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旧精神科医療は思想警察なのか?

『脱施設化の先に、ノーマライゼーションの嘘』

2015年12月12日 | 精神科看護

『脱施設化の先に、ノーマライゼーションの嘘』

PSWの講義を受けていて、とある協会のトップの方の講義で、現在というか2000年付近において、厚労省が発表した、いわゆる精神科病院の社会的入院者数は7万7千人と試算しました。

(社会的入院wikiより)

入院は本来、病状が継続的な看護または医学的管理を要するために医療機関に留め置く措置であり、病状が快復もしくは安定すれば当然退院し、必要に応じて外来診療に移行することが本来のあり方であるが、医学的観点からは既に入院の必要性が薄いにもかかわらず、患者やその家族の生活上の都合により、事実上の介護の代替策として行われている点が社会的入院の特徴である。

社会的入院は、ホスピタリズムにより精神が荒廃した為に自立生活が困難になるなどの理由で退院後の生活が成り立たないため長期入院に繋がり、長期入院により社会性や生活習慣の衰退という社会問題の側面も持つ。また、家族などの引き取り手に拒否される、自宅で面倒を見られないために惰性的に入院を継続させられている高齢者介護虐待的問題にまで使用される。

また社会全体の問題として、医療費の増大につながる[2]。日本の年間医療費は2002年(平成15年)度で31.5兆円に達しており、社会の高齢化とともにさらなる増大は避けられないとみられている。社会的入院は医療保険が利用できるため入院者の家族にとって経済的な負担は比較的小さく、あまり抵抗なく利用されがちであるが、総額としての医療費増額に繋がり、公的健康保険の場合は国の負担も増大する[2]。不必要な入院が招く社会問題としてベッドが満床になるために救急患者を受け入れられず、影響が救急医療にも波及し、「救急難民」を生み出しているという問題もある。大阪市のような大都市でさえ社会的入院患者の増加で救急患者を受け入れられない事態が増えている[3]

OECDは診療報酬の日数払い制度は医療機関の過剰診療をまねくとして、各国に対し、日数制限や包括払い制度の導入など支払い制度の改革が必要だと勧告している[4]

日本では2000年から、傷病の治療は医療機関で、要介護状態の介護はソーシャルワークで、という考え方から介護保険制度が施行された[2]。また、医療機関に対しては入院が長期に及ぶと診療報酬を減額することで長期入院の抑制が図られた。しかし未だに医療保険入院は、介護保険入院の2倍の病床数を占めている現状である[2]

(転載終わり)

という定義だそうで、まず厚労省が発表した7万7千人という社会的入院者数のカラクリから説明いたします。端的に言うと、満60歳を迎える精神障害者の入院者数のことです。

 医療費は大まかに話しますと、公助と互助の間に位置します。病気になったときに困るからとみなで掛け金を支払って健康保険をかけてますが、その一方で政府が医療費予算というものを税金から組んで拠出しています。

 一方介護保険は、その政府の拠出割合が医療費と比べると低く、地方公共団体にゆだねている、委任している部分があります。

 毎月強制徴収される医療費は所得によりますが、平均サラリーマン世帯ですと社保料で約3万円、国保だと、1万5千円くらい(所得によりますが、自営者は確定申告で上手いことやりくりしますから、サラリーマンと同じだけ稼ぎがあっても半額しか徴収されていない)となります。

 介護保険料は40歳を超えると2号被保険者となり医療保険に上乗せして徴収されます。

大体5千円くらい。年々上がっており、市町村が決定してきます。

 介護保険制度は、40歳以上の人が利用できます。

つまり、介護保険制度の被保険者は40歳以上ということです。

介護保険制度では、被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の第2号被保険者とに分類されています。


http://kaigo.k-solution.info/2008/03/_1_205.htmlより転載)

要するに、強制徴収される訳ですから、保険という名前は嘘で、税金です。

 当然不払いは強制徴収されます。差し押さえ等含み。

(介護保険負担割合の説明http://www.os.rim.or.jp/~dentist/care/files/point8.htm転載開始)

  1. 国は25%
  2. 都道府県は12.5%
  3. 市町村は12.5%

Point - 公費とした場合、国は50%の割合となります。残りの50%は保険料です。

Point - 介護保険の財政構成とした場合、国は25%の割合となります。都道府県、市町村はそれぞれ12.5%です。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000210oo-att/2r985200000210rp.pdf

この表の一番下の公費負担の割合を見ると、明らかに介護保険の国の負担割合25%と比較して各種医療保険が高いことがわかります。

 公務員などの共済組合は負担割合なしとありますが、高い保険料を払っているからでしょうね。それ以上に公務員世帯の所得がダントツに高いのが気になりますけど。

 つまり、政府は負担割合の少ない保険制度で、精神障害者の面倒を見ていきたいという思惑、「公助から互助、そして自助へ」というように、シフトしたいと考えていました。それが社会的入院、つまり60歳以上で医療保険から介護保険に保険シフトする、より政府負担が少ない保険を使って、生活の面倒を見るシステムに移行していこうと考え、辻褄を合わせ、理由付けをするために突然表れた言葉が「社会的入院」というわけです。

 精神保健福祉の歴史からみて、治安維持で無理やり監獄に入院させていたのにも関わらず、医療費削減のために、入院していた人達を施設化していた病院を悪者に仕立て、社会に戻すという政策だということです。

 当然、患者は困りますが、家族も困りますね。そして、麻薬のような薬漬けにされている人々が地域社会に戻ってくる、さらに刑法39条の刑事責任能力欠格者が地域でトラブルを起こすとどうなるでしょう?

 さしずめ、USJのハロウィーンナイトになってしまうかもしれませんね。

 政府はそんなことは了承済みで、その危険性に対して、現在全国精神科病棟に「司法精神病棟」なるものを建て始めており、犯罪を犯した精神障害者を更正する病棟を作っています。そもそも、そんなプログラムで更正するわけないんですけどね。このことについては後日書きたいと思いますが、脱施設化、ホスピタリズムの解消とは、こういった背景があり、当人の人権保護が目的でなく、社会の不安定化、財政の無駄の削減、医療費削減の一環でやられただけのその場しのぎ政策であるとい考えられます。

 

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