(https://cck.co.jp/feature/paperless-meanings/)
今回は「ペーパーレスだけで業務効率化できるのか?」といテーマです。
看護提供方式の話題から、「電子カルテ化、ペーパーレス化がもたらす弊害について」書いていきたいと思います。
日本の看護業界の問題で、話題にのぼるのが、サービス残業です。
特に前残業、後残業というシステムがあり、日勤が8時30分から17時00分までと就業規定があっても、7時30分に出勤して1時間かけて、準備と情報収集をする、18時30分まで記録、日報打ち込みをするということが常態化している急性期病院が多いのが現状です。
特に、前残業について言えば、電子カルテとペーパーレスによって、情報収集する範囲が膨大になっているため、スタッフの負担になっているという声を現場の看護師から聞きます。
かなり高い情報処理能力と経験がなければ、膨大な患者情報から優先度の高い情報だけを取り出して1日の業務を組み立てることは至難の業となります。
当然能力が足りなければ、千葉大学看護師暴露事件のような事件に繋がります。
(動画はこちら)
「薬捨てている」など看護師名乗る人物がXで不適切投稿か 千葉大病院が調査開始(2025年1月8日)
この事件は職業倫理だけが問題ではないと思います。
多忙で脳疲労を起こしているため、このような無責任な行動に繋がっているのだと思います。
もし、誰かが「日勤業務これだけだよ」と準備しておいてくれれば、情報収集という無駄な時間を省くことができます。
そしてリーダーが時間を確保して口頭で申し送りしてくれればかなりの時短になります。
ところが、ペーパーレスにし電子カルテ一本にすることで、一から業務や指示を拾って、行動しなければならなくなるため、何も良いことがないのです。
急性期の病院の場合、入退院が激しいため、毎回初見の患者を受け持つことになるため情報収集だけでも業務負担になります。
先ほど少し言葉が出ましたが、現場で働く人たちは日々、膨大な情報に触れ、脳疲労を起こしてしまい、いつしか頭の回転が落ちて来て、「疲れた、しんどい」という考えが取れなくなります。
脳の回転が落ちるということは、うつ病や認知症になるということですから、そういった仕事は長く続けることはできません。
脳への負担が大きすぎるからです。
前残業と後残業をなくすための方法として就業規定を変えるやりかたがあります。
日勤をイギリスのように7時30分~19時30分の12時間勤務(休憩1時間)にして週3日勤務にすれば問題は解決します。
さらに、夜勤後は、48時間勤務させてはいけないルールも徹底させれば労働環境が良くなると思います。
看護師の情報収集能力アップを期待することも大切ですが、業務負担を軽くすることを考えていかないと、いつまで経っても人出不足はなくならないと感じます。
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