一国の国産拠点 一国オート からのお知らせです。

横浜のバイクショップ 一国オート からのお知らせを発信しますので、お見逃し無くよろしくお願いします。

スプリング、、、選定から発注、、、交換。。。

2020年12月26日 | 今日の作業

 

 

老メカ、はじめてスプリングの注文という事をしました。。。

 

 

 

 

このキャブレターのスロットルバルブリターンスプリングの、、、程良い強さのスプリングが欲しくて。。。

 

 

 

 

オーナー様の症状としての訴えは、、、エンジン回転が下がらない時がある、、、です。。。

 

 

スロットルバルブやスロットルワイヤー・スロットルホルダーなどはスムーズで何の問題も無くって、、、

 

 

あと考えられる症状としては、、、張り付き、、、かなっと。。。

 

 

張り付きとは、、、エンジンブレーキ時やパーシャル走行時に、、、エンジンの吸入負圧でスロットルバルブが燃焼室側に吸い寄せられて、、、キャブレター本体に張り付き、、、リターンスプリングのチカラでは戻らなくなってしまい、、、エンジン回転が落ちない! スピードが落とせない!という現象です。。。

 

 

大きな排気量のバイク、、、例えばXR650Rなんて張り付きっぱなしな程 癖が強い バイクですが、、、強制開閉(スロットルワイヤーが開きと戻しの2本がある)のスロットルなので、、、グリップを戻し側に捻ればエンジン回転はライダーが戻す事が出来ます。。。

 

 

 

 

強制開閉の2本ワイヤーでも戻す場合リターンスプリングが主役で、、、それでも戻らない場合にはスロットルグリップを戻し側に捻り戻し側ワイヤーで強制的にスロットルバルブを戻します。。。なので安全性を高める為の強制開閉って言う構造ですね。。。

 

 

ですがこのキャブレターの場合は、、、ワイヤーは引き側1本で、、、戻すのはリターンスプリングの反発力のみでスロットルバルブ戻しています。。。。

 

 

なので構造が簡単なこのキャブレターの場合は、、、

 

 

 

 

スプリングの反発力を強くする、、、強化スプリングを組み込んで対策をしようと思います。。。

 

 

 

 

 

 

 

キャブレター、張り付き、スプリングなどのワードを、、、ネットで検索閲覧すると、、、先人の方たちが試行錯誤しているようで、、、

 

 

スプリングの販売会社やその部品番号まで簡単に調べが付きまして、、、

 

 

で、、、自分なりにその会社の表から適切なスプリングを選び、、、注文をしてみました。。。

 

 

 

 

早いっすよね~、、、ネット注文で手元にすぐに欲しいのが届いてしまうなんて、、、便利な世の中です。。。

 

 

スプリングは3種類を注文してみました。。。

 

 

注文は3種類、、、なぜ???

 

 

ノーマルのスプリングの強さ、、、スプリングレートが解らなかったのでとりあえず3種類注文してみて、、、その中から使えるのを選ぶ作戦です。。。

 

 

 

 

↑ ノーマルのスロットルスプリングです。。。

 

 

ステンレス? 線径は1.0mm、外径は20mm、自由長は80mm、巻数は6?かな、、、ばね定数、、、解りません、、、これを測るには機器が必要なので難しいかな、、、でした。。。

 

 

巻き数は有効巻数という数え方をするようですので、、、端っこは数えないのかな。。。

 

 

で、、、このノーマルスプリングのデータをスプリング販売会社さんの表に当て嵌めると、、、ちょうど良いスプリングが見当たりませんでした。。。

 

 

なので、、、とりあえず使えそう?なスプリングを3種類を注文してみた次第です。。。

 

 

 

 

 

 

 

上 CS1.0-20-90

中 CS1.0-20-70

下 CS1.2-20-55

 

 

例えばこちらの部品番号の場合、、、

CS1.0-20-90

C 圧縮コイルばね S ステンレス 1.0 線径 20 外径 90 自由長

という読み方になるんだそうです。。。

 

 

解りやすいですね。。。

 

 

