佐藤功の釣ったろ釣られたろ日誌

釣り・釣りの思い出・釣り界のこと・ボヤキ.etc

長き釣り友の歴史24(我が人生の釣遊記)

2023-02-21 19:50:13 | 日々の思い

Episode5 老後の釣り4

田舎暮らしをしていた69歳の時である。ふと半夜釣に行ったら何か面白いものが釣れるのではないかと思った。体力的にももうこれが最後の夜釣りになるかもしれないなあと思っていた。誰も同行してくれるわけではないので一人自転車で近くまで行き、浜を歩いて近くの地磯に出掛けた。闇夜でエサはオキアミである。ヘッドランプは消して電気ウキを見つめていた時、ごく普通のアタリがありイサギだろうと軽く合わせたところ、物凄い引きが襲ってきた。リールが逆転する。絞めてもズルズルと糸が出ていく。ヘッドランプを点灯したいが引きが強くて手をヘッドランプに持っていけない。立っている足場さえ危ない。誰もいない闇夜である。魚は壁面に沿うように沖へ向かって逃げて行く。竿とリールは悲鳴を上げる。ハリスは5号、擦られないかぎりなかなか切れないという自信もあったが、半分もう切れてくれという気も過った。それから足元が危ないのを承知でどんどん沖の方の岩場に変えていった。そしてもうこれ以上は出られないという突端の岩場で耐えに耐えた。頑張っていたら魚は少しづつ弱ってきたように感じたが、これを捕るには玉網がいる。今度はまた玉網を置いてある場所まで戻らなければならない。どうにか玉網を持ったら魚は見透かしたようにまた沖へ走り出した。また見えにくい足場への移動である。そんなことを繰り返しついに引き寄せ玉網をいれることになった。ところが魚を玉網に入れたとたん玉網の枠がその重量で折れてしまったのである。その折れた玉網のまま魚を曳き吊りあげることができた。しばらくその場に座り込んでいたが、ヘッドランプを点けてよく見たら今まで見たこともないでかいイズスミであった。荒い息を沈めつつ獲物を持って砂浜を歩き自転車でやっと母の待つ家にたどり着いた。翌日気を取り直して魚拓を取った。68cm、6.1kgあった。釣った時は多分70cmあっただろう。これも大釣連の記録物であったが既に退会していたので記録にはならない。

これを最後に夜釣りはもう無理と卒業した。

コメント
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