遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

制御が楽に・・・なるといいな

2013-03-23 23:34:01 | BIONEWS
昨日夕方の予報天気図だと、高気圧の中心がギリギリ飛べそうな位置にあったので飛べる気満々だったのですが、朝起きるとさっぱりアウトな裏風。出勤して朝一にせなあかん実験の仕込みをしてからネットで実況天気図を見たら、見事に高気圧の中心は黄海上にシフトしていて、獅子吼エリアの裏風を裏付けてしまたのです。大人しく仕事せいと神様がおっさってる。w

てなわけで、野々市で1000メートル泳いで、鳥越で蕎麦喰って、獅子吼でだべった以外はお仕事♪ 獅子吼では愛機曲久郎のブレークコードのトグルをU-turn社製のアクロ用のグリップに交換。これで頭上でピョンピョンはしゃぎ回るじゃじゃ馬の制御が楽に・・・なるといいな・・・。(笑) おいら、まだ落ちるには若すぎると思うんだ。

仕事の合間に拾った気になるニュースが2件。
官邸に科学技術顧問…自民の司令塔機能強化案(読売新聞) - goo ニュース
首相へ助言をする科学技術顧問を官邸に配置するほか、科学技術予算の一部を「科学技術イノベーション特別枠」とし、総合科学技術会議が決めた研究を府省横断で実施するそうなんだが、記事をどう読んでみても科学技術顧問と総合科学技術会議が繋がりません。科学技術予算の一部を「科学技術イノベーション特別枠」として、自民党が美味しくパチりたいとしか読めないのはなぜだろう。
科学技術顧問は首相が科学技術政策の方針について迅速かつ適切に決定できるよう補佐するのが役割で、原子力発電所事故などの緊急時に、首相に助言したり、政府の統一見解を国民に発信したりする役割も担うらしい。まあ必要かなとは思うんだけど、あらゆる分野をそろえるわけにもいかんだろうから、人選が問題だろう。いざという時に『人身御供』になってくれる科学者OBってとこでしょう。お給料次第で、なり手はいるんじゃないかな。w w w

医療研究で新組織検討へ=米NIH参考に―競争力会議(時事通信) - goo ニュース
こっちは政府の産業競争力会議の提言。有識者がそろってるだけに意識の高さはすばらしい。しかーし、たぶん役人に美味しく料理される予感がプンプンします。
米国のNIHは僕よりも詳しい人がたくさん居ると思うので、簡単に説明だけしておきます。NIH、National Institute of Healthを和訳すると、「国立衛生研究所」ってことになってます。『衛生』とかいってますけど、あらゆるバイオ研究の最先端をいってます。研究所で使う試薬には、販売前のプロトタイプがバンバンあります。ある意味、新システムの実験台になっているのです。当たれば世界の分子生物学研究のスタンダードをとれるのです。だからバイオ企業にとって、とても大切な組織。
主な施設はワシントンDC近郊のベセスダ (Bethesda)・・・地下鉄の終点だったと思う。パンダの居るワシントン動物園へ行く時の駅と一緒じゃなかったっけ? 実はそこまで郊外へ行くとDCを出てしまっていて、メリーランド州なんですが・・・え? ロケーションなんかどうでもいいっすか?
ベセスダ以外にも施設はたくさんあります。有名どころフレデリックのNCI。米国の国立がん研究所ね。日本のは築地の市場の近所にありますが、米国のはフレデリックという内陸の街にあります。ベセスダの研究所はありとあらゆるバイオをやってますが、ここはがん研究に特化されている研究所です。NIHの中でもワンランク上って感じ。フレデリックには軍関係のNIHの研究所が他にありますが・・・何も知りません。ええ、ナーンも知りません。おいら何も知らないってばっ。お願い、許してっ!
もうひとつでかいのが、ノースカロライナ州のリサーチトライアングルパークにあるNIHの研究所。リーライにあるノースカロライナ大、ダーラムにあるデューク大、そして、チャペルヒルにあるNIHでトライアングルなのです。IBMやデュポンのような世界レベルの大企業の研究所もどっさりありますよ。日本政府はたぶん京阪奈丘陵をこんな研究クラスターにしたかっただろうと思います。
ここのNIHは素晴らしい環境で自然が好きな人にはたまらんそうなんですが・・・ベセスダに行けるかどうかっていう微妙なレベルの研究者が玉石混合でワシャワシャしているという、冒険好きの方にオススメな研究所なのです♪ 
日本がNIHに倣って組織を作るなら、エリート集団造りだけじゃなくて、チャペルヒルのNIH研究所のように玉石混合で一発逆転、三振かホームラン、シュートは打つけど守備はしないってな研究者を集めた組織を作ってほしいなぁ。沖縄にブランド志向の大学院大を中途半端に作って満足してたんじゃ、日本の科学は伸びませんよ。
NIHの機能として重要なのは、研究組織としてだけでなく、国の研究費を出す組織でもあるってところです。日本でいうと学術振興会の機能も備えているってことですね。自組織で研究もするし、国内の研究者に研究費を出してもいるのです。先端科学をサポートしながら、玉石混合の新しい研究と人材を育成しつつ、全国の研究者の研究費の分配もやってるような組織をフェアに運営することが日本の役所に出来るのですかねぇ・・・。出来たらいいんですが・・・。めっちゃ不安です。(笑)

本日のお酒:KIRIN 一番搾り STOUT + 宮崎芋焼酎 黒霧島
コメント
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