この3種類の中の CS1.0-20-90 というスプリングは、、、ネット検索で実際に張り付き対策で使っている人の品番のスプリングで、、、張り付きが直ったとの事なので注文をしてみましたが、、、たぶん使えないかな???ってスプリングです。。。

 

 

なぜ???多分使えないのかは、、、

 

 

CS1.0-20-90 こちらのスプリングは、、、この様に押しつぶした時の寸法、、、密着長と言うんだそうでこの時の寸法が、、、13.5mmと表に書いてありました。。。

 

 

 

 

有効巻数は10.5、、、端っこが加わるので密着長13.5mmです。。。ちなみにばね定数は0.012kgf/mm。。。

 

 

 

 

なぜ?この CS1.0-20-90 のスプリングが使えないのかは、、、

 

 

 

 

スロットルバルブが全開にならないからです!!!

 

 

 

 

スプリングの密着長、、、全開の時にキャブレターの上部でスプリングが潰れた時の長さですが、、、キャブレターの許容寸法が11mmしかありませんでした、、、実際に測ったところ。。。

 

 

密着長13.5mmなので、、、2.5mm密着長が大きく、、、その分スロットルバルブが開きません。。。

 

 

( ↓ ちなみにノーマルのスプリングの密着長は、、、7mmくらいでした。。。)

 

 

これはスプリング販売会社さんの表を見ていて解っていまして、、、たぶん使えないのかな???

 

 

とも思ったのですが、、、

 

 

先人の方が使っているようなので、、、とりあえず購入し試しましたが、、、やっぱり全開にならなかったです。。。

 

 

なので使えませんね。。。(キャブレターの新旧で違いがあるのかな???なぜなのかは不明です)

 

 

 

 

 

 

で、、、次に試したのは、、、CS1.0-20-70というスプリングですが、、、

 

 

 

 

密着長は11mmなのでクリアしていましたが、、、

 

 

指で押しつぶしてばねの強さをノーマルのスプリングと比べたところ、、、うん?あれ?同じくらい???

 

 

としか感じられず、、、対策が出来る強さではなさそうなので、、、使わずにお蔵入りしました。。。

 

 

ちなみにばね定数は0.016kgf/mmでした。。。

 

 

 

 

 

で、、、

 

 

 

 

最後のスプリングです。。。

 

 

CS1.2-20-55 、これは線径を1.2mmと太いスプリングから選んでみました。。。

 

 

線径1.0mmの中からでは対策が出来そうなばね定数の製品が見つからなかったので、、、この1.2mmの製品が今回選んだ中では本命のスプリングになります。

 

 

選ぶ基準はもちろんばね定数が一番ですが、、、クリアする課題は密着長11mm以内です。。。

 

 

それと24φのキャブレターですのでスロットルバルブの移動量の24mmは必要です。。。なので自由長もそれなりの長さが必要という事になります。。。

 

 

それらの制約をクリアしたのが本命の CS1.2-20-55 です。。。

 

 

ばね定数 0.046kgf/mm 密着長は10.8mm !

 

 

たぶんこれでいけるはずです。。。

 

 

 

 

↑ 全開になります。。。これって大事です。。。折角の高性能キャブレターですからね。。。

 

 

 

 

装着して、、、

 

 

 

 

グリップの重さもそれほど気になりませんね。。。

 

 

 

 

で、、、試乗ですが、、、

 

 

快調でした。。。

 

 

ライダーの意思通りのアクセルワークが出来るようになり、、、不快な張り付きは無くなりました。。。

 

 

スプリング交換、、、完成です。。。

 

 

 

 

 

 

http://www.ichikoku.com/

 

 

スプリングの交換、、、選定から注文なんて、、、今までやった事がありません。。。

 

 

交換するだけですから難しい事ではないのですが、、、やっぱ難しいですねええ。。。

 

 

でもオーナー様に満足していただけて、、、はじめてお仕事が終わりになりますので、、、考えないと出来ませんね。。。

 

 

ネット社会にも助けられて出来たってところですかね。。。

 

 

出来て良かったです。。。

 

 

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 年末年始のご案内です。 | トップ | 2020年、今年もありがと... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

今日の作業」カテゴリの最新記事