60年代を代表するマンガをふたつ選べといわれたら、ねえ、貴方ならどうします?
僕のセレクトは超・簡単です---梶原一騎&ちばてつやコンビの「あしたのジョー」と永井豪の「デビルマン」。
躊躇なし、迷い等一切なしのクイック選択です。
つげ義春さんだとか手塚治虫さんとか、きらめくようなあまたの才能はほかにも多く見つけられるんですが、60年代という「時代」をいちばんよく作品内に映しこんでいるのは、やっぱりこの2作に尽きるんじゃないでせうか。
永井豪の「デビルマン」は、厳密にいえば70年代初頭の作品ではありますが、作品内に封じこめられたあの異様な熱気は、まちがいなく60年代特有のものです。
60年代という「夏」---安保闘争があり、学生運動があり、フラワームーブメントやロック、そして、あの伝説のウッドストックがあり---いろんな夢が次々と駆け去ってゆき、無垢で凶暴なシュプレヒコールが、巷のあちこちで若々しく鳴り響いていたあの時代…。
そうした時代の純粋な熱気が、僕は、この2作に集約されて盛られている、と思うんですよ。
なによりこの2作には、あの「イージーライダー」や「俺たちに明日はない」などのアメリカン・ニューシネマと共通する、苦い挫折の香りがプンプンしています。
永井豪さんの70年代以降のあの失速は、60年代の使徒としての役割を果たし終えたあとの当然の帰結でせう。
あの勢いのまま走りつづけていたら、たぶん、永井の豪ちゃんは、もういまごろはこの世にはいなかったんじゃないかな。ジミヘンやジャニスの仲間入りをして、あっちの世界に殿堂入りしていたような気がします。
もうひとつの60年代代表作品、梶原・ちばてつやコンビの「あしたのジョー」にしても、やはりそっちがわの危険地帯寄りの、ある意味ぎりぎりの作品でした。
この劇画のなかでは、誰もがのたうってます。
のたうって、うめいて、歯ぎしりして、だけど、懸命に、這いずりながらもなんとか歩いてる。
主人公の矢吹丈、ライバル役の力石徹しかり、中盤の重要な繋ぎ役であるところのカーロス・リベラや金竜飛はいわずもがな、脇役である西に八百屋の紀ちゃんまでもが、日々苦闘しつつ、熱っくるしく、等身大のリアルさで生きている---しかし、僕がこのマンガを読むたびに常に気がいくのは、なぜだか「あしたのジョー」の数少ないヒロインのひとり、白木ボクシングジムの会長であるところの白木葉子さんなんだなあ。
白木葉子---白木財閥のご令嬢。
大財閥のひとり娘であるにもかかわらず、驕りたかぶることもなく、少年院の劇団ボランティアなどの福祉活動にも熱心な彼女は、その生来の美貌のもたらすクールな魅力とあいまって、「あしたのジョー」という泥臭い人情劇のうちに、それらと相反する一種の風穴のような、ある意味特別な立ち位置を与えられています。
デッサンに喩えるなら、そうですね、白木葉子は「影」なんですよ。
繊細で克明な「影」で細部まで隈取るから、石膏像は、あれほどリアルな質感を伴って見えるというあの理屈。
要するに、白木葉子という「影」が、ジョーや力石といった「光」のキャラを、あれほど魅力的に、まぶしく輝かせていた主犯なんじゃないか、と僕はまあ読みたいわけ。
----えーっ、そこまで白木葉子を重要人物扱いするっていうのはどうかなあ? たしかに、重要じゃないとはいわないけど、そこまであのキャラをもちあげて見るっていうアナタの意見はどうかと思うよ。
というような反対意見の方がおられたら、ためしに「あしたのジョー」というドラマ全体から、一種の思考実験として、この白木葉子というキャラを全て抜き去ってみたらいいよ。
すると、ねえ、どうです?
