JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

吉川潮 「芸能鑑定帖」

2006-10-17 | BOOK
立川流顧問として談春七夜には毎夜出現していたのでしょうか。中入りでの書籍販売。小柄でハットを被った方がちょこんと座っておられた。それが著者で、サインをしてくれるという。
ミーハー根性が疼いて衝動的に購入していた。

吉川潮氏は「芸人奇行録 本当(マジ)か 冗談(シャレ)か」(文庫版では「突飛な芸人伝」と改題)を即買いして読んだ。なにしろ取上げる芸人が魅力あふれる人々だったので。

今回の本は鑑定帖と銘打って「ホンモノを愛し、ニセモノを叩く。」
芸能評論家としてはバッサリ切って落とすわけで、ちょっと読む前に不安がよぎった。しかし、ニセ物の烙印を押された人々は、言われても仕方の無い(当人の価値観も違う所にあるような人たち)芸人(?)なのでそんなに不快な思いはしないでよかった。


寄席演芸に留まらず広い分野の芸能を取上げているので何か知らない新しい芸に巡り合い「是非観てみたい」なんていう芸人が居ないかなぁと思いながら読み進めていく。

おすすめ芸人で本間しげるという一人コントを褒めているので、興味を持ったが、まず、観る機会はないんだろうな。イッセー尾形も見たことない私ですから。
一人コントというと昔ジャンジャンで志らくのを観たっけ。

そして出ました、最後の方に
「ミス・ジャクリーヌとマダム・アヤメビッチ」
これは是非観てみたい!
上方落語家、林家染雀と桂あやめが歌うシャンソン・ユニット
「エクスタシーいくよくるよ」、月亭可朝往年のヒット曲「嘆きのボイン」のシャンソン・バージョン。
いや、同じ2人のユニット、芸者音曲漫才「姉様キングス」も観たいけど。
どなたか東京の落語家さん、自分の会にゲストで呼んでくれないかしら。全部持っていかれちゃう不安から難しいかな。

当代林家正蔵への見解もなるほど首肯する内容。

「若手落語家にとって故郷とは」では談志談慶師弟のちょっといい話・・・

「芸人奇行録」の頃あんなに仲良く付き合っていた快楽亭ブラック(当時快楽亭セックス)とはその人間性が許せず完全に修復不可能になってしまった様子。毛唐と呼ばずに外人と呼ぶところがマジで怒ってる。

このところブラック独演会に足を運んでいないが日程的に折り合わないのと、ほぼネタは聴いてしまったから・・・でも新作「紀子ほめ」は聴いてみたいぞ。

先日観た前田隣の項ではビートたけしの口調の手本が前田隣だという事を知った。
たけし口調は後輩や素人にまで浸透影響しているので、超ベテラン前田隣も・・・などと思うのは失礼極まりない事でした・・・
吉川氏の文体が一部、家元の文体に似ているのは・・・吉川氏が似てしまったのか?家元が似てしまったのか?

2晩で読了。面白かった。

吉川潮氏の小説を未だ読んでいない。「江戸前の男-春風亭柳朝一代記」今、なかなか手に入らないBOOKOFFマークして行きたいんだけど・・・

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