遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

デンバーの大免疫学者

2010-04-21 22:18:40 | BIONEWS
免疫学者、エッセイストの多田富雄氏が死去(読売新聞) - goo ニュース
博士号をとって最初に職に就いたのが、デンバーにあるコロラド大学ヘルスサイエンスセンター消化器科でした。そこは免疫学の研究室で、インターロイキン4を研究していました。今から思うと工学部の醗酵工学科で酵母遺伝学を学んだ僕にとって、めちゃめちゃ無謀な留学でした。案の定ここでの研究生活は辛いものでした。
多田先生は1964年から2年間デンバーにある研究所で免疫学を学び、サプレッサーT細胞の発見者として当地の免疫学者の間で尊敬されている存在でした。僕の所属している消化器科の大ボス・ブラウン博士とも旧知の間柄らしく、運良く僕が在職中に彼がコロラド大を訪問されました。ちょうど彼が監訳した『免疫学イラストレイテッド』という専門書を持っていたので、サインしてもらいました。米国出張の途中でお疲れのようでしたが、たまたまエレベータに乗り合わせた免疫の「め」の字も分かっていない新米ポスドクの僕の願いに、「おおそうかい」ってな感じで応じてくださいました。今、僕は免疫学とは関係ない分野にいるので全然読んでないのですが、このサイン本は大切に研究室の僕の本棚に並べられています。
故人のご冥福を心からお祈りいたします。

本日のお酒:CHATEAU CHANTEMERLE MEDOC 2006
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