「あしたのジョー」全般が、なんとも暑苦しい、いかにも野暮ったいだけの三流ドラマに、たちまちのうちに色あせていくのが体感できるのではないでせうか。
そう、彼女がいなければ、「あしたのジョー」は、ただの野犬の群れのボス争いの単純ドラマでしかない。
ドヤ街ではじまり、特等少年院で終わる、せいぜいが全5巻くらいの規模の物語として完結していたことでせう。
特等少年院のなかの野犬同士の私的な噛みあいを、公共の「ボクシング」という場所につれだしたのは、やはり、白木葉子というキャラの介入が大きかったのではないでせうか。
むろん、力石とジョーとの試合を「ボクシング」としてやらせようと最初にいいだしたのは、あの「おっちゃん」こと丹下段平氏にちがいありません。
しかし、彼のそんな思いつきと紙一重のとっさの提案に対し、すかさず「リング」の提供を申し入れ、レフェリーの人選まで請けおったのは、誰あろう、やっぱりほかならぬ彼女---あの白木葉子だったのでありました。
彼女なしじゃ、リング自体どうにもならなかった。
それに、彼女という「権威」なしじゃ、あの特等少年院が院生同士のボクシング試合なんて許可するはずがない。
すなわち、ジョーの最初のボクシングの舞台をしつらえたのは、まちがいなくこの白木葉子だったのです。
彼女は、物語の超・最初から、常にジョーというニンゲンにまっすぐ目をむけ、ジョーの闘いに「社会性」を与えようとしつづけてきたのです。
僕は、以前から、「あしたのジョー」といういわゆるボクシング漫画を、一大恋愛ドラマとして読むことも可能なんじゃないか、と思っていました。
だって、白木葉子さんって、僕にいわせるなら、ほとんど見え見えの、すっげー分かりやすいキャラしてるんだもん。
ジョーの最後の試合のまえの控え室で、彼女は、自分が長年したためてきた恋心をジョーに告白しますが、この恋が生まれたのは、僕は、物語のそうとう初期からだったと感じますね。
下のコマは、特等少年院の慰問の芝居で、白木葉子が演じた「エスメラルダ」の偽善性をジョーが暴露した一コマですが、僕は、もうこの瞬間から、白木葉子のジョーへの恋ははじまっていたのでは、と睨んでいます。
白木財閥のひとり娘の白木葉子に、これまでこんな露骨な批判をした人間は誰もいなかったのではないのかな?
葉子のこの表情は、そんな驚きと恐怖をともに感じているようにも見えます。
それまで、白木葉子という少女は、ずーっと抽象的なお伽の国の王女サマだった、と思うんですよ。
自分を批判する人間なんて誰もいないし---そりゃあそうだ、だって、非難したら損ですもん(笑)---自分の慰問活動が、高みから投げつける傲慢な「恵み」であるなんてことは恐らく考えてもみなかったのでせう。
でも、ジョーは、そこに気がついた。
いや、象牙の棟なんてものにははなから縁もゆかりもない、リアルの国の底辺住人のジョーからしてみるなら、そんな葉子の無意識の偽善的行為がなにより鼻についてしまった。
そして、そのとりすました葉子の満足顔が、とにかく我慢ならなかったんですね、ジョーは。
言葉のひとではなかったけれど、ジョーは、うその匂いには敏感でした。
演劇のためとはいえ、頑丈に見えるからといって「おっちゃん」を舞台の上で本物の鞭で打たせるという演出に、なんともいえない冷血の匂いを嗅ぎとった。
だから、否定したんです---めいっぱい誠実なジョーなりの表現でもって。
野良犬同然の身の上のジョーには、財産といったらそれしかなかったんです---その拳と「誠実」さだけしかなかった。
でも、その飾りのない率直さは、当時の葉子のまわりにはないものだったのです。
で、表現こそ乱暴だったものの、聡明な葉子の胸に、ジョーのこの言葉の裏の「誠実」はちゃんと届いていたんですね。
ええ、白木葉子は、このとき、たしかにジョーの「誠実」に触れ、打たれていたのだと思います---。
