IPCCの報告書が発表され,このまま気温上昇が続けば,100年に1度の異常気象が1年に1度発生する。海面も数メートル上昇する。こうした世界的な危機的状況を踏まえて,2021年,全世界で,オーシャンディケード(国連持続可能な開発のための海洋科学の10年)がスタートした。大きな課題の1つがオーシャンリテラシーの普及である。IOCーユネスコが中心となって,オーシャンディケード達成のために,各国でオーシャンリテラシー教育を実施すると2017年に発表。ついに本年6月24日,日本,韓国はじめ世界の15カ国の政府機関がオーシャンリテラシーを推進すると国際会議の場で表明した。今でさえSDGsは知られているが,私がユネスコの会議で聞いたのが2017年。その頃,日本では誰にも知られておらず,否定的な見解も見られた。では,オーシャンリテラシーはどうか。オーシャンリテラシーも同様である。今,日本では誰にも知られておらず,何だそれは,と思う人々が多いだろうが,数年後には誰でも知っているのが当然となる日も近いであろう。学校教育でも導入されることを願いたい。