日本語の程度副詞は意外に難しいです。
母は現在70オーバーですが,「むっちゃ」を使います。生前,父は,母のこの言葉が嫌いだったらしく,若者みたいな言葉を使うなとよく怒っていました。娘が使うのはかまわなかったようですが。
北島康介が2004年のアテネオリンピックで金メダルをとって「超(チョー)気持ちいい」と言ったのが,すでに12年前。彼も今年で34歳です。今,彼が同じことを言うと,ちょっとおかしいかもしれません。
漫画の一コマで,こういうシーンがありました。夫婦の何気ない会話なのですが,
いくえみ綾(2014)『あなたのことはそれほど2』祥伝社
Section7(初出『FEEL YOUNG』2013年8月号)
妻「おいし~
グラス超薄いねっ」
夫「みっちゃん
30なんだから
もう『超』とかやめよう」
私も内省してみました。さすがに,「超」は使っていないと思いますが,古くからの友人と話すときは,使っているかもしれません。やはり,「むっちゃ」でしょうか。もちろん,目上の人と話すときは,「とても」を使いますが,友人と話すときは,何と言っているのか,ちょっとわからなくなりました。自分が使っている言葉でも意外とわからないものです。