遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

役に立ったことにして

2020-01-25 23:45:28 | BIONEWS

北風の強い日でした。午前に大学へバイクで行ったんですが、かなり煽られました。

新型肺炎のニュースが止まることを知りませんね。未明のNHK-BS1のワールドニュースでも世界中で注目されているのが分かります。
gooニュース
新型肺炎の感染者1300人超、欧・豪州に拡大中国では医師死亡
新型肺炎 “初期症状 発熱・せきとは限らない”現地病院が見解 (NHK NEWS WEB)
新型肺炎の予防には、流行中のインフル対策が効果的?(ウェザーニュース)
この感染症で問題なのは、必ずしも発熱するわけではないので、感染初期にキャリアが普通に出歩いちまうとこですかね。症状が出ているのに頑張って日本にこられたのであれば許せんのだが、日本で発症して新型肺炎と判明する観光客の人は、もう不運としか言いようがない。そういえばSARSのときもスーパースプレッダーと呼ばれる感染してるのに元気に行動して感染を広げてしまう人がいて、アウトブレイクに至りました。麻疹のような空気感染はないようですから、飛沫感染か接触感染・・・これなら手洗いうがいがポイントでしょう。感染してない人のマスク装着はあんまし効果がない。

大隈先生、モスクワに行かれているんですね。この冬はモスクワも暖冬で雪不足らしいんですが、先日降ったらしいから彼の訪問中は寒かったんじゃないかな。
ロシア初訪問、大隅良典氏インタビュー:ノーベル賞受賞から3年、科学者として伝え続けたいこと(SPUTNIK日本)

〈以下引用〉
大隅氏「世界的に『基礎科学を大事に』ということが、若い人の意識から離れつつあって、日本でも博士課程に進学する学生が減っています。これは大変深刻な問題です。もっと簡単に大金持ちになれる方法があるんじゃないか?というのが若者のトレンドですし、日本では特に、真理を大事にしようという雰囲気が薄れてきており、とても心配に思っています。
日本の研究者の間では、『この研究はこんなに役に立ちましたよ』と主張しなければ、研究費がもらえない、という意識がすごく広がっています。しかし効率と科学は必ずしも一致しません。私は、科学は、最終的にはどこかで役に立つと思っていますが、短期間、例えば『3年間で役に立つ』ということを約束させるサイエンスというのはありません。知りたい、という欲求に基づく人間活動が、もう少し許される社会にならないといけない。研究者が自由であるということは、他の人たちも、それなりの余裕と自由を持っているということの証です。研究者がハッピーである社会は、多くの人がハッピーだと思える社会なのです。」

「新しいことがわかった。わーすごい。おもしろーい。」で、役に立ったことにしてくれたらいいのにね。そもそも役に立たせるのは研究者の仕事じゃないと思うんだよ。今回の新型肺炎の解析結果がものすごく早く発表されているのは、中国が多くの科学者を食わせて、研究のインフラを維持しているからで、今の日本で同じことが起こったときに中国並みの速さで分析できるとは思いません。科学に投入されている人・モノ・金がすでに大敗しているからねー。

本日のお酒:八海山 純米吟醸 + 立山 特別本醸造 

コメント
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