葉子のジョーへの思いというのは、恐らく、この時期に芽吹いていたにちがいありません…。(^.^;>
そう、そのクールな美貌と端正な佇まいについ目くらましされちゃうんですけど、この白木葉子って女、芯の部分は、意外とガチで熱いんですよ。
そのうえ、狡くない。狡さを駆使するならいくらでもできる立場なのに、いつだって直球で攻めてくる。
もっとも、ジョーへの恋心を自覚するホセ戦以前では、その自身の恋心を自覚できないまま、心の鎧戸の隙間から「ジョーを思慕する念」がプスプスと強烈に漏れでているので、その休火山めいた風情が、僕的にはちょっとたまらないものがある。
いいんですよ、この時期の葉子さん---「ジョーが好き」って無意識が、背骨沿いにオーラになって「むみょーっ」と立ちのぼっているの。
本人はそのことを自覚してないし、まわりだって全然気づいちゃいないんだけど。
でも、僕は、この時期の葉子さん、とっても好きなんだよなあ。
このころ、葉子さんはジョーといっしょになる機会があれば、さりげなく、でも積極的に、必ず自分のほうから誘いをかけているんですよ、実は。
ボクシングの試合の合間にさりげなく置かれている場面場面だから、あまり目立たないんだけど、これらのシーン、「あしたのジョー」という漫画の奥行を深めるためにとても寄与している、と思うな。
後年の劇画「愛と誠」でも梶原さんはこれとおなじ技を使おうとしてらっしゃったけど、残念ながら、典型的男性である梶原さんが力めば力むほど、恋愛表現は固く、理窟っぽくなっていっちゃった。
「あしたのジョー」でそのほのかな恋愛表現が成功したのは、やっぱり、これ、共作者であるちばてつや先生の功績でせうね。
ちば先生の、この繊細で控えめなデッサンがあったから、「あしたのジョー」は漫画の古典として、ここまで生き残ってこれたんじゃないでせうか。
まあ、そのへんの屁理屈はこの際どうでもいいや---白木葉子のジョーへの思慕を表したと思われる名場面を幾コマかUPしてみましたので、まずはそれらを実際に御覧ください---。
うひょーっ、攻めるわ攻める、葉子さん…!
左上が「あしたのためのその1:ジャブ」で、右上は、「あしたのためのその3:ストレート」って感じでせうか。
いいよー、葉子、とてもいい…、ポイント、まちがいなく取ってるよー。
ここまでストレートに勝負かけてくれてると、頑張ってるなあ、偉いなあ、と素直に応援したくなりますね。
この2コマを読んで、葉子さんの秘めた思いに気づかないような朴念仁は、さっそく当記事を読むのなんかやめて、とっととほかにいっちゃってくださいな、と僕はいいたい。
だって、この葉子さんの誘い、超・勇気あるんだもん。
あのボクシング馬鹿のジョーにですよ、フツーなかなかこんなこといえないよ。
でも、葉子さんって躊躇しないんですよ、恋愛経験の少ないお嬢さんなのは事実だとしても、深窓の令嬢なんておとなしいタマではとてもないですね、うん、勇気ありますよ、彼女ってば。
そのようなめげないアクションが幸いして、葉子さんとジョーは、実は作品中でいちどだけ、短いデートをしてるんですね。
ソムキッド戦のあとの「矢吹丈 連戦戦勝祝賀パーティー」ってヘンなパーティーのあと、ふたりして食事にいって、ボーリングにいって、ハイソな飲み屋にもちょっと寄って---。
次のコマは、そのボーリング場でのシーンです---。
心ある読者さんなら、ここでの葉子さんが異様にテンション高く、はしゃいでいるのが感じられるかと思います。
----はい、つぎは矢吹クンの番よ…。
という葉子さんの言葉の語尾にかかった、この絶妙なヴィブラートをお聴きあれ。
僕あ、このコマ見るたびに、胸がなんか焦げそうになる。
ふたりきりになれた喜びと悲哀と---ああ、切ないっスねえ!
