朝日新聞山梨版の2009年06月25日に旧県立図書館 解体「待った」と記事があります。
「ほくと未来ネットワーク」に2009-06-23 甲府空襲を生き抜いた建物を取り壊す!として山梨県庁舎第一南別館シンポジュウムの案内記事があります。
「ふるさと再生シンポジウム」というタイトルで開催され、やまなし・まちかど図鑑 2009年06月13日記事に詳しい案内があります。
2009年6月27日(土)15:00~17:30会場・県民会館 地下1階参加費:無料
27日は14時から見学会がありますが、写真は中心街に出かけたついでに下見に初訪問して撮りました。
位置関係については旧いページですが、風林火山博当時の案内図をご参照ください。
旧県立図書館、現在の県の「第1南別館」は昭和5(1930)年(3月着工、工費七萬円、10月26日に落成式-山梨日日新聞 1930.10.27)、山梨市出身の実業家、根津嘉一郎の寄付によって建設されました。
幾何学的な模様を取り入れた「アールデコ」と呼ばれる建築様式が用いられた貴重な建物ですが、新しい県庁舎の建設に伴ってことし8月にも取り壊されることが決まっています。
27日はこれに反対する建築家や市民などおよそ40人が集まり、まず、建物の内部を見学しました。参加者はこの後、県民会館でシンポジウムを開きました。
この中で山梨学院大学の椎名慎太郎教授は「壊すのは簡単だが、歴史的価値や市民のさまざまな思いがつまっている建物なので、残しておけば良かったと思う時が必ずくる」と述べました。
主催した日本建築家協会山梨地域会では市民との話し合いの場を設けることなど出た意見をまとめて県に提出することにしています。
根津嘉一郎が故郷山梨の教育に望んだ自由闊達な精神の象徴としての建築様式が採用された図書館、それに向い合う形の教育庁と県警本部が入っている別館(県庁旧館)は、両陛下の御真影を納める奉安殿もおかれた左右対称の重々しい様式主義の建物とのことです。
自分で撮った写真を見ていて気が付きましたが、現在の第一南別館に入っているのが、山梨県の「観光企画・ブランド推進課」、「観光振興課」、「学術文化財課」であり、彼等こそがこの建物の意味を理解し、保存・活用を図ることが出来る唯一の県庁職員だというのが、まさに歴史の皮肉だと思いました。
◇ 2009.02.17 県庁第一南別館の保存
◇ 旧山梨県立図書館と県庁第一南別館(2009-03-29 峡陽文庫)
◇ 山梨日日新聞論説委員の解説コーナー「ニュースナビゲート」 『6/4は県内の近代化遺産「県庁第一南別館」「甲府市役所4号館」の存亡の危機について保坂真吾論説委員が解説します。』
◇ 県庁内にあっても県民の財産だ (2009年7月2日 アイネット 山梨インターネット新聞)
◇ 山梨県庁舎 (2004.01.10 近代建築散策)
◇ 2009年5月8日 県庁南別館
保存に知恵絞ろう (椎名慎太郎/山梨新報)
◇ 2009年7月17日 続 旧県立図書館 今こそ広範な論議を (椎名慎太郎/山梨新報)