ピストンとシリンダーの点検。
最近は、、、S社50ccやY社の125ccのピストンを見慣れているのか、、、久しぶりに大きなピストンを見たような、、、
で、シリンダーを外してピストンが見えた時に気になってしまうのが、、、ピストンリングの合い口です。
このピストンは、、、
トップリングとセカンドリングが後方でほぼ並んでいました。
オイルリングのレールも右側の近くに並んで、、、
まあ毎回シリンダーを抜いた時のピストンリングの合い口を見ていますが、、、組み込み時に指定されて位置でいる事は無く、リングはいつの間にかずれてクルクル回っているんだと思います。
ヘッド部分には、、、カーボンはあるものの、、、バルブが突いた後も無く、、、
薄い縦キズが少し見られますが、、、焼きつきも無く、、、
ピストンリングの、、、
サイドクリアランスをシックネスゲージで計ってみると、、、
0.09mmが入ってしまいました。
マニュアル値は、、、トップリングが、、、0.04~0.08mm。
リングの厚み、またはリング溝が減っているって事ですね。
トップリングを外して観察をすると、、
リングの合い口の所に刻印が、、、通常はありますが、、、
この外したリングには、、、消えて無くなってしまったのか、、、何も刻印らしきが、、、見当たりません。
すべすべと光っていますので、すり減ってしまっているようです。
このトップリングを、、、
シリンダーに入れて、、、
合い口すき間を、、、
計ってみると、、、
1枚目の写真 0.55mm
2枚目の写真 0.70mm
3枚目の写真 0.55mm
4枚目の写真 0.50mm
でした。
マニュアルでは、、、トップリングの合い口すき間 0.30~0.50mm となっています。
マニュアルにはセカンドリングの値も明記してありますが、、、トップリングがマニュアル値を超えていますので、、、セカンドリングは点検をしませんでした。
1~4枚までの写真の値ですが、、、2枚目の合い口すき間が他の写真より大きいのは、、、シリンダー内径に違いがあるって事になります。
ですので、、、通常の現場判断では、、、
このまま組み付けをせずに、、、
ピストン、ピストンリング、シリンダーを使用限度以下の良品に戻す。
という結果になります。
で、今後の作業方針の選択肢としては、、、
①スタンダードの新品ピストン、ピストンリング、シリンダーに交換する。
②オーバーサイズのピストン、ピストンリングを使用して、シリンダーをボーリングする。
の2択になり、、、
ここまでの点検、検査、、などの内容をお客様に報告し、作業方針を決定する。
という事になりますが、、、
現場判断では再使用はありませんが、、、入庫時はエンジンがかかっていましたので、、、
お客様判断では、、、
③すべて再使用する。
という修理方法もあります、、、
が、、、
ここまで分解して、、、今後楽しく走らせますので、、、
②のオーバーサイズ、、、ボーリング。。。
という結論に当然なりました。
あとは、、、シリンダーの点検が残っていますが、、、
次回。
この様な細かな数値の報告が、、、オーナー様にはまだしていませんでしたが、、、
すみません事後報告になってしまって。