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旧精神科医療は思想警察なのか?

残遺型統合失調の薬物療法アセスメント

2025年01月21日 | 精神看護実習向け

残遺型統合失調症とは何でしょうか?

精神医学疾病論の言葉で端的に説明するなら

『長期入院により、陰性症状だけが残った社会的入院患者のこと』を言います。

(個人的には「治療失敗」と言い換えられるため、精神医療被害者であると思います。患者という言葉を使うのもはばかります。)

残遺型統合失調症は、陽性症状と呼ばれる幻覚妄想やそれに伴う、興奮もない状態と定義されています。かつて急性期で苦しんでいた統合失調症の症状が、薬物療法で上手くコントロールされているという見方もあります。

しかし、実態はもともと病気でもないのに、家族と揉め事を起こして、長期間、強制入院させていた結果、社会能力や社会復帰意欲がなくなってしまった施設症の人を言い換えているのが実情です。

話題は逸れますが、看護学生が精神看護学実習で受け持つ患者の大半は「統合失調症慢性期」と言われているだけで、中身は「施設症」の患者を受け持つのです。

「わざわざ病名をつけておかなくてもいいのでは?」と考えられますが、障害者手帳2級と障害基礎年金2級を維持するために、また医療保険で入院費支払いをしてもらうために、「重症な病名診断は必須」なのです。

大人の事情なのですね。

それでは残遺型統合失調症と呼ばれる

「①家族から疎遠になり、社会に居場所がなくなって、②向精神薬を内服し続けている人」への

処方薬とアセスメントの仕方について要約していきたいと思います。

 

薬物療法は大きく分けで3つの観点で見ていきます。

【1、抗精神病薬:メジャートランキライザー】

薬物療法の、抗精神病薬は定型と非定型に分類されており、その差は、副作用の出方の強さが定型約の法が出やすいことから、このような分類がされています。

抗精神病薬の副作用は山ほどありますが、臨床で良くみられるのは、「Ⅰ:EPS(錐体外路症状)」と「Ⅱ:抗コリン症状」の2つです。

Ⅰ:EPSには、「①パーキソニズム②ジストニア③ジスキネジア④アカシジア」があり

Ⅱ:抗コリン症状には「①口渇感②便秘③尿閉」などがあります。

アセスメントをするときは、これらを必ず観察して記載しましょう!

さらに、重篤な副作用で、「Ⅲ:悪性症候群」があります。

観察ポイントは、①高体温②筋硬直、振戦 ③高CK血漿(血尿)です。

【2,マイナートランキライザー】

次に、マイナー(メジャーよりも弱め)の鎮静薬として、抗てんかん薬とベンゾジアゼピンがあります。

この2つは「GABAを賦活して、脳の興奮を鎮める、リラクッスさせる効果がある」とされています。

横文字を使って、抽象的なことを言われても何の事やら分からないので、アルコールで例え話をします。

人間はアルコール飲料を飲むと、意識がぼーっとします。

たまにお酒を飲んで怒りっぽくなって喧嘩する人、口論しだす人がいますが、多くの人は、陽気になったり、多弁になったりし、眠ってしまったり、時に服を脱いだり、道端で放尿したりしてしまう人もいます。

抗てんかん薬やベンゾジアゼピンを内服している人は、薬の影響で、体感的にお酒に酔っている状態であると考えてください。

ベンゾジアゼピンや抗てんかん薬を内服している人は、二日酔いの状態に近いと想像してください。

(向精神薬の影響で、酒気帯び状態に近いため、精神科医は向精神薬を飲んでいる精神障害者の車の運転の許可を渋ります)

なぜ、メジャートランキライザーとマイナートランキライザーを分けるのかというと、メジャートランキライザーだけ投与していると、肝臓や脳が耐えられなくなり、発狂したり、中毒死してしまうからです。

【3,薬害、副作用対策のための処方薬】

治療薬の副作用を抗パーキンソン薬や下剤で対応します。

具体的には、前述の通り、EPSとよばれる錐体外路症状への対応と抗コリン作用による便秘への対応になります。

 

