ポイントは甲府検察審査会の議決過程が明らかでは無い事と、捜査関係者による捜査情報のリークについて疑問があるからです。有能なる山梨県議会議員諸氏がこれに気付かないはずはないでしょう。
山梨県議会議員のこごし智子さんはお仕立券問題について鋭く追求なさっておられますが、私はそれとは違う視点で以下のように問題を感じました。
甲府検察審査会の不起訴相当の議決は、検察官の説明があった後で行なわれたものと思います。(この点の問題は、今、国政レベルでも小沢一郎さんの検審起訴に関しての問題が問われていることは、このブログの読者ならご承知の通り)
私は2012年7月21日の県内各紙サイトの記事で甲府検察審査会議決を知りました (この記事に書いたことは問題その0、基本です)。
その後、7/23 19:21 山梨放送記事で、
『仕立券を使う際に職業を「医師」とうその申告をしていたことが捜査関係者への取材でわかった。捜査関係者によると、警察は寄せられた情報をもとに2010年秋ごろから捜査に着手し、仕立券を発行した都内の紳士服店の関係書類などを調べた。捜査関係者によると、知事は仕立券を使う際に自ら店を訪れ、自分の名前を名乗った上で職業については「医師」とうその申告していたという。捜査関係者の1人は「後ろめたさや発覚を恐れ、うその職業を申告したのではないか」としている。』との記事を読みました。
検察審査会の審査過程での検察側からの説明に際して、この「医師」記載についても捜査資料に記載されていたのかどうかという疑問をすっきりさせたいですね。
検察審査会の審査員には不起訴に至った捜査結果に含めて説明されていて、それを含めて審査会で、『議決は、県人事委員の選任と関係ない時期にも仕立券を受け取ったことや、男性が前知事や国会議員、弁護士などの知人にもギフト券を渡していたことなどから、「賄賂性を認めるに足りる証拠はない」と結論付けた。』(7月21日 朝日新聞山梨版記事)ということでしょうか。
捜査関係者の感想が山梨放送記事のとおりなら、捜査関係者でも起訴相当の意見があったと思える状況において、「医師」記載についての資料を確認できた検察審査会としての「市民目線」で、不起訴相当になったのでしょうか。
検察審査会の審査過程について、確認する必要はありませんか?というのが問題点の一つ。こういうことを曖昧にしておくと、どちら様も明日は我が身です。
不起訴相当議決が報じられた後で、「医師」記載問題が報じられた、このような捜査情報のリークは、どこまで許容されるべきなのか、私にはこの事に大きな問題を感じています。
山梨県議会議員の諸氏は、報じられる以前に「医師」記載についてもどこからか知らされていて、その後の県議会の展開であるのかどうかも、市民の前に明らかにすべきでしょう。
山梨放送も当該捜査関係者から情報を得たタイミングと検察審査会の議決のタイミングとの時系列を明らかにする説明責任があります。仮に、審査会議決後に捜査関係者がこのように語ったのなら、それは個人情報の漏洩とも判断される事案では無いでしょうか。無罪判決を受けた人について「アイツにはこんな犯罪的行為もあった」と公的に知り得た情報を語るようなものです。
この事については、山本美保さん事件で、ご家族が知る前に、DNA鑑定の結果美保さんは自殺と報道されたという事案を思い出しています。
山梨県議会が知事の減俸条例を可決したことはそれで良いと思いますが、以上のような各種情報に基づく判断のスタンスについては、県民の前に明確にすべきものであり、何時、どこまで情報を知っていて判断したのかということ、捜査関係者リークをどう判断するか含めて、これが問題点の2です。
お仕立券問題、実は終っていないのです、山梨県議会自身の調査力・判断力の問題が残りました。
なんだか震災瓦礫広域処理引き受け問題とも似ていると感じたので、私には縁のないこんな事案をブログに書きました。
山梨県議会には、甲府市議会が学校パソコン紛失事件を曖昧に終らせたような轍を踏んで欲しくないものです。紛失41台-27台(窃盗起訴事実)、残りはどうなった?ということ。
原発震災については民間事故調、国会事故調など複数の検証が行なわれました。今回の検察審査会への説明内容や捜査関係者による発言などの問題が美保さんDNA鑑定の二の舞とならないことを、山梨県議会はもとより山梨県自身の名誉のために、上記の問題について明確な発信がされることを。
「やまなし安全宣言」が信頼を得るためには、バックグラウンドが大切であることをご承知の皆様だと思っています。