遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

ノーベル化学賞

2006-10-04 23:16:49 | BIONEWS
ロジャー・コーンバーグ博士が受賞しました。単独受賞です。酵母のガラストース代謝系遺伝子の発現制御の研究が受賞理由なら、僕のO大時代の恩師O嶋先生やMITのマーク・プタッシュン博士やジム・ホッパー博士もとらなきゃ嘘ですが、ロジャー・コーンバーグ博士は基本的な転写のメカニズムに突っ込んでいったので、ガラクトース系の制御にとどまった研究者は受賞対象にならなかったのでしょう。
僕もガラクトース系を少し研究していたのですよ。テキサス大時代のボス、ステファン・ジョンストンはジム・ホッパー博士の研究室でガラクトース系の研究に出会いました。そこで働いていた時にジョンストン研究室の大学院生だったドイツ人のキキちゃんは、博士号取得後ロジャー・コーンバーグ博士の研究室にポスドクとして雇われてダラスを去ったのでした。その後、彼女の論文を著者検索で見つけることができません。
「ドクターとったら、ドイツにかえるの?」と彼女に聞いた時、「ドイツには絶対帰らないっ!」と、とても強い口調で答えたことを今も覚えています。米国で博士をとっても人脈もなく欧州で良いポジションをとることはとても難しいと聞いていましたが、そういうことだったのでしょうか・・・何か帰りたくない事情があったんでしょうか・・・。フランクフルト大を出てから米国に渡った同僚のカーステンは今フランクフルト大に戻って自分の研究室を持っています。

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ロジャー・コーンバーグ博士の父、アーサー・コーンバーグ博士もDNA複製の先駆的研究でノーベル賞を受賞しています。O大時代の同級生で友人でライバルで天敵で目標で理解者で駄洒落王の小川君がアーサー・コーンバーグ博士の研究室に留学しました。もうアーサーの研究室を出ましたが、今も米国で頑張ってるはずです。余談ですが、僕の人生が大きく変る節目に必ず『小川』姓の人間が登場します。今も出てきてるんですが、ジョーカーなのか落とし穴なのか地雷なのか目前を横切る黒猫なのか切れちゃったゲタの鼻緒なのか絡んだラインなのか初の人畜無害な『小川』なのかよく分かりません。なんだか分かりませんが、最初に会った時に「あーこれで金沢での生活も終わるのか」と勝手に思ったのです。

何にも起こりませんようーにっ!(-人-)

本日のお酒:アサヒ プレミアムビール 富士山
コメント (2)
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