JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

原宏一 「床下仙人」

2010-01-21 | BOOK
床下仙人 (祥伝社文庫)

筒井康隆に激しく魅せられたものとしては、その後も似たような作風の作家を読んでみたりするのだけれど、大概は、「この手のものは筒井先生だけで充分」と思ってしまい心惹かれず・・・それが偏見となってべったりんこと心底に貼りついちゃってますね。

最近とても売れている(ついに10万部突破)新奇想小説ということで読んでみました。

仕事に追われるサラリーマン亭主を主題としたものが多い「世にも奇妙な物語」
それぞれの着想は悪くないんだろうけど、読んでいて、このなんともいえない古臭さは何なんでしょう。
風刺小説というのは、時として10年もしないうちに古臭く陳腐化してしまう宿命を背負った物があるけれど、これは発表と同時に古臭い。ノスタルジーとかであれば懐かしい感慨が心地良いのだろうけど、ただただ古臭い。これは一種の名人芸ではないのだろうか。恐るべし。

と言う事で「床下仙人」「てんぷら社員」「戦争管理組合」の3編読んだところで一旦投げ出してしまった。

時間を空けて、気を取り直し、残り2編も読んでみる。

時間を空けたのが良かったか、単に前半3編を読んだ時期が体調思わしくなかっただけなのか・・・・「派遣社長」「シューシャイン・ギャング」に関しては話の展開としても悪くなく、あまり古臭さを感じずに読めた。

「派遣社長」の業種業界社風の違う社長が派遣されてくる。(デザイン会社に居酒屋チェーン社長)主人公の中堅デザイナーがその派遣社長に巻き込まれていく様。
「シューシャイン・ギャング」では、女子高生とリストラ中年の2人の奇妙なホテル生活の展開に期待を持ち楽しめた。
ただ残念ながらこの2編、ラストの落としどころがチト弱い。

なんだか惜しいなぁ。もう少し他のも読んでみようかと言う気持ちはあまりおきない。
やはり筒井康隆だけで充分(逆に遡って山田風太郎は良いです)という偏見を覆すまでには至らなかったなぁ。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ  blogram投票ボタン

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「喜劇 駅前飯店」 | トップ | 大阪名物くいだおれ太郎プリン »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

BOOK」カテゴリの最新記事