ジョーはあいかわらずボクシングのことしかアタマになく、葉子のことを白木ボクシングジムの会長としてしか見ていない。
むろん、葉子さんにしてもそんなことくらいは分かっているんです、分かっちゃいるんだけど、ジョーとふたりきりで外出できたことが嬉しくて嬉しくて、その嬉しさを自分でも完璧にコントロールしきれてない。
で、いつもとちがって、ちょっとばかしうわずってるわけなんです。
いつものクールな社会的鉄仮面の後ろから、少女らしい喜びの微笑が、ことこととこぼれでてきてる。
うーん、素顔を隠しきれてないのよね、けど、ここでの葉子さんの失態は、僕は、個人的に、超・可愛いなあって思います…。
× × ×
しかし、多くの方が知っていられるように、葉子さんのこの恋は実りませんでした。
葉子さんの告白に対し、ジョーは最後のホセ戦で使用した、血みどろでボロボロのグローブを与え、その直後すぐに死んじゃって、「あしたのジョー」というドラマはそこで永遠に完結します。
けどね---僕は---ごくたまに…この物語のその後のことを考えたりもするんですよ。
ただ、そのとき考えるのは、丹下ジムのその後のこととか、紀ちゃんと西の結婚生活がどう展開するかとか、そんなことじゃない、僕が考えるのは、なぜだかいつも白木ジム会長の、この白木葉子さんのことなんです。
----ああ、そういえば、あの葉子さんったら、いまごろどうしてるのかなあ…?
非常にオタッキーな酔狂さかもわかりませんが、特に葉山のあたりをクルマで走っているとき、この手の疑問が脳内に去来することが多いようです。
葉山の海を見ていて、そんな疑問がいつもやってくるわけだから、きっと、いま現在、白木葉子さんもきっとこの葉山の海の見える場所にいるのにちがいない…。
と、ながら運転中の僕はなんとなく思います。
----60年代後半に20代前半だったとすれば、いまの葉子さんの年齢は、だいたい70代中盤から80くらいか…。
葉子さんは、ジョーの没後、どうしたんだろう?
どう生きて、いまは何を感じているんだろう?
で、これ以降は、なんの根拠もない、僕個人の空想ね---。
◆1:白木葉子はジョーの没後、一時期狂ったように白木ジムの経営拡大に奔走するが、あるとき、ふいに気が抜けたようになって白木ジムの会長の座を降り、祖父・白木乾之助の勧める旧華族の青年と結婚する。
◆2:しかし、わずか1年で離婚。財団を設立して、アジアに出て、戦災孤児の保護・救援のための活動をはじめる。
◆3:財団の活動は軌道に乗り、イタリアの財団と組んでアフガニスタンの地雷除去の活動もはじめるが、折りわるくタリバンと米国との戦争がはじまり、政府から財団活動の休止と帰国とを示唆される。なんとか踏みとどまって、活動をつづけようとしていた折りに、財団の本部が米軍のミサイルにやられ大破。財団メンバーの大半が死亡。葉子自身も怪我を負い、傷心のうち帰国。
◆4:帰国後の白木財閥は、祖父の乾之助亡きあと、勢力図がすっかり変わっていて、葉子は親族のなかで孤立してしまう。そして、2002年、都内某所で講演中、脳梗塞で倒れる。
◆5:2007年、それまで入院していた都内の病院から本人の希望で、神奈川・葉山にある、超・高級介護付き老人ホームに移り住む。そこの特別室から午後の海を眺めるのが、最近の葉子のいちばんのお気に入りの娯楽である。そして、彼女のいる居室の東側の壁には、常にあのジョーの古びたグロ-ブが大事そうに掛けられているという…。
もー こーなるとほとんど妄想の域なんですけど、葉山の海を見ながら運転している一瞬のうちにそんな葉子の歴史を空想して、なぜだか感激---思わず涙ぐんで、ハンドルをぎゅっと握りなおしたりもする---いくらか空想多過でよろめき気味の、最近の僕なのでありました…。
---fin(^.^;>
2012-11-11 21:59:34 |
>某有名人、*田*(個人の実名)こと 「マ胃ケル」 を伏せ字でなく、まともに書くと、即時にはねられますw(今日は。)
「マイケル」なんてワードが、もともとJUGEMでNGワード設定されているはずはなく、大将がマイケルさんのことを話題にしてほしくないからNGワードに設定したんじゃないの?ねっ、大将?
