コチラの続き。
歳三が振り向くと、そこには昔よくつるんでいた悪友・鶴田が立っていた。
「どうしたんすか、なんであんなところに?」
「いやぁ、この歳で高校生になるなんて思いもしなくてよぉ。入学式に行こうかと思ったけど、いけなかったんだよ。ヘタレだろ、俺?」
歳三は自嘲めいた笑みを浮かべながら、吸い終わった煙草の吸殻を灰皿に押し付けた。
「まぁ、人生何度でもやり直しがきくんすよ。トシさんならやれますって。」
「そうだなぁ・・」
歳三はもう一本煙草を吸いながら、高校に行くことを決意した。
入学式は既に終わっているだろうが、近藤にあれだけ盛大に送り出された後だし、彼に嘘は吐けない。
歳三は学校への道を戻りながら神社の鳥居の前を通りかかると、そこには数人の女子高生が一人の少女を取り囲んでいた。
「あんたさあ、学校こないでくれる?」
「あんたウザイんだよ、わかってんの?」
「ここでヤキ入れてあげるからさ、明日から学校来ないでよね?」
物騒な言葉を喚き散らしながら、女子高生達は少女に詰め寄っていた。
(加勢するか・・)
女に手は上げたくはないが、三対一となれば話は別だ。
歳三が拳を鳴らしながら彼女達のほうへと近づいていこうとしたとき、不意に俯いていた少女が蒼い双眸で彼女達を睨みつけたかと思うと、リーダー格と思しき少女の鳩尾に強烈な膝蹴りを喰らわした。
「ちょっと、大丈夫?」
「ふん、雑魚か。」
少女は地面に蹲り吐いている少女の髪を乱暴に掴むと、間髪いれずに平手で彼女の頬を張った。
「命拾いしてよかったと思え。次は殺す。」
少女達は慌てて脱兎のごとく逃げ去り、少女は地面に落ちていた鞄を拾い上げ、土埃を払いそれを肩に担いだ。
(おっかねぇ奴だな・・)
歳三がその場を後にしようとしたとき、不意に少女と目が合った。
桜舞う中、二対の蒼い双眸が共鳴しあうように美しく光った。
・・と、ここまで「蒼き天使の子守唄」の続編を考えてみた。
謎の少女の正体、本編を読んでいる方には誰なのかわかるかもしれませんね。