人中って何でしょうか?
私は、辞書の語彙を調べて、日本語の音の特徴を明らかにしようと、日々、地道な研究活動を続けています。すると、本来の目的とは別に、面白い言葉を見つけて、なるほどと思うことがよくあります。
先日、某クイズ番組を見ていたら、「鼻と上唇にある溝をなんというでしょう?」という問題が出されたのです。これは、私の得意分野です。はりきって
「鼻溝!(はなみぞ)」
と答えたら、なんと正解は「人中」・・・。私が辞書で見つけて、なるほどと思って覚えていたのは「鼻溝」だったのです。でも、正解は「人中」。辞書で調べると両方、同じものを指すということがわかりました。
言葉というのは不思議で、「存在するのだから、言葉がある」、あるいは「言葉があるから、存在する」ものなのです。存在するのだから、言葉はあるはずですし、言葉を意識したら、その存在も認識することができます。
ということで、「盆の窪」という言葉があるのですが、どこにあるかわかりますか?
「最近、盆の窪が痛いんだよね~」
遣うとしたら、そんな感じでしょうか。正解は、「首の後ろのくぼんだところ」です。しかし、「鼻溝」はどうやって遣えばいいんでしょうね。
「鼻溝に、にきびができちゃって・・・」←えらいピンポイントですな・・・あまり遣う場面がなさそうです。
皆さん、何かこういった言葉をご存知ですか?