん、鳥居の前ごとにノワタリさんはメロディを歌いだした。初めて見る光景で大変驚いた。朗々として軽やかであった。「あちらこちらの神社をお清めに回っている。」とおっしゃられたが、お馬鹿な私は『まー、奇特な人よ。 お掃除して回ってるんだわ。』と勝手に解釈していた。後で聞くと、私はとてもくら~い顔をして、ぽつんとして、その場のいくつかのグループにも溶け込めないような感じであったと聞いた。
その夜、会長の神様の話は面白く、名物のうどんの由来、卑弥呼の話など、明け方まで続いた。
翌日、講習会は午後まで無いので、午前中に善通寺へ案内した。
善通寺の駐車場の裏山の神社を見て、「よんでいるわ。」とノワタリさんは又、わかんないことを言われた。売店で、ワンカップの清酒と水を数本買って、神社に行き、それらを蒔きながら、歌いだした。 昨日と違って「オウウウウ~、オウウウウ~。」と低いどすの利いた声であったが、しばらくするとだんだん声が明るくなってきて「ご祭神様の益々弥栄とご活躍をお祈りいたします。」とご挨拶をして終了した。
「お参りした人達がお頼みしたりして、曇ったりしている神社とか、他の物が摩り替わって入っている神社に本来のパワーを戻すため、お清めするのよ。」と言われて、なんとなく意味がわかったが、 実際、ボイスヒーラーの人とお会いするのは初めてで、歌で浄化する有様を見ることは、珍しくて、興味深かった。
さすがに香川県、看板もないビニールハウスのうどん屋があり、たくさんの人が並んでいるので面白半分で入ったら、寄せ集めの不揃いのテーブルと椅子が置いてあり、数種類のてんぷらを自分で取ってから支払うというものだった。麺はきちきちして とてもおいしく、値段も安く 3人合わせて、トッピング料金も入れて、千円掛からなかった。
ノワタリさんは土産にうどんと、金陵という有名な地酒を買った。その酒造元の広い中庭にしめ縄が掛けてある楠木の御神木があり、また、軽やかな声で歌いだした。すると、木は風もないのに、歌の間、ヒラヒラと揺れて、葉を落として、答えた。「ここの楠木も立派だけど、大三島の大山祇神社の楠木も立派ですよ。」と、言うと、すかさず、「行きます。どこにあるんですか?案内してください。必ず行きます。」と張り切って言われたが、『えー!ほんとに御神木ぐらいで来るのー。』と実のところ驚いた。
その出会いが今日まで続くとはその時は、オモワナッカタ。また、そのエネルギー製品は用途が違っていた為、余り効果が無かった。これも後に教えられたが、背中の痛みは前世の袈裟懸けに切られた刀傷だった。
講習会を終えて、ノワタリさんと数人の人を駅まで送って、別れた。5人しか乗れない所6人乗っていたので、ひやひやものだったが、降ろして国道に出た途端、パトカーにすれ違った。ふ~っ
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