某有名人、(個人の実名)……
↑
なんか、これも、日本語として変。いつものことだが。
あーそれからねー、人のブログに個人名とかあまり書かないほうがいいよ。
誰かに大将のブログが通報されちゃって、またまたBANされたら、大将に恨まれるよ。各サービスで管理画面が少しずつ違うから、困りますよね、大将!
> ちゅう事で、2つ前のスレに、いきなり仕切り顔の居座り系不審なHNの輩が複数涌いていマスね。なに焦っているんだローなーw?
ちゅう事で
↑
ここで「ちゅう事で」って何(笑)
>文面を見ると、ほぼプロ(プータロー?)のコメントですね。
んー?平日のお昼2時31分に書き込んでる人から、「プータロー」と言われても複雑な気分だろうなぁ。
>得てして荒らしなんだけど、いきなりの上から目線の態度で、ここの意見に同意した体の、駄文を並べて荒らしと言われないよう配慮した、工作員の売名過程に見られる姑息な伏線貼りだろーなーと思って見ています。
記事に同意してるんだから、アラシじゃないよね?大将もまだ賛助会員(独立党員)募ってるんだから、ご新規さんにマウントを取らないように。その人たち、未来の党員かもしれないよ。いわゆる営業妨害ってやつね。
まっ、あなたも大将に嫌われて、ポンにだという単語がNGワードに設定され、「パンにだ」とか「ほんにだ」とか、いちいち名前を変えなきゃならないハメにならないように気をつけて!過去にもいたな、そんな人たち。
それから、「2つ前のスレ」って、そこは掲示板ではないので「2つ前の記事」って言ってあげてよ。ねっ、大将!
あっ、それから、そろそろアレお願いします。法務省の地下でマイケルさんとのお蕎麦食べたって話。次で26回目かな?
ヨロシクゥ!押忍!
ポンにだ 2023/03/13 2:31 PM
「袴田さん冤罪事件」で急に有名になった大善文男裁判官ですが、僕らの追っている<108つの誤記><調書改竄>の石垣陽介裁判官(現・旭川地家裁所長)と彼とは大きな繋がりがあります。
次記事ではそれを暴露していく所存です。
検察官は激おこぷんぷん丸で、特別抗告してきましたが、袴田さんの取り調べをした刑事は紅林 麻雄という人物で、拷問王で冤罪製造マシーン。なんでもありのインチキ警察官でした。ダメでしょ。
紅林は、最後は派出所に左遷され、警察を引退。2ヶ月後に亡くなっています。
拷問で自白させた時点で無効だと思うんだけどね。
「拷問は大昔の話でしょ」と私も思っていましたが、違うようです。
https://webronza.asahi.com/national/articles/2018072600006.html?page=1
>そもそも私がこの「今市事件」に首を突っ込むきっかけになったのは、判決文を見たことだった。それは、市民が裁判員として参加する裁判員裁判だった一審の宇都宮地裁(松原里美裁判長)が、一昨年(2016年)4月8日に勝又被告に下したもので、実に奇妙なものであった。
> 「客観的事実のみから被告人の犯人性を認定することはできない」。判決文の9割は、大筋でこんなふうな無罪のトーンで文章が構成され、ラストの部分でいきなり有罪になっていた。まるで法廷に霧がかかり、何も見えないような……。