ここで処方される抗パーキンソン薬とは、パーキンソン症候群の治療で使われる、Lドパの類だと考えて差し支えありません。

(レナードの朝:レボドパでパーキンソン症候群を治療しようとした実話をもとにした映画作品)

下剤は、酸化マグネシウムとピコスルファートナトリウム内用液(ラキソベロン)を定期薬で毎晩内服しています。

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残遺型統合失調症の人は、このような薬剤を処方されている方が多いです。

【なぜ精神病患者は一生、薬を飲み続けなければならないのでしょうか?】

「薬を飲んで症状がコントロールされて、感情が落ち着いていると捉えるか?」

「薬を止めてしまうと、脳内ホルモンバランスが崩れて錯乱してしまうと捉えるのか?」

皆さんはどちらだと考えますか?

アメリカやイギリスでは睡眠導入剤であるベンゾジアゼピンの中毒と依存症で悩んでいる人が後を絶ちません。

麻薬や覚醒剤を突然止めた人には離脱症状という禁断症状が現れます。

人によっては離脱症状が苦しすぎて、飛び降り自殺してしまったり、さらに強い鎮静剤を内服し中毒死する人もいます。

長年、向精神薬を内服している人が、突然内服を止めると、最悪の場合、離脱症状の影響で突然死したり、自律神経の乱れが強くなり、体調不良を起こすこともあれば、感情の起伏の激しさから、うつ病のように疲れ果て、生きることに絶望し、自殺してしまうことがあります。

 

一度飲んだら簡単に止められないのが向精神薬の恐ろしい所です。

 

ある意味、精神科の治療が原因で、「本当に精神状態がおかしくなってしまう」といっても過言ではありません。

家族とトラブルを起こして入院してきて、統合失調症と診断されて1年以上入院していると、向精神薬の影響から表情は無表情になり、小刻み歩行をし、無気力になり、ロボットのように感情が無くなってしまいます。

それを、「病気が進行したことで人格水準が低下したと考えるか?」

「強制入院、強制治療によって、脳機能が破壊された結果と考えるか?」

私は後者であると思います。

統合失調症破瓜型(はかがた)は、人格水準低下が特徴としてみられると教科書には書かれています。

しかしそれらに何の科学的根拠や一貫性はありません。

ただ言えるのは、10代で若くして精神病院に入院させられ、

①親から見捨てられ将来に夢や希望が持てなくなる

②強烈な抗精神病薬を投与され続ける

③外出や面会の制限をされ、自由をはく奪された刑務所のような生活を何年も続ける

ことによって、周囲や社会への関心が低下するのはごく当たり前のことだからです。

 

私は精神科看護の実習では、「病気」を見るのではなく、実際に行われている治療と療養環境を見て欲しいと思います。

そして、このような閉鎖的な環境で、人間の精神がまともに回復するのだろうか?と自問自答してもらいたいと思います。

 

今回は残遺型統合失調症の薬物療法のアセスメントについて書きましたが、精神科薬物療法は、例えるならば、「過去に風邪をひいて、肺炎になったから、風邪が再発しないように風邪薬を内服し続けるのと同じだ」と思います。

風邪をひかない人はいません。

風邪をひいていけないわけではありません。

なのに、精神病だけは、再発してはいけないという「予防の概念」が異常に強いのです。

そのため、症状がなくても予防的に薬を投与し続けている現実に、医学の矛盾、精神医学の矛盾を感じざるを得ません。

人間の心(脳)は薬でコントロールできません。

しかし、現代医学で人間の脳機能をコントロールする方法が見つかっていない為、家族と同居できなくなり会生活が送れなくなった人たちを、仕方なく、精神病院に隔離収容しているだけなのです。

そして、日本社会ではそういった社会の枠組みから外れた人たちを、社会に戻すことができません。

それは何故か?人間を大切にしない社会だからです。

お金や一時的な快楽享楽のために、強盗や人殺しをしたり、詐欺を働く人たちが多い社会に、本当に人間を慈しみ、愛する心があるわけがないのです。

人間を大切にする社会になるために何が必要だと思いますか?

それこそが、精神科看護、精神科医療の答えだと私は思います。

(答えを知りたい方は、こちらのブログをご覧ください。)

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