「何だ、この判決文は!」。そう思ったのは、私だけではないはずだ。(引用ここまで)
あの〜、性犯罪なのに被害者のご遺体から被告のDNAが検出されてないんですよね。
警察官の拷問があって、おまけにこんな「おバカ判決文」。
とにかく、自白させただけで証拠のない事件は全部やり直しなさいと言いたいですね。
紅林麻雄(wikipedia)について
現在の静岡県藤枝市出身。 自身が担当した幸浦事件(死刑判決の後、無罪)、二俣事件(死刑判決の後、無罪)、小島事件(無期懲役判決の後、無罪)、島田事件(死刑判決の後、無罪)の各事件で無実の者から拷問で自白を引き出し、証拠を捏造して数々の冤罪を作った。
あらゆる手段を用いて被疑者を拷問し、自白を強要させるなどしたことから「拷問王」と称されている。
紅林はさまざまな拷問の手法を考案したが、実行には直接関与せず部下に指示を出していた。また、二俣事件における山崎兵八の書籍においては真犯人と思われる人物からの収賄の疑惑も暴露されている。
上記4事件のうち島田事件を除く3事件が一審・二審の有罪判決の後に無罪となり、島田事件も最高裁での死刑判決確定後の再審で無罪が確定した。幸浦事件・二俣事件の有罪判決破棄差し戻しの時点で御殿場警察署次席警部の地位にあった紅林は、非難を浴びた静岡県警上層部によって吉原警察署駅前派出所へ左遷された。しかも、交通巡視員待遇という実質的な二階級降任だった。
紅林は世間や警察内部から非難され精神的に疲弊しきっていたが、1963年(昭和38年)7月に幸浦事件の被告人に対する無罪判決が確定したことにより気力がつきて警察を引退。同年9月に脳出血により急死した。
生年月日 S33.10.20
出身大学 早稲田大
退官時の年齢 64歳
R5.3.12 依願退官
R2.12.15 ~ R5.3.11 東京高裁10民部総括
定年まで残り10ヶ月。
健康問題、家庭の事情など、私たちの案件とは無関係なのかもしれませんが、残念ですし、退官の理由が気になりますね。
私個人の見解ですが、一審の判決に70箇所も(ありとあらゆるバリエーションの)誤記があれば、誤字脱字と同じように、普通に訂正して一審を支持するだけではダメだったんじゃないでしょうか?
二審でしっかり対応してくれていれば、書記官や吉村所長個人への訴訟は無かったかもしれません。
担当している裁判官や書記官が大変困っているのもよくわかります。
国家賠償請求の3333の争点の一つは、高橋さんの案件だったので、こういう形で幕を閉じるのは残念です。
定年まで残り10ヶ月での依願退官。またまだお若いので、今後、弁護士や大学の先生として活躍してくれることを願います。
あくまでも「私見」なので反対意見ももちろんアリです!
時代を揺るがす大事件が目白押しですね。
以下、個人的な案件、ちっさな案件も含みます。
① プーチンが国際指名手配に!
ゼレンスキー大統領とプーチン容疑者、「100対0で〇〇の方が悪い」なんてことは言いません。
けれども罪もない民間人を大量に殺めたのはプーチン容疑者です。コヤツは大犯罪者です。
② コロナと陰謀論者の終焉!
あらゆる陰謀論者がことごとく食いついたコロナパンデミック。もちろん想定の範囲内でした。そしてやっぱりワクチンにも食いつきました。
マスク悪玉論は想定内でしたが、イベルメクチンとアビガン万能論は想定外でした。
そんなコロナも今や収束に向かい、マスクの着脱が自由になりましたが、ほとんど外さないですね。マスクは「国の陰謀」ではなかったようです。
ワクチンもそろそろ2年ですね?なのに4回5回接種した人がみなさんお元気です。
そりゃ、中には不幸にも体質に合わなかった人もいるかもしれませんが、「製薬会社が殺害を目的としてワクチンを製造した」なんてことは言えないはずです。すべてデマでした。
③ サユフラット平塚さん、よかとよ岡林さん消える
親分である大将よりビッグになったお二人が完全に消えました。
第3世代のヤマトキューも逮捕で消滅しましたよね。
細々とやると長生きできるということが証明されてした。
④ 安倍さんの暗殺で自民党と統一教会の関係が表面化し、大川隆法氏も死去した
安倍さんがあの若さで亡くなったのはお気の毒だし、「殺されていい人」なんてこの世にはいませんが、戦後続いてきた「国の与党とカルト教団の癒着」が明るみに出ました。
政教分離なんてしていません。政界入りを目論んでいた幸福の科学もイタコ芸を継げる人が存在せず終了寸前です。
⑤ ガーシーさんの登場
「韓流タレントに会わせる」と言ってお金を集めておきながら、そのお金をギャンブルで使い込み、事実上の詐欺師状態に。
それをネットで告発されて、お母さんや妹さんが攻撃されたからといって、今まで見逃していた元友人たちの暴露を始める・・・
んー?って感じの人ですが、彼がやってることは名誉毀損や脅迫というより「暴露」なんですよね。そう、メインは暴露で口汚い悪口が付いている。
綾野剛も未成年淫行をして、被害者まで登場してるんだから、どちらが悪いかは明白です。
長々とつまらん議論をしたり、国会で居眠りをしてる議員たちは、自分が暴露されることを恐れてるんじゃないですかね。
今後は政財界人の暴露に期待しています。是々非々で応援します。
ガーシーよりもっと悪徳な政治家がいるはずです。
⑥ 大善文男裁判官、「袴田巖さんが犯人の証拠」を警察がねつ造した可能性を指摘
ねつ造したのは当然当時の警察ですね。そもそも袴田さんのものとされる証拠のズボンは、袴田さんがどれだけスリムになっても入らないほどサイズが小さいです。
被害者のご家族は4名殺害されてますが、長女が不良でヤクザと付き合い勘当されていたそうです。この長女がたまたま帰宅していた日に発生した事件で、彼女はなぜか袴田さんが犯人だと指摘しました。
この長女は袴田さんが釈放された前日に自死しています。
今後は、三権分立が機能するようになるかも?と期待させる出来事でした。
⑦ 高橋譲裁判官、依願退官
石垣判決を70箇所訂正してくれた二審の裁判官。
こんなミスだらけの判決文はどこを探してもないでしょうから、本来ならば、訂正するだけでは駄目だったんじゃないかなと思います。
例えるなら、会社が嫌で辞める予定の社員が、辞める前日の夕方に上司に無理やり作らされた書類以上の「やっつけ仕事」です。
高橋さんの退官と石垣判決との因果関係は不明ですが、残り10ヶ月で定年だったので、無関係でもよほどのことがあったのでしょう。
⑧ 石垣裁判官、旭川行き
いまだに自分が提訴されたのは「失当だ」とし、個別の争点に答えようとしません。
裁判官室で判決文を書いたのか、自宅で書いたのか、判決日の何日前に書いたのか、一度くらいは見直したのか聞いてみたいですね。
冤罪被害は「いい加減な警察官といい加減な裁判官のコラボ」で生じます。
改ざんの有無はさておき、少なくとも70箇所以上も間違えてるのだから、そこは認めて反省しないといけません。
人の人生を左右する仕事なので、大きな権限を与えられ、国民の税金ながらそれなりの給与を与えられているのです。
なんだか、自分の周りと、世間が大きく動いてる気がします。
明るい予